【東京都議会都市整備委員会質疑】建築物バリアフリー条例の改善実現と聴覚障害者への合理的配慮等を要望しました。

 第3回定例会において都市整備委員会に付託されている第173号議案「一般会計補正予算」と報告事項について10月4日質疑が行われ、
10月5日採決が行われました。
もり愛は、会派を代表し「建築物バリアフリー条例」の見直しについて、我が会派の求めに応じて実現した改善点と利用者の皆様の声、デフリンピック2025に向けた建物における聴覚障害者への合理的配慮の推進に向けて質疑をさせて頂きました。



「建設物バリアフリー条例の見直しについて」質問をさせて頂きます。

・都は平成31年に「高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例」を改正し、新築等を行う1,000㎡以上の宿泊施設を対象に、一般客室における段差の解消や浴室等の出入口幅を70㎝以上とするなどの基準を設置しました。
 これは、都内で新増設するホテルや旅館等、宿泊施設全客室の段差をなくすことを義務付けバリアフリー化を推進する画期的なものです。

・しかしながら当時から、利用者の皆様より、電動車いす等の転回が難しいなどのお声をいただいてきました。
こうした声を受け、我が会派は、浴室等の出入口幅の努力義務規定として75㎝を設けることに加え、3年後の見直し検討の附則を求め、引き続き利用者の声を取り入れるよう求めてきました。

・今回、都が求めに応じ、面積15㎡以上の客室に対し、浴室等における前面通路幅の基準を新たに100㎝以上にするとともに、浴室等の出入口幅を75㎝以上にするなど、基準を見直すこととしたことを評価いたします。

Q1〉そこでまず、前回の条例改正後、都内の宿泊施設の客室の整備状況について、どのように把握されているか伺います。

A1
・前回の平成31年の条例改正では、附則において「条例の施行状況等を勘案し、所要の措置を講ずる」と定めていることから、都は、条例施行後に着工した延床面積1,000㎡以上の宿泊施設うち、事業者から設計図の提出に協力いただいた29施設について、一般客室の寸法を確認。

・その結果、浴室等の出入口幅については、設計図で寸法が記載され、数値が確認できた約3,600室の概ね3割が、努力義務基準の75cm以上を満たしていることが判明。

・また、浴室等の前面通路幅については、設計図で寸法が記載され、数値が確認できた客室のうち、規模が大きく、明らかに通路幅が確保できていると想定されるものを除いた約1,400室に対して、概ね半数が、車椅子でも十分通行できる100㎝以上であることが判明。

もり 愛〉Q2、
次に、今回の条例の見直し案について、8月にパブリックコメントが実施されました。どのような意見が出されているのか伺います。

A2
・都は、条例における宿泊施設の規定見直し案について、8月1日から8月31日までパブリックコメントを実施。

・その結果、6通、7件のご意見を頂戴。

・具体的には、「障害者の宿泊施設利用の幅が確実に広がり、歓迎すべき」とする賛成意見のほか、浴室等の出入口幅や前面通路幅の寸法に関する提案や要望など、様々な意見を頂戴。


もり 愛〉Q3、
今後、誰もが使いやすい客室を誘導していくため、事業者への支援や、バリアフリー化された施設の情報について、利用者目線でより利用しやすく発信するなど取組を強化すべきですが、見解を伺います。

A3
・誰もが利用しやすい宿泊環境を着実に実現していくためには、ホテルや旅館の事業者への誘導策や、施設を利用する方に対する情報発信を強化していくことが重要。

・このため、ゆとりある浴室等の誘導に向けた容積率の緩和制度や、客室改修等に係る経費の最大10分の9を補助する制度について、ホテル業界等に対する周知を徹底。

・また、施設を利用しようとする方が最新情報を容易に入手できるよう、バリアフリー化された宿泊施設の所在地や客室等を、よりわかりやすく発信。

・こうした取組を、条例が改正された後においても、関係局と連携して行い、宿泊施設のバリアフリー化を一層推進。

もり 愛〉ありがとうございます。只今のご答弁にありましたように、
今回の条例の見直しの所管は都市整備局ですが、具体のバリアフリー改修については産業労働局の補助制度、利用者の皆様により制度が届くよう、周知は福祉保健局さんの東京ユニバーサルデザインナビと、局横断的に取り組みを進めて頂いております。
障がい者差別解消条例において、合理的配慮の行き届いた社会の実現が求められております。

今回の条例改正を高く評価するモノですが、若干要望を述べさせて頂きます。

容積率の緩和に取り組んで頂きましたが、諸外国では、部屋の広さは変えずにバスルームを少し広げ、シャワー用の椅子と座りながら浴びられるシャワーを取り付けたアクセシブル・ルームが普及していますが、国内では取り組みが進んでいない状況があります。
ぜひ、都としてもアクセシブル・ルームの普及についても、今後の課題として検討して頂きたいと要望致します。

また、先の定例会では、東京都手話言語条例が制定され、手話言語の普及と共に、聴覚障害者への合理的配慮の推進が求められます。

警報音が聞こえない聴覚障害者に、光の点滅で火災の発生を伝える「光警報装置」の設置も求められ、全日本ろうあ連盟からも、駅や空港といった公共施設への光や振動を用いた装置の義務化を消防庁に繰り返し要望されております。

高齢者・障がい者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例において、聴覚障害者が安心して利用できるよう、光警報装置の普及に向けても、ぜひ取り組んで頂きたいと要望致します。

2020パラリンピックの開催都市であり、
2025デフリンピックの開催都市東京として、誰もが利用しやすい施設となるよう、
更なる合理的配慮の行き届いた施設整備を願い質問を終わります。
ありがとうございました。