〈神宮外苑再開発~環境アセスメント危機的局面を報告〉
これまでのプロセスと12/26審議会総会決議を踏まえて 
千葉商科大学学長・東京工業大学名誉教授 原科幸彦氏より緊急会見

神宮外苑再開発を巡って、昨年8月18日の環境アセス審議会は、まさに画期的な審議会で、都から求められる答申案の提出をもって着工に入る再開発が多い中で、着工に必要な調査が不十分だとして、“計画に答申案が反映されているか”今後も審議会が関与していく方向性が示されました。

ところが、12月26日に都議会・都民に開催の周知も十分ではない中で、突如審議会が開催された事は大変遺憾であり、
年始に調査が行われてた事に、丁寧な情報共有と、今後も審議会が関与していく事が大変重要であると考えます。
神宮外苑の100年かけて育まれてきた森と銀杏並木、先人たちから託された歴史的、自然的、文化的史跡を、守っていくために何が求められるか。
東京都の環境アセスの課題と問題点など、環境アセスメントの第一人者である原科幸彦先生より伺いました。
原科幸彦先生の会見メモ》
歴史的評価書案
色々な意見が寄せられているが、その意見に対して、ちゃんと答えているか。

カタチだけ聞く アカウンタビリティ
意味ある回答が出来ているか、事実に立脚した回答でなければ意味がない。

丁寧な審議を行ったが、事業者がちゃんとした資料を提出しなかった。
どんな樹木が伐採されたか、資料が出てこない。

外部の専門家が、中央大学の石川幹子先生が、調査して1000本近くの樹木が伐採する計画が明らかになった。

銀杏の寿命は、600年から800年
ここで切ってしまっては、本当に申し訳ない。

情報公開の手順
事業者から公表された開発計画

事業者の計画案は、パッと見ると緑が多く見えるが、神宮球場と銀杏並木が近接しており、銀杏への影響も著しい

100年の歴史を持つ建国の森も半分以上伐採されてしまう。建物はもっと高い。

情報提供、情報公開はとても重要。

環境アセスメントの研究を東京工業大学で行なってきた。
科学技術の社会的影響がとても重要となり、テクノロジーアセスメントの考え方は良いが、

具体的な影響
1970年台から、世界で環境アセスメント
➡︎ サスティナブルデベロップメントへ

人間が環境と調和出来る都市づくりが求められている。良い将来、
11p、創建時の明治神宮と、現在の明治神宮

創建時、SDGsの17番 パートナーシップで
100年前、国民が献木して、国有地に、
みんなの力で築き上げられた。

最初に作った建物以外、作らないようにしてくれと、三井不動産も記していた。

創建時の建物は、絵画館と神宮球場のみ
しかしその後、様々なスポーツ施設が次々と作られて、公共スペースは削られて行った。

建国記念文庫の森、絵画館前の森
銀杏並木があって、絵画館前の広場があって、
100年間守ってきた。

この段階で更に、密度を高めるのかー

特に深刻なのは銀杏並木
インバウンドが帰ってきて、世界的にも高く評価されている。

3p、創建時に比べて、建物が増えている。
出来るだけ建物を減らしていく事が求められる。

絵画館前の広場が、1/3程度に、削減され、
豊かな緑がどんどん伐採されてしまう。
緑の総量が減ってしまう。

神宮球場のカタチ
銀杏並木のギリギリまで、わずか6mに迫る建物が計画されているが、
樹木の根は、近深く根を張っている。

これも、環境アセス審議会から提案して
事実をしっかり確認する事が求められるのに
日本イコモスの専門家を交えて調査を行なって頂きたい。

この評価書案が通る前に、まだ十分にデータが揃っていないし、しっかりと確認した上で、評価書案
答申は出すが、評価書案の確認の前に、
審議会でチェックする事が求められる。

この事業には、評価書提出前に、審議会で確認を行った上で、事業者が参加して、
審議会と事業者が質疑応答しながら、

第90条の規定により、アカウント
なお、審議会としても、今後の事業者の環境保全措置に、しっかりと関与していく。
審議会で確認を行なった上で、事業者に関与していく。
審議会でちゃんと答えていただけると思っていたが、
12月26日に、急遽、
12月20日に、審議会の開催がHPに掲載されて
気付いたのは22日、傍聴の申し込みは23日とギリギリ。
傍聴したい人が傍聴の申し込みもできない日程の設定が極めて遺憾。

事後調査の中で、報告
その根茎調査が、1月8日から着手された。

事後調査を着工する
きちんと手続きが決まっている

評価書が確定して、工事する
15日間縦覧にかけねばならないが、
それも行われていない。

今朝も東京都にお聞きした。
評価書が提出されたかどうか、都は民間事業者だから言えない と云う。

事業者が事後調査報告と言っているが、
通常は、そう言った位置付けが曖昧。
わからない事はしっかりと確認する。

都知事はご存知ないかもしれない
しっかりとしたアセスメントしなさい。と云うのは、都知事の意向でもある。

ファクトとアカウント
しっかりとした事実と記録、
公園計画におけるプロセスが丁寧に行われていない。

根茎調査も、非公開で確認できない。
きちんとした調査を行っていただかないと、

銀杏の木から15mとった計画だったが、
1/3の樹木が枯れてしまった。しっかりとした調査が最も重要


ザハ案 コンクールで優勝したが、
日本で最初の風致地区が丸ごと飲み込まれてしまう、巨大コンクリートが建てられては大問題になる。結局、この計画は無くなった。

日本のアセスメントは、アメリカの1/1000、中国の1/5000

巨大な建物にしか、環境アセスメントの対象にならない。
IOCから、国際的な基準で評価しろと言われて、行われたが、

こう言った環境アセスメントの制度が、日本では欠如しており、
このままでは、次世代に持続可能な社会は残せない。

環境への影響、環境アセスメントは、良い社会、いい未来を作る為にある。
喧嘩する為にあるのではない。

関東大震災から100年、帰宅困難者が多く出る地域。
これ以上、超高層建物がいるのかー
逆に、守っていかねばならない。

外苑前
根茎調査は終わっているようだが、

A、事後調査ではなく、根茎調査は、都知事の指示で、しっかりと調査しろと言われて
東京都独自に行われている。

事後調査計画書に書かれれば、
自主的な調査を行った
調査に基づいて、計画が見直されるべきであれば、

事業者の調査が公開でなければ、しっかりとした調査が行われたかどうかが分からない
透明性の高い方法が、良い

そこでしっかりと情報が提出され、計画が見直されれば

銀杏並木は、4本の銀杏並木は世界的にも珍しく価値がある。

公園は、大きな土地が空いているので、ともすれば開発されやすい。

明治神宮の価値
世界遺産にしても良いくらいに、歴史的背景と価値がある。

もっと多くの方にこの問題を知って頂き、多くの都民・国民の方にも考えてほしい。

→ このような簡単な根茎調査で、着工して良いのか

普通に考えて、根はとても深く広い。
20mくらいの範囲を調査せねば、判断できない問題。

調査で、銀杏の根を痛めてしまっては意味がない。

知事がしっかりとした是正をしてもらう事が
とても重要。

公共の計画の際に
「民間活力の活用」と云うが、官でも民でもなく、公平な

公共が今、お金儲けをしようとしているのは、間違っている
クオリティは多面的、

公園で儲けようとしているのは間違っている

◯官と民の役割分担
社会に役立つことを行って、公園は公共でしっかりとサポートするべき。

宗教法人となった際にも、しっかりと管理すると約束してきた

今の国立競技場、年間10億円ほど赤字で国がサポートする。
神宮外苑を守るのは、その何十分の1で守る事ができる

将来世代に何をすべきかー

日本の国民もわかっているはずだが、情報公開が行われていないと、
間違った方向にいってしまう。

すごい容積率を使う 70m、80mのザハ案は、
公共の制限を、計画の後から付けられた、こんなやり方は本来おかしい。

NHK〉手続きは正規に行われていると言われている。
銀杏並木の根系調査

A〉今の東京都の手続きは、昨年8月の都知事から大変丁寧な仕組みで手続きを行う運びになっていた。
都知事は、審議会で審議する事は十分に出来る。

根茎調査についても、審議会にしっかりと報告して

8月に、大変先進的な取り組みをしていたのに、
12月に急遽方針転換された事は遺憾。

今の仕組みの中でも、しっかりと審議する事はできる。

情報公開はとても重要。

石原都知事の前、青島都知事の時代は、とても情報公開されていた、

名古屋市の環境アセスメントでは、貴重な干潟の開発に、全世界から意見が寄せられて、
環境影響評価法の中では、「関係地域住民」と云う文言が削除された。

国際的にも価値が高いと云う事が認められて、
名古屋市は、ラムサール条約でも評価されて、国際的にも環境分野での価値が上がった。
それがレガシーとなる。