2023年6月16日環境建設委員会では【建設局】契約議案と付託議案審査、【環境局】付託議案審査と報告事項質疑が行われ、もり愛は、都立公園の在り方について、生物多様性の保全と気候危機対策等、質疑を行いました。

環境建設委員会【建設局】2023年6月16日 質問 東京の緑を守る会 もり愛 

都立明治公園の指定管理について伺います。

都立公園は、「都民の福祉の増進と生活文化の向上に寄与する事を目的とした公の施設」であり、都民の公共の財産です。
指定管理の目的に、令和4年2月に発表された「未来の東京」戦略version up2022では、
行政の代行者としての責務を果たすと共に、民間ならではの創意工夫ある企画や効率的な運営と質の高いサービス提供が挙げられています。
 
全都立公園の運営主体を確認させて頂きましたが、地域ごとににグループを作ってそれぞれ指定管理者で運営をされておりました。

今回明治公園は、国立競技場に隣接し、東京レガシーパークスとして、基本理念とビジョンには、多様性、包摂性、緑・環境、地域社会との持続的関係、エシカル思想、心身の健康・幸福が挙げられております。

Tokyo legacy Parksの構成事業者には、都立公園指定管理の実績のある造園業者と共に、不動産・総合商社、大手広告代理店、マスコミが入っており、さながら、イベント事業がメインなのではと、当初、資料を頂いた際には危惧をしたものです、
 
パークPFIとして、稼ぐ公園づくりによる再開発が、全国的に行われていますが、
ヨーロッパであれば、公開のコンペが行われますが、日本では事業者が選ばれる過程が見えません。
Q1 構想段階から、地域住民の参加はあったのでしょうか。
A1自然環境部長〉
〇令和元年度に明治公園の整備計画を策定する際に、計画案に関するパブリックコメント
 を実施するとともに、地元区の意見聴取。
〇地元町会等に対しても整備計画案を説明し、意見交換。
 
もり愛〉
Q2 1つ目の目標に、多様性と包摂性・インクルーシブパークの理念が描かれておりますが、パークPFIにおける広く都民に開かれた公園として、包摂性とインクルーシブパークの実現にどの様に取り組むのか、伺います。

A2 自然環境部長〉
〇事業者の計画によれば、明治公園には起伏を感じる地形を活用し、多様な来園者の交流
 の場となるインクルーシブ広場が設置される予定。
〇ハード面だけでなく、ソフトの面においても誰もが楽しめる場づくりを進めることとしており、例えば、車いすや障害のある子供たちも楽しめるイベント等も計画。

もり愛〉Q3 一年を通じて多くの自主事業としてイベントの計画がありますが、お金を払わない都民が排除されるものになってはならないと考えます。都の見解を伺います。

A3 自然環境部長〉
〇指定管理者の自主事業については、年度ごとに、事業者が申請する事業計画に記載。
〇自主事業イベントの実施にあたり、参加料を徴収する場合には、実費程度とすることを
 基本としており、指定管理者を指導し、計画を承認。
 
もり愛〉公園は、特定の企業が設ける為の場所ではなく、全ての都民の為のものであってほしいと願います。

昨今では、ホームレス対策として、横になる事が出来ないベンチや、長時間座りづらい椅子なども見受けられます。治安は大切ですが、公共の場から、弱者を社会から追い出すような事の無いよう、社会包摂、誰もが、都市の貴重な緑の中で憩いを感じ、障がいの有無に関わらず、一緒に楽しめるような公園づくりを行って頂きたいと要望致します。
 
Q4運営管理計画に、公園利用者=顧客という視点が描かれていますが、公園を都民の公共の財産として、地域住民と共に創っていく姿勢が求められ、「地域協創での魅力づくり」があります。公園周辺の地域の声を聞き、地域協創で魅力ある公園、まちづくりを行うとの事ですが、地域のこどもの意見など、幅広い都民参加のまちづくりが求められると考えます。どの様に進めていくのか、見解を伺います。

A4 自然環境部長〉
〇都は、指定管理者に対し、地域住民等が参加するパークミーティングを開催し、より良い公園づくりに向けた意見交換を行うことを求めている。
〇子供等を含めた幅広い意見を反映できるような仕組み作りを含め、多様な主体との連携を図っていく。
 
もり愛〉指定管理者が、地域の声を聞き、共に創っていく姿勢が求められ、
こども基本条例を制定した東京都として、子どもの声を行政計画にくみ上げていく事はとても重要だと感じます。

自分たちの願いが、地域の公園に反映される小さな成功体験が、子ども達に地域自治への意識を高める事は、主権者意識の醸成と、まちづくりへの参加意識を育てる事に繋がると考えます。

こども達と共に、地域の未来を考えて、子ども達と一緒に、将来どういった街になって欲しいか、ぜひ、地域住民の皆様の声を聞き、パークミーティングには、地域の子ども達も含め、幅広い意見を反映できる様な取り組みを、よろしくお願いします。
地球温暖化と気候危機、ヒートアイランド対策は喫緊の課題であり、世界の主要都市では、開発によって失われた緑を、都市に取り戻していくまちづくりが行われています。

NYでは、100万本の植樹が行われ、フランスではパリ五輪に向けて54ヘクタール、まさに東京ドーム11個分のパリ最大規模の緑の公園づくりが行われています。
一方で、東京都では国立競技場の建設により、1,545本の樹木が伐採をされ、移植された219本の樹木は、枯れてしまい姿を消した現場も見て参りました。
 
今回、樹林の管理にチームとして参加されているのは、神宮の杜・生態系研究の第一人者と言われる濱野ちかやす教授は、神宮の杜の創建に携わった上原敬冶氏の志を継ぐ、甥っ子さんであり、

日本学術会議の環境学委員会 都市と自然と環境分科会のメンバーとして、神宮の森の生態系の特質を踏まえ、大地に根差した水循環を可能とする「本物の森」を創り出す提言にも賛同されております。その中では、森が成立するように将来に期待する樹木について50年、100年、150年後の三段階に分けて変化の道程を示す予想図を作成して造営局へ提出しています。とあり、
Q5 都市の貴重な緑を育んでいく、時間をかけて育てていく杜づくりの考え方は非常に重要です。
明治公園で整備される予定の杜を、事業者はどのように維持管理していくのか伺います。
 
A5 自然環境部長〉
〇事業者の計画では、長期的な視点に立ち、樹林の成長に合わせたきめ細やかな維持管理を行う。
〇杜を健全に保つため、管理と自然の生育を組み合わせ、樹林密度の高い空間や、枝下が高い疎林の空間を創り出すなど、緑の魅力を引き出す維持管理を行う。
 
 もり愛〉気候変動が深刻化する中、都市の緑を育み次世代につないでいくまちづくりが求められております。
一方で、全国各地で、再開発によって樹木が大規模に伐採される危機に瀕しています。神宮外苑のみならず、日比谷公園においても、葛西臨海公園でも、大規模伐採が行われようとしている事を多くの都民が危惧しております。
本当に都民は、稼ぐ公園を望んでいるのでしょうか。

先ほども指摘をさせて頂きましたが、パークミーティングにおいては、公園が完成した後のみならず、公園の構想段階から、広く地域住民・都民の参加を促し、都民と共に創る開かれた場となるよう要望します。

都民の公共の財産である、都立公園が、一部の企業の利益の為に切り売りをされる事があってはならないと考えます。

今後都が想定しているパークPFI事業においても、都立公園の本来の趣旨である、「都民の福祉の増進と生活文化の向上に寄与する事を目的とした公の施設」として、広く、都民に開かれた、都市の緑と憩いの拠点として、素晴らしい公園となる事を願い、質問を終わります。





写真は都立明治公園「東京建物プレリリース」より引用