(vol.179) 2023/11/17(金) さつまいもキュアリング・稼げる営農モデル | もりもりばたけ日記

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2024年4月にOPENしたOrganic field「もりもりばたけ」のブログ。
すべてが新しい発見になるので日々の悩みや感動を赤裸々に綴ります。

朝から結構な大雨になり、圃場の一部が水たまりになった。ただ、畝立てと明渠掘りを同時にしているので、ジョレンでざっと掻き出してやると簡単に排水できた。明渠掘りが大事だけど、それでも詰まってしまうのでこまめに排水することが大事。水がたまったままになったり、踏み固めてしまうと後々回復に時間がかかる。

 

 

サツマイモを収穫する時に傷ついてしまった場合の対策として、キュアリングがある。傷がなくなるわけではないが、キュアリングすることで傷口から腐敗するリスクを下げることができる方法(多湿環境で貯蔵すると腐敗する)。

①ハウス内にある温床マットを30℃に設定

※温床マットは長野の農電電子サーモ品。ホットカーペットで代用すると漏電リスクがあるので注意。

 

②温床マットの上にサツマイモをできるだけ重ねないようにコンテナに入れたまま置く。

※コンテナに入れたままの方が人が出て触る機会が減るので傷が拡がることを防ぐ。

 

③温床マットの上に水を入れたカップを設置する(多湿にするため)。

 

④ビニールトンネルをかけ、尺取虫で固定する。

 

サツマイモは10℃以下になると腐るので注意。3-5日間でキュアリングが完了する予定なので、その後は乾かしてから15℃の環境下で貯蔵する。どんな状態になるか楽しみ。

 

 

ソラマメの発芽はまだそろわないが、死んではいない。発芽しているものとまだ発芽していないものと場所を分けて灌水を継続する。

 

 

新規就農して、個人事業主となる中で大事なことはもちろん栽培技術だが、財務管理能力もとても大事。これができないと経営者とは言えない。具体的にどうやっていくか、直近の動きでどういう農家さんが優れた農業経営をされているかといいったお話をお聞きした。

管理能力とは、知識×経験であり、どららも大事。

・青色申告(簿記に基づいて帳簿を記載し、その記帳から税金を計算して申告すること)をすることになるが多少めんどくさくても白色申告に比べて節税効果があり、自分で費用の把握ができるので絶対やれるようになるべき。

社会保険料は収入の15%くらいで考えるといい。

・稼いでいる農家さんに共通しているのは、果菜類(ナス、キュウリ、トマト)が多く、ハウスで周年栽培していること。

・周年栽培することで常勤雇用ができることになり、常勤になることで人が育ち、毎年伸びる構造になっている。

・常勤雇用で人が育つと経営者は次のステップに進める(勉強できる時間が出てくる)。

ネギも春蒔き、夏蒔き、秋蒔きができるので周年リレーが可能

・周年栽培でなくても適地適作で稼ぐことも可能。例えば、ブドウ農家は6-8月の期間が忙しくなるが、大学の近くに圃場があれば学生の夏休みバイトがあるし、収穫体験をうまく活かせる利点がある(出荷調整費用が抑えられる)。

・行政は農業経営法人化支援総合事業など、規模拡大を促進してくるが、小規模で稼げる営農モデルが大事。

売り上げの最大化より利益の最大化が大事。

・面積を増やせば当然売り上げは増えるが、忙しくなる。まずは今ある面積で秀品率、秀品量を上げる方法を模索することが大事(本当にこれがベストなのかを常に疑う)。

・103万円の壁(税金がかからない収入は103万円まで)をうまく利用して、収入を家族で分配するのは問題ない。

・家族であれば時給は自分で設定できるが、パートを雇うとなると最低賃金が発生する。家族の労働を外部に切り替えても経営的に成り立つかを先に検討しておくことは大事。

・管理会計という考え方は大事。作物別原価計算をしっかりして、毎年作付け見直しをすることが重要。

・原価計算は自分のためなので、労務時間の割り振りなどは自分でルールを決めたらいい。運賃など迷ったら共通費にしてもいい

・作業時間は、大きくは畑での作業時間(生産、管理)と畑以外の作業時間(選果、販売)に分けるだけでも損益分岐点を見えやすくなるのでいい。

・確定申告までの流れは以下の通り。

①開業届提出

②開業届と同時に青色申告承認申請書を提出

※開業から2カ月以内に提出する義務があり、書類は7年間保管必要。

青色事業専従者給与に関する届出書を提出

※奥さんに出す給与になるが、自分で設定できる。ここで設定した金額までは経費にできるので、月30万円など多めに申告した方がいい。でも月30万円に設定したら103万円の壁を越えてしまうので確認が必要

④源泉税の納期の特例に関する届出書を提出

※毎月提出を半年に1回提出にすることができる。毎月やる方がルーチンでやりやすい場合は不要。

開業届を出す際には複写して2部セットで提出すること。一部は自分控え用にして持っておいた方がいい。(etaxによる電子申請は便利)

・開業前にかかった費用でも「開業費」として計上することは可能。

・かかってくる税金の種類には、所得税、消費税、住民税、固定資産税(土地建物)、償却資産税(ハウス等)、不動産取得税などがある。

・税理士に依頼するものとして、「仕訳記帳」「決算書作成」「申告書作成納税」があるが、まずは自分でやってみる。

・キャッシュフローを見ることも大事。営業CFは投資CFと財務CFから算出することもできる。

口座はプライベートと分けた方がいい

・直感や勘も大事だが、経営はそれだけではダメ。

 

Excelで管理することは結構好きなので、うまく会計ソフトも使って管理し、毎月の状況をしっかりと分析しながら進んでいきたい。開業届の話を聞くと、いよいよかと思い、ワクワクする。

 

もりちん