【公営企業決算特別委員会

意見開陳】

各所管質疑を全員で取りまとめ、会派を代表して清水都議が意見開陳を行いました。

決算特別委員会の質疑を活かし、来年度予算の策定に活かして参ります!ぜひお声をお寄せ下さい。


「都民ファーストの会東京都議団を代表して、令和三年度公営企業会計決算について意見開陳を行います。

 公営企業は、地方公共団体が住民の福祉の増進を目的として設置し、独立採算制により、主にサービスの対価である料金収入によって維持されることとされています。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、ロシアのウクライナ侵攻に端を発するエネルギーや原料資材の高騰は、公営企業にも多大な影響を及ぼしています。

 一方で、地球規模での気候変動に対する社会的責任も果たしていかなければなりません。

 

 厳しい状況下にある都民生活を多方面から支えていく使命があると同時に、東京の基幹インフラとして、質の高いサービスを提供し続けるためには、事業の構造改革や経営基盤の強化が不可欠です。

 事業の執行状況を検証し、次年度以降の予算編成につなげられることを求めます。

 以下、各会計について申し上げます。

【都市整備局】

一、泉岳寺築第2種市街地再開発事業において、残存する遺構や、調査により得られた知見を、隣接する高輪築堤と共に最大限の保全に取り組まれたい。

一、ユニバーサルデザインの推進や、エレベーター配置、ホームドア設置等、一層の合理的配慮を図られたい。

一、泉岳寺駅地区再開発ビルにおいても、ゼロエミッション東京戦略の実現に寄与するよう、環境性能向上に努められたい。

一、再開発事業においては、CO2排出量等の影響について、中長期的な地域の住宅需要と改修も踏まえた計画策定に取り組まれたい。

【福祉保健局】

一、都立病院においては、独法化後も引き続き、小児や妊産婦・精神医療など、民間医療機関では対応困難な患者の受け入れをはじめ、都民の命と健康を守る行政的医療の要としての役割を果たされたい。

一、都立病院の独法化に伴い定数管理の仕組みは無くなるが、民間医療機関等との人材の融通など、より柔軟で機動的な医療人材の確保に取組まれたい。

一、都立病院における不妊治療の相談窓口の周知と支援のすそ野を広げる広報に取り組まれたい。

一、医療介護SNSを活用し円滑な退院と療養に向け地域医療連携を推進されたい。

一、通常医療とコロナ医療の両立に向け、適切なバランスをとられたい。

一、新型コロナ病床の確保にあたっては、透明性の確保に努められたい。

一、コロナ後遺症について、東京iCDCと連携し、引き続き実態究明に取り組むとともに、相談体制を整備されたい。

一、新型コロナウィルスワクチンによる副反応疑いについて、東京iCDCと連携し、原因究明に取り組むとともに、都立病院における相談窓口の周知と、副反応の被害者支援に取り組まれたい。


【中央卸売市場】

一、旧築地市場解体工事によるアスベスト除去については、万全の安全対策を図るとともに、地元住民や自治体に対して継続的に情報共有し、続く築地まちづくりへと着実につながれたい。

一、市場業者の公共性と、持続可能かつ健全な経営のために、全ての市場業者が税務申告や納税に取り組めるよう、支援されたい。

一、市場業者に、取引記録の適正化による経営の健全性確保の意義を伝えることにより、記録のデジタル化や、インボイス制度の導入を進められたい。

一、販売チャンネルの多角化や販売商品の付加価値を高める取り組み、輸出の拡大に向けた取り組みを支援することにより、市場業者の競争力を高められたい。

一、強靭化推進事業については、事業者が新しい事業にチャレンジすることができない要因を一つ一つ丁寧に取り除き、意欲を喚起されたい。

一、脱炭素化や資源循環などサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを進められたい。

一、産地から消費者まで食の流通全体が脱炭素化や資源循環となっていくよう、大きなビジョンを描き推進されたい。

一、市場の経常収支黒字化に向けて、抜本的な改革をされたい。

【港湾局】

一、臨海副都心の新たな魅力の創出に向けては、満足度の高いアートベイハウスでの活動を踏まえるなど、より効果的なプロジェクトを実施されたい。

一、アートの「まちづくり」については、一過性のイベントに終わることなく、継続して取り組まれたい。

一、商業・エンターテイメント施設の集積や、様々なイベントの開催などにより、引き続き賑わいのあるまちつくりをすすめられたい。


【交通局】

一、 都営交通の厳しい収支状況を踏まえ、新たな需要の創出や、テレワークに対応した新たな収益源の獲得に努められたい。

一、 自動車などに比べて公共交通を利用すること自体環境負荷が低いことから、モーダルシフトの推進についても都市整備局と連携し取り組まれたい。

一、 令和3年度に導入したチャットボットなど、都営交通におけるデジタルやテクノロジーの導入により、業務効率化やサービスの向上に取り組まれたい。

一、 アフターコロナの混雑緩和に向けて、輸送力の増強ならびに、国内外旅行者に向けてのツーリストインフォメーションセンターの整備拡大を着実に進められたい。

一、 美術館などの夕方夜間の鑑賞と交通運賃を組み合わせるなど、新たな外出機会の創出についての取り組みを検討されたい。

一、都営交通における再生可能エネルギーの利用拡大を加速されたい。

一、省エネ化や発電設備を導入できる場所を徹底的に増やしていくとともに、コスト面も踏まえた再エネ電力等の調達など庁内の協力も得ながら、カーボンハーフ・カーボンニュートラルの道筋をつけていくよう検討を深化されたい。

一、交通局の発電事業における売電契約について、契約更新時には取り組みのブラッシュアップを図るとともに、都による東京産クリーンエネルギーの地産地消への取り組みを、広く都民に周知されたい。

一、 車いすや白杖をご利用のお客様や高齢者、子連れのお客様など、誰もが安心して都営地下鉄をご利用いただくための取組を進められたい。

一、 子育て応援スペースについて新たなデザインを検討されたい。また、民間事業者とも成功例などを共有し、理解を広げられたい。

一、 都営地下鉄の子育て応援車両の更なる導入拡大を図るとともに、他鉄道事業者、都民、利用者への更なる周知にも取り組まれたい。

一、 授乳スペースの設置拡大やベビーカーシェアリングのサービスの導入、あるいは乳児用液体ミルクを売店など駅構内で購入できるようにするなど、子育てにやさしい取り組みを進められたい。

一、都営地下鉄におけるテロ対策や地震などの自然災害を想定した訓練においては、ベビーカーを使用されているお客様なども想定するなど、訓練の充実を図られたい。

一、痴漢被害者を減らすため、関係機関と連携強化を図るなどの更なる痴漢防止に向けた対策を推進されたい。

一、新宿駅西口と都庁の間の公共空間はモビリティ分野のテクノロジーの実装の場として適地であり、関係局で連携し実装の取り組みを進められたい。

一、浅草線ホームドアの令和5年度内全駅設置に向けて整備を着実に進められたい。

一、日暮里舎人ライナーの平日昼間や土日利用の拡大に向けて、様々な媒体での情報発信や、都電荒川線、地元自治体、商店街等と連携を強め、乗車機会の更なる創出を図られたい。

一、日暮里舎人ライナーの地震対策を更に進めるとともに、その取り組みについて地元自治体とも連携し、自治体の防災訓練にも参加するなど、都民へ広く周知されたい。

一、都バス事業の環境対策について、燃料電池バスの更なる導入やバス停留所のLED照明導入を進めるとともに、国内外へのPRも併せて実施されたい。

一、自動運転バスについては、実証実験を踏まえた利用者からの意見、課題やメリットなどについてデジタルサービス局とも協議し、交通局としても知見を高め、技術開発の進展に寄与されたい。

【下水道局】

一、コロナ禍で支払い困難な方へ支払い猶予の延長と分割払い等、都民の個別事情に配慮し対応されたい。

一、感染症の流行状況を把握する下水免疫学調査による院内感染の把握等、早期対策に活かされたい。

一、合流式下水道の水質改善に向け貯留施設の整備推進と共に清流復活事業の安定供給に取り組まれたい。

一、2000年度比CO2 排出27%削減した事を高く評価し引き続き温暖化対策に積極的に取り組まれたい。

一、2030年カーボンハーフの実現に向け水再生センターにおける省エネ型機器の導入と小水力発電やバイオマス等、多様な再生可能エネルギーの利用拡大と新たな技術開発を推進されたい。

一、森ケ崎水再生センターの「ホタルの夕べ」等引き続き都民への環境教育に取り組まれたい。


【公営企業全局共通】

一、 公営企業全局のゼロエミッションの取り組みについては、都民の理解と共感を得つつさらに進められたい。

以上で都民ファーストの会東京都議団の意見開陳を終わります。」