【私たちのまち おおた市民会議 第一回フォーラム蒲蒲線をテーマに地域自治学習会】

「蒲蒲線の計画をより良いものへ!新空港線(蒲蒲線)の見直し提案~蒲蒲線を「旨い、安い、早い」ものへ」
と題して、長年鉄道政策の専門家、(株)ライトレール阿部等先生をお招きして、鉄道政策としての、蒲蒲線の問題点と、鉄道専門家としての蒲蒲線の新提案についてお話を頂きました。

私は、新空港線蒲蒲線の問題も、神宮外苑問題も、情報公開と住民を交えた議論が行われていない点が、とても問題であると感じています。

そして、公(おおやけ)コモンズの在り方そのものが、問われている問題であると考えます。

公共を切り売りして、民間事業者だけが設ける仕組みを作るのではなく、
区民にとって何が一番大切なのか、便利になるのか、
今回、身近な問題を、専門家を交えてお話を伺ったうえで、主権者である区民・都民の皆様が、主体的に議論し考える場を作りたいと、「私たちのまち おおた市民会議」が立ち上がりました。

民主主義の一丁目一番地である“情報公開”により、

真実が見え、そこから住民の対話、問題点を深堀して、
蒲蒲線についても、結果ありきではなく、区民の皆様と共に、少子化が進み人口減少社会となるこの地域において、持続可能な都市の在り方とは何か、
望ましい公共交通の在り方とは何か、
地域の皆様と共に、議論を深めていくことが出来ればと思います。

新空港線、蒲蒲線は、JR蒲田駅と京急蒲田駅間、800mを結ぶ「40年来の大田区の悲願!」と大田区は説明しますが、
悲願であったのに、
・京急の高架化と蒲蒲線の地下化計画の結節の不合理→長期的な視野で計画が立てられていない。

・第1期工事のみで1360億円、第2期工事の試算も事業採算性も見えない杜撰な計画

・現状JRと京急の歩いて10分程度の時間が、
地下4階の駅まで新駅の乗り換え時間は
10分以上の試算でまったくメリットがない。

という、私が選挙戦で訴えていた蒲蒲線の問題点のみならず、

◎大田区の計画に対する辛口の評価

・東急蒲田―京急蒲田が単線
⇨ 未来永劫、便利なダイヤを組めない

・京急蒲田までの暫定開業
⇨ 所要時間があまり短くならない

・本数が少なく、所要時間が長い
⇨ 山手・京急ルートや自動車に勝てない

・事業費1.360億円は高額
⇨ それに比例して工期も長くなる

・「不味い、高い、遅い」と言わざるを得ない
⇨ 批判のためでなく、建設的な提案のため

蒲蒲線の800mを結ぶことは評価しつつ、
「地下鉄とするから高い・遅いとなる」
⇨ 高架鉄道に対して地下化のコストは工事延長3倍、工事単価3倍
・高架鉄道とすることで、地下鉄に比べ工事延長も工事単価も3分の1となる
⇨1,360億円が、150億円?保証を加えても200億円程度と試算

伏線として便利なダイヤを組むことで「旨い」を加えることが出来る

蒲田は京急の重曹高架を受入れた。

東急は狭軌、京急は標準機⇨ 線路幅の違いは3線軌条

今の計画は、単線であり、便利なダイヤは組めない計画となっている。

地下化を行うと、上下移動がとても大きくなってしまう。

蒲田駅では、上下移動に、ものすごく時間がかかってしまう、乗り換えの不便さ。

利便性を維持しながら、蒲田と空港内でも、便利に乗り換えができる。

京急蒲田の行き来 あえて京急蒲田は止めずに、便利に

今の計画が本当にスムーズにいっても、一期工事で13年後

事業費も、150億、200億円程度で、5年から7年で出来る。

最近の事例でいうと、小田急線で、代々木上原から登戸 小田急は、前線高架鉄道での整備を望んでいたが、下北沢では反対運動ができたため、地下の中で上下2層となっているため下北沢はかなり地下深くなっている。

蒲蒲線が高架鉄道に出来るかどうかは、住民の合意が出来るかどうか。
騒音・振動、日照権
6m以上の側道を設けるのが基本となっているが、空港線の事例を見ても、マンションと近接している場所はいくつもある。

2部質疑応答では、会場よりとても闊達な意見交換の機会となりました。
また、既存の路線をもっと有効活用するような、専門家の提案。近距離移動は、飛行機の方が5倍のCO2を排出しているという点について、利用者ももっと知って、一人一人の行動を変える事の重要性も実感しました。
今回の第1回フォーラムにより、課題と今後に向けて、区民・都民の皆さまとの議論が一層深まる事を期待しています。

今週金曜日には、「蒲蒲線見直し署名」も開催されると、可児さんよりご報告がありました。

大田区の未来は区民が決める‼︎ぜひ、お声をお寄せください。





会場より質疑】
六郷在住の方〉
もともと、羽田空港と成田空港の一極集中 空港に重きを置いたまちづくりへの疑問
地下化 交通政策として、人の移動をどのように考えるか。空路で1時間以内の移動を禁止する。
交通政策とCO2排出
羽田空港を、より便利よく、どんどん便数を増やす政策が進められているが、本当にそれでよいのか。
阿部さん〉羽田の一極集中はいかがなものかーというのは、むしろ一極集中させた方が、効率性が向上する。近場の基幹空港、ハブ&スポーク ハブ空港に集中させることで、全体ネットワーク
23区の中で、空港があるのは大田区だけ。大田区の立地を生かして空港アクセスの向上を図ることは、自治体としてのメリットがある。

ヨーロッパでは、200k、300kの距離 CO2排出量を比較すると、大阪に行くことを考えると、新幹線で移動するよりも、短距離移動は5倍のCO2を排出する。「とび恥」

日本のローカル線は、ほとんど民間が作った。

田中さん〉税金を投じながら、一民間企業が、企業努力と関係ないところで利益を得る事の問題点

阿部さん〉大田区長は220億円を投じながら、京急蒲田駅を 40分に1本しか止まらない。
蒲田⇨空港直通のエアポート快特はダイヤは減っている。

羽田新幹線 新幹線を東京都駅から羽田空港まで繋げば、全国へのアクセスは格段に向上する。
既存の大井の車両基地を使えば、JR羽田アクセス新線を整備するよりも、よっぽど利便性が向上する。

JR東日本の羽田空港アクセス線
30年以上使っていない、貨物の線路を使って整備されるが、既存のモノレールを圧迫し、整備による利便性向上に疑問

東京~羽田は在来線ではなく新幹線に
・在来線経由
―田町駅付近で分岐するのに新幹線を横断
―上下いずれを通しても大工事、地下を選択
―高額なうえに単線となり便利なダイヤを組めない

阿部さん〉京急の羽田空港駅が行き止まりになっている。品川駅 JR山手線と京急
京浜急行と北品川の踏切を撤去する工事を行っている。
将来的に3線軌条か、
東山手ルート モノレールと競合するJR羽田アクセス線 を自前で整備することが正しいのか