遅ればせながら、米アカデミー賞外国語映画賞「ドライブ・マイ・カー」を鑑賞しました。


この作品の中盤は広島ロケ。

至極のロードムービーを、よく知っている景色で観られる喜びがありました。




作品のテーマはおそらく他者を理解することについて。


他者を理解などできない、それでも向き合うことができる。

それは自分自身と向き合うこと。


といったメッセージがチューホフの「ワーニャ伯父さん」の戯曲のセリフを引用して、劇中劇を展開しながら語られます。


それでいて複雑な話ではなく、私のような「ワーニャ伯父さん」を未鑑賞の人間でも解るよう、丁寧にストーリーが進んでいきます。


広島が舞台になった理由は、作品の主題と別に「生き残った者達は、辛くとも生きていかなければならない」という、3.11以後の日本作品に見られる日本にとって重要なテーマを、直接東北で表現せず、同じく復興都市である広島に背負わせたのではないかと推察しました。




この作品では、アニメ映画「この世界の片隅に」でも活躍した、広島フィルムコミッションが全面的に協力したと聞いています。


その甲斐あり、広島の魅力は作品にしっかりと刻まれていました。


その土地の魅力の一番は、その土地の文化だと思います。

また一つ広島に素晴らしく文化的な作品が誕生しました。

広島に行きたい、住みたいに繋がると嬉しく思います。