先日、ワイキキのロイヤル・ハワイアン・ホテルに新ミュージカル「ホヌ・バイ・ザ・シー」を観に行った時のこと。会場の横に、ハワイが誇る歴史家にして画家の、ハーブ・カネさんの作品が飾られているのに気づきました。

それはカメハメハ大王が1795年にオアフ島に侵攻した場面を描いたもので…。なんとこれ、カネさんの生涯最後の作品なのだそうです! 制作年月日は記されてなかったのですが、カネさんが亡くなったのが昨年春のこと。ですから、おそらく2010年以前のごく近年に描かれたものなのでしょうね。先日、カネさん著の「ヴォエジャー」を買ったばかりなので、思わぬ場所でカネさん最後の作品に出会い、嬉しかったです。

作品の下には、カネさんの写真と、カネさんの言葉による作品の解説が掲げられていました。それによると。絵の右側には赤土色の帆を掲げたカヌーがありますね。これはカメハメハ大王の乗ったカヌーだそうです。小さくてわかりづらいかもしれませんが、羽毛のケープをつけた王族達に混じって、カメハメハの守護神でもあった戦いの神、クーカイリモクの像を掲げた、カフナの姿もありますね。カヌー上の右で、頭上にキイロっぽく描かれた神像を高々と掲げている人が、それです。

そしてこのカヌーの帆が赤いのにも理由があります。以下、カネさんの言葉を引用しましょう。
「父の子供時代の語り部達によると、キングを乗せたカヌーは、赤茶色に染められた帆でほかと区別されていた。その色は赤土とククイナッツのオイルを混ぜたもので染められた」

面白いですね~。カネさんの描くものには、いつも私にとって新鮮な知識が含まれています。文字を持たなかった古代ハワイでは、こうして語り部達により、もしくはチャント(詠唱)により、古代の物語や知恵、知識が伝えられてきました。そう、口承ですね。近年だけ考えても、「おじいさんに聞いた話」や「曾おばあさんの子供時代の経験」などが、その辺の歴史本に書かれた話より真実だったりすることもあるんです。カネさんもそうして身内や土地の長老からも、さまざまな歴史を学んできたのではないでしょうか。そしてそういった知識を、数々の作品に反映してきたのだと思います。

このハーブ・カネさん最後の作品は、ロイヤル・ハワイアンホテルのモナークルームのすぐ横に飾られています。カネさんのファンは必見! カネさんの偉大なるマナに触れてみてください。