【東京都の責務は都民の命と暮らしを守る事!
米軍基地内PFAS汚染調査と健康影響への基準づくりを!】

神宮外苑前開発も、米軍基地内のPFAS汚染も、
東京都の責務は、民間企業や米軍の利益では無く、何よりも都民の命と暮らしを守る責務があると考えます。

発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)による井戸水の汚染については、
以前から都議会でも度々、徹底調査を求める声が上がってきましたが、
東京都内のPFAS汚染が、米軍基地内を汚染源では無いかとの指摘がありながら、

「小池百合子東京都知事も、都による血液検査の実施については明言を避けている。
 国については、環境省が2010年度から全国10万組の母子を対象に、血中のPFASなど化学物質と子どもの発育の関連を調べる調査をしているが、27年度までで、都民は調査対象になっていない。」と、『武蔵野ひばりタイムズ』でも指摘をされています。



東京都は、5月1日より相談窓口を開設しましたが、相談のみでは不十分です。


 命と健康に直結するPFASによる水汚染に対して、東京都は、地位協定の壁を理由に逃げるのでは無く、都と国が共に汚染源を突き止め、都民の命と暮らしを守る健康への影響に関する基準作りを加速すべきであると考えます。



東京新聞の記事を転載します。

汚染源を調べたいのに…PFAS米軍基地内調査、地位協定の壁 「都民の健康より米軍
ファースト」と批判も


2023年5月12日 06時00分

 東京都内で都や環境省がPFAS(ピーファス)濃度を調べた井戸水の膨大なデータ
は、米軍横田基地(福生市など)が汚染源である可能性を強く示す。住民の健康を守
るべき都は「日米地位協定」を理由に、基地への立ち入り調査はできないとして消極
的だ。こうした及び腰の姿勢に、専門家から疑問の声が上がる。(松島京太)

「PFAS」横田基地近くの井戸水で都内最高濃度 暫定指針値の27倍

 日米地位協定 在日米軍の日本国内での権利を定めた取り決め。旧日米安保条約に
基づく日米行政協定を改め、1960年の安保条約改定とともに発効した。米側に米軍基
地の独占的な管理や米軍関係者による公務中の犯罪の裁判権など特権を認めている。
米軍側が国内で事故や事件を起こしても、日本側は十分な調査や捜査ができないこと
が問題となっている。


◆過去にも米軍基地の環境汚染、日本後手

<https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=249342&pid=1014400 &rct=t_news> 周辺の井戸水から高濃度のPFAS(有機フッ素化合物)が検出され
た米軍横田基地

周辺の井戸水から高濃度のPFAS(有機フッ素化合物)が検出された米軍横田基地

 「米軍側から報告があった時しか立ち入り調査ができないと、国から聞いている」。本紙がまとめた都内のPFAS汚染の傾向を示すと、都の担当者は基地を調査できない理由をそう答えた。

地位協定で日本の関係機関は、米軍基地に許可なく立ち入ることはできない。協定で「排他的使用権」と呼ばれる特権が米軍側に認められている
からだ。

 過去にも米軍基地による環境汚染に、日本側の対応は後手に回った。

 米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)から1986年に有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)が大量に漏出した際、米軍からの通報はなく、その後に米下院の報告書で発覚した。

横田基地周辺では1993年の航空燃料漏出事故で地下水が汚染されたが、その後に起きた約90件の燃料漏出事故が周辺自治体に通報されていなかった。90件の漏出事故について、立ち入り調査もできていない。

 こうした問題を受け、日米は2015年に地位協定を補完する「環境補足協定」を結び、「立ち入り調査」を明記した。ただ、調査の申請条件は「環境に影響を及ぼす事故(漏出)が現に発生した場合」とされた。
米軍側の通報を受けて日本側が初めて調査を申請できる仕組みで、米軍次第の実態は変わっていない。

 横田基地ではPFASを含む泡消火剤が漏出したと、18年に英国人ジャーナリストが報じた。
しかし、米軍から日本側にPFAS漏出の事故報告はない。東京・多摩地域に広がるPFAS汚染を誰が引き起こしたのか。横田基地の「容疑」は濃厚にもかかわらず、日米両国とも原因究明に消極的な姿勢が続いている。


◆識者「基本的には日本政府の交渉姿勢の問題」


 米軍の通報なしでも日本側が調査に入った例もある。21年、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に国と県が立ち入り、基地内の貯水槽のPFAS汚染水を調べた。汚染水があるとの情報に基づき、県などが米軍と交渉してこぎ着けた。

 今年3月の参院特別委員会で、林芳正外相は「米側から通報がない場合でも、米軍施設に源を発する環境汚染が発生し地域社会の福祉に影響を与えていると信じる合理的理由のある場合は、立ち入り調査の申請が可能」と答弁。ただ沖縄県の調査は米軍が認めた場所に限られ、課題を残した。

 日米地位協定に詳しい沖縄国際大の前泊博盛教授(日米安保論)は、多摩地域のPFAS汚染について「基本的には日本政府の交渉姿勢の問題。
『日米の信頼関係を損ねる』と強く要請すれば調査はできるのではないか」と指摘。
都に対しても「データを持っているなら横田基地に説明を求めるべきだ。
このままでは、都民の健康より米軍の権利を優先する『米軍ファースト』だ」と批判する。