【電力需給逼迫と原発再稼働〜望ましい解決策とは】
 
 岸田首相は、冬の電力需給逼迫に備え、原発を再稼働と新規増設の方向性を表明しました。
 ウクライナ危機によるエネルギー価格の高騰と、福島沖で発生した地震により発電所が止まった事等の複合的な要因により、今年3月と6月に電力逼迫警報が発令されました。

 3.11以降、世界各国が再エネに大きく舵を切る一方で、日本は抜本的な対策を怠って来た事は大変遺憾です。
昨日は、「電力需給逼迫と原発再稼働〜望ましい解決策とは」と題して、

・電力需給逼迫の根本原因と対策
・大規模電源の強化は需給逼迫対策として効果があるのか?
・需要側の対策の具体例など
・原発と温暖化対策:最近の議論をテーマに、

講演者:
安田陽さん(京都大学大学院 特任教授)
歌川学さん(産業技術総合研究所安全科学部門持続可能システム評価研究グループ 主任研究員)
明日香壽川さん(東北大学環境科学研究科 教授)

より、国際的なエネルギー政策の動向と、近年注目されている小型モジュール原発は有効なのか

小型モジュール原発
安い・廃棄物が少ないと云う説明だったが、
最新の論文では、大型炉よりも、発電量当たりの廃棄物は2、30倍との研究結果も出ていて、
基本的に「補助金頼みで採算性は取れない」との事

専門家の皆様のデータとエビデンスに基づいた、エネルギー政策への考察に学ばせて頂きました。

小学校時代、チェルノブイリ原発事故に強い衝撃を受け、政治と環境問題に関心を持つ様になって依頼、原子力政策とエネルギー問題は、私の中でも重要な政策テーマです。

次の世代に核のゴミと問題を先送りするのではなく今を生きる大人の責任として、

持続可能な地球を守り伝えていく為に、利権や私利私欲・精神論ではなく、
【データとエビデンス、経済合理性に基づいた電力需給逼迫の本質】
を見極めた上で、都として何が出来るか、何をすべきか、多くの学びを頂きました。

大変有益なデータが数多くあり、ぜひFoE JapanのHPより、資料もご確認いただければと思います。https://foejapan.org/issue/20220817/8901/


講演メモ


◯ 日本の発電コストの比較
電力購入単価で見ても、すでに火力よりも再生可能エネルギーの方が、安くなっている状況がある。



原子力の発電コストは、27円位になり、
加えて津波対策や安全対策を含めると。さらに高くなる。

17兆円から、18兆円
化石燃料の高騰

今年の6、7月の単価が続き、量が継続してしまうと、過去最高の30兆円を超えてしまう試算がある。

東京電力エリアで、高い所は、一部
需給の厳しい時間は、ほんの僅か

500万キロワット

ごく限られた時間だけピーク





発電所一基 常時100万キロワットを記録したのは、年間7時間しかない。

ピーク需要 残余需要のピークの所は
トップの需要 ピーク対応をどの様にしたのか

需給の厳しい時間は、ほんの僅かしかない。

その分の発電所を用意したらいいと云うことではない。

ピーク対策、ピークの需要を下げる対策が有効


前の日に電力会社がちゃんと需要予測をしているので、
当日、何時から何時まで、どれだけ需給を減少させるか。
いざとなったら、経営上、数時間だけであれば下げられる所を、警報がでて、
小口の家庭にお願いではなく、きちんと報酬もかかって、


工場の省エネでも、大きな効果をあげた事例も出ている。

運輸 電気自動車化

電気・インバーター化

ピーク時ではなく、全体の電力需給を削減していく
オフィスでも、大きな削減対策の可能性がある。

家庭部問においても、家電買い替えの時

住宅の建物 

日本で2025年から、断熱基準の
日本の断熱基準は世界の各国の中でもゆるすぎる。

断熱性能を高める事で、エアコン等消費電力が大きく変わる


省エネ・再エネを進めて、
脱炭素を実現することが可能かー
示した試算

放っておくと、今年は30兆円を超えそうだが

設備費も国内企業の需給を喚起することができ
国内で経済を回すことができる。


需要を下げるための対策について

東北大学 明日香先生〉
「原発と温暖化対策」

1、原発 GX会議における脱炭素の会議で

保守系の政権になった戦争もあり、
次世代革新路と云うのが、不明確で、火事場泥棒的な発言

原発をめぐる世界の状況】

再エネは、原発の782倍

最大の理由はコスト❗️
原発や石炭火力は高い!というのは世界的にも常識

IPCCの削減ポテンシャルと

太陽光と風力が圧倒的にポテンシャルが高く

原発は、コストが高くて、ポテンシャルは低い



G7

導入が進むと、グリットが高くなる?

6、米国のインフレ抑制



原発が増えることは0
補助金がなければ、既に割高で維持できない。

フランスもドイツもイギリスも
軍事産業を維持するための原発



小型モジュール
費用も上がっていて、補助金頼み

多くの矛盾 
⇒安い・廃棄物が少ないと云う説明だったが、
小型モジュール原発は、最新の論文では、
大型炉よりも、発電量当たりの廃棄物は2、30倍との研究結果も出ていて、
基本的に「補助金頼みで採算性は取れない」との事








まさに

もっともっと出来ることはあるのに、
原発推進に舵を切るのは、経済コスト的にも合理性も欠く間違った方向。

10月12日に政府との会合

長期的に見ても、短期的に見ても、

再エネと需給調整、需給の抑制

3月22日にあれだけ、停電が起きると危機が煽られたが
JRなど鉄道各社で、暖房の温度を20度に下げた
⇒必要の無い所の、温度と電気

鉄道各社や家電量販店で、基本的にコートを着て入る場所が、20度以上に設定されていた。

震災の後は節電要請が行われていたが、
ホテルや貸し会議室で、夏でも寒いと感じる。

市民として国民として企業として何が出来るか、何をすべきか。

節電、エアコンの設定温度の

➡︎ 産業界と自治体と連携した省エネの推進
国民に強いるよりも先ず!

個人の努力に頼るのではなく、自治体の制度に組み込むことが重要

A 既に原発が動いている関西エリアと
原発がたくさんあっても、供給力がない

足りない足りないと言っているのは
年間の数時間

原発の様に、常に動き続けている様な大規模な発電は
既に必要とされていない。効果がない

結局はリスクマネジメント

化学的な根拠に基づいた議論が必要

明日香先生〉
都道府県によって、CO2排出構造は異なる。
産業部門が8割を占める様な、造船を抱える様な自治体と

東京都は家庭部門・オフィス
都心部の大きなビル 商業施設 ホテル旅館 病院
データセンター 床面積あたりのオフィスの10倍くらいある

リニアについては様々議論がある。
飛行機の領域に近づいていく

輸送力あたりの電力としては、あまりおすすめ出来ない。

A 日本では、再エネが世界的な価格よりも高いので
まだ投資を呼びこめていないが、
原発の運転コストが高いので、最近の40期の廃炉になった原発の平均は22年

政府の延命策がなければ、そうなる。

【原発の風化を防ぐ 福島見えるかプロジェクト】


本質的な、電力需給逼迫の本質を理解することが出来ました。
科学的なデータ、エビデンスに基づいた判断こそが求められます。