手術着に着替えて、いよいよ手術室へ。まず最初に、注射で採血を受けました。これは、自分の血液からPRPという成分を抜いて、抜いた髪の毛を一時的に入れておくためだそうです。その後、うつぶせになってバリカンで後頭部の一部の髪の毛を短く刈られます。その後、睡眠麻酔を受けます。これは頭に何十本と打つ麻酔の注射が痛いので、その痛みから逃れるためのものだそうで、いわば麻酔のための麻酔です。私は結構麻酔が効くほうなので、すぐに意識が薄くなって、朦朧としました。その間にまず眉頭に大きな針で麻酔を打ち、その後頭全体に渡って何十本と同じように麻酔を打っていったそうです。

 

これで、準備完了。手術は大きく分けて二つの作業があります。まず、後頭部から髪の毛を抜いていく作業。短く刈った部分から、太い健康そうな髪の毛を選んで抜いていくそうです。私は1100本でお願いしていましたので、その分。その間はずっとうつ伏せになっていますが、ベッドに顔を埋める穴が開いているので、苦しくはありません。麻酔が効いているので、チクッ、チクッという感触自体はあるのですが、痛みはない、不思議な感じです。

 

それが終わってから、一度休憩がありました。看護師の方やアテンダントの方に付き添ってもらいながら、トイレに歩いていくのですが、頭が麻酔でふらふらとして、一苦労。

 

その後、今度は髪の毛を移植していく作業。最初にトントントン、とメスで細かい傷をつけて行きます。これは移植をしやすくするためだそうで、畑を耕すような感じでしょうか。それが終わってから今度は、シュポン、シュポン、という音がして、実際の移植作業。髪の毛を一本一本、管に入れて、それを空気圧のようなもので植えていく感じだと思います。途中から、麻酔が切れ初めてちょっと痛くなるのですが、痛いです、と訴えると、すぐにポチッという小さな針で麻酔を追加してくれます。そうするとすぐに痛くなくなります。これは何回か続きました。

私は前髪の生え際の一部と、それからつむじの部分の移植をお願いしていたのですが、まず生え際が終わった段階でまた休憩。その後、つむじにも移植してもらって、終了です。1100本はそんなに多くないそうですが、それでも手術室に入っている時間はたっぶり4時間くらいだったでしょうか。こちらも大変でしたが、執刀してくださった院長先生が一番大変だな…と感じました。体力と集中力を相当使うのではないかと。

 

そんなふうについ先生のことを心配してしまうくらい、私当人はそんなに辛くはありませんでした。基本的にはずっと横になっているだけですので。上に書いたようなことも、手術前と手術後にアテンダントの方に状況を説明して頂いてイメージをつかんだだけです。基本的には目をタオルで隠されているので、何も見えずに、ただチクチクッという感触や、トントン、という感触を感じたり、シュポンシュポン、という音が聞こえるだけです。上に書いたように、時折麻酔が切れかけて、あ、痛い、と思うときがあって、その時に、痛いです、と訴えるだけで、それ以外の痛みはありませんでした。

 

ただ、手術後にトイレでふらふらしながら、鏡の前で、自分の頭や、手術着に着いた血の跡を見て、大ごとだったんだな、と感じました。

 

写真は、手術直後のものです。