【都庁で政策懇談会】第3回定例会に向けた準備

8月25日は、第2回定例会の文章質問の神宮外苑開発と生物多様性の保全について、担当局さんとの政策懇談。
東京都の環境アセスは、「着工されたら終わり」では無く、着工中、完成後まで、継続した調査により、都がしっかりと関与していくものとなっており、プロジェクトの今後13年間、毎年の継続した調査と対策を行うとの説明がありました。

建国記念文庫の森では、高木の740本余だけでは無く、事業者より新宿区に対して低木も合わせて3000本の伐採の認可が降りているとの説明がありましたが、
仮移植の後の本移植に際して、植えた先における生物多様性、樹木の植生の在り方については、先日の環境アセス審議会でも、有識者の委員の先生から、危惧する声が聞かれました。

東京都は、樹木医の専門家とともに、より丁寧な根茎調査を冬に行い、その調査結果のエビデンスに基づいて、神宮球場のセットバック等の計画の見直しを行う事について、前回のアセスでは前向きな回答も見られました。

一方で、神宮球場については、数年前にかなりの予算をかけて耐震改修工事を行なっており、
建築の専門家からも、数年ごとに適切なメンテナンスが行われてきた経緯を踏まえて、
今取り壊す事が本当に妥当性なのか、歴史的文化的な史跡として残すべきとの指摘に、
世界では100年以上の建物も内装を最新設備にリフォームしながら利用されている事例も多く、
日本の建築が、あまりにも容易く壊されている現状に、
膨大な建築廃材の問題、建物の更なる長寿命化が求められており、持続可能な環境を守る取り組みが求められます。

銀杏の活力度調査が、環境アセスの資料ではAとなっている一方で、
石川幹子先生からは、「100年間1本も枯れなかったいちょう並木が衰退し、息も絶え絶えです。このまま計画通りに再開発を進め、近くに球場をつくれば、枯死への道を歩むでしょう」と危機的な状況が伝えられています。


銀杏の一部に枯れて居る葉が見られるなど、とても活力度調査が現状に見合っていない課題があり、100年間このまま再開発を続ければ、東京都が万全の保全を行うと言っている銀杏並木が危機に瀕しています。

東京都環境局のアセス担当とお話をさせて頂き、
環境アセスのA評価は、環境アセス作成時から既に5、6年前の調査結果を元にしており、
今年の異常な暑さの影響もあるとの事。

銀杏の根茎調査については、改めて、冬に丁寧な調査を行った上で、今後の計画に活かす事。

建国記念文庫の樹木の移植については、移植先の生態系にも充分に配慮を行って頂きたいと要望しました。

大木の移植は、並大抵の事ではありません。
国立競技場建設では、1500本の樹木が伐採され、
移植した多くが枯死してしまいましたが、

移植された樹齢350年から400年と言われる新宿区の天然記念物にスダジイは、最新の注意を払って移植の成功事例もあります。

映画『杜人ー環境再生医 矢野智徳の挑戦』を見た際、映画館で涙が止まりませんでした。


SDGsや、持続可能を謳う一方で、都市の緑が次々と失われている現状。
樹木一本一本を命として向き合う姿。

今年の異常な暑さの中で、都市の緑を伐採する事は、自殺行為です。

アメリカのダートマス大学(Dartmouth College)地理学のジャスティン・マンキン准教授は経済データとより高度な気候モデルによって、猛暑が世界経済に与える影響を測定し、1992年以降、気候危機による経済損失は

世界各国の主要都市では、都市に緑を取り戻す
都市づくりが進められています。

8月27日には、神宮外苑で命の木フェスティバルが開催されます。





都庁控え室で、娘の夏休みの宿題も、ようやく終わりました。