【子どもの権利with「THE THREE FLAGS」
社会的養護と子どもの権利
夏の子どもの権利勉強会にぜひご参加下さい。

週末は、ライト級里親を実施している南湖ハウス主催の「社会的養護と子どもの権利」の理解を深める勉強会に参加させて頂きました。

ゲストのThree Flags(スリーフラッグス)の皆さんは、児童養護施設出身の当事者としての視点で、社会的養護の課題や新しい未来を作るための“声”を発信する情報番組をYouTubeで発信しています。

【親を頼れない子ども達の未来を一緒に考えてみませんか】

BROさん、まこさん、ライトさん
壮絶な虐待や幼少期を経験しながらも、自分達の経験から、同じ思いしている子ども達を救いたいと、
それぞれに支援活動や情報発信をしている3人。



とても真っ直ぐで、明るく、支援される立場から、社会的養護の子ども達を支援する、とても力強く前向きな3人の行動力。
【大事なのは、誰から生まれたかではなく、誰に育てて貰ったか。】
「家庭的養育の中で、本当の家族のように
施設での出逢いが、人生で本当にかけがえの無い出逢い」と云うまこさんの言葉がとても印象的でした。

私も都議会で児童虐待対策に問い組む中で、当事者であり、とても前向きに支援する側として、未来を切り開いている3人から、とても大切なメッセージを頂きました。

全国で4万5000人の子ども達が社会的養護施設で暮らす中で、里親制度や、フレンドホーム、
東京都でも、家庭的養育の拡充を進めていますが、なかなか進んでいない現状があります。

今回主催して頂いた「南湖ハウス」さんは、茅ヶ崎で「ライト里親」の取り組みを推進されています。

子どもは未来そのものです。
全ての子ども達の命が尊ばれ、子ども達が夢と希望を持って育つ社会を築きたい❗️は、
私が政治家を志した原点です。

東京都では、都民ファーストの会の重点要望から、
社会的養護の子ども達の、施設退所後の住まいの支援を求め、

18歳〜20歳の児童養護施設退所者支援について、東京都が施設近隣のアパート借上げ、1年間支援をする事が実現しました❗️



一方で、社会的養護施設退所後のアンケート調査では、退所後1年以内の離職率が50%以上など、保証人立てる事が困難で賃貸契約が結びにくい。
施設を出て、生きづらさに直面している実態に、

施設退所後も、伴走型で、一人ひとりに寄り添う支援、心のケアの拡充が求められます。

引き続き、当事者の皆様の声を伺いながら、東京都の社会的養護の支援拡充と、現場の大田区とも連携しながら、子どもが権利の主体として、守られ、育まれ、笑顔輝く社会を築いていきたいです!

8月13日には【子どもの生きる力を育てる】長沼豊校長先生をお招きした基礎講座



8月27日には【おおたっこ条例を考える会「こども条例に関する学習会」】を開催します。



参加者募集中です!地域全体で子どもを育むまちづくりに向けて、ぜひご参加ください✨

講演会メモより〉



児童養護施設の子ども達に振袖を届ける事で「うまれてくれてありがとう」を届けるACHAプロジェクトを立ち上げたまこさん(山本昌子代表)



18歳から20代前半は、自分自身が生まれてきた意味、生きる事と死の狭間にいた。

現在、活動を始めて7年目

施設の支援が、地域ごとに差がある。

コロナ禍で、本当に孤立している現状があった。
1週間誰とも話していない、一人暮らしでの孤立。
オンラインでの居場所を作り、

虐待の後遺症への、メンタルケアが、足りていない。
4万筆の署名を厚生労働省に届けた。

「生きていてよかったと思える1日」を贈りたい。
クリスマスイベントの開催。

ブローハン聡さん〉
11歳から18歳 保護されて、恵まれた環境の中で育った。
『虐待の子だった僕』
これは個人ごとではなくて、社会の問題である事を伝えたかった。
無国籍、虐待、
出逢いが、どれだけ大切だったかー




【3フラッグス】

楽しく学んでもらって、知ってもらう事で、今日から始められるきっかけになって欲しい。

切り取らない、切り取られない発信が必要

全員が暗いわけじゃない、ポジティブに、当事者発信を続けています。

① 社会的養護(グレーゾーン)について、より多くの方に知ってもらう事。
② 社会的養護当事者の後輩達への道しるべ
③ 番組を見た人に次のアクションを提案


聡さん〉もともと、NTTで働いてきて、
当事者の声が、これだけ多くの方に関心を持ってもらい、

小学校の担任の先生によって保護された。

小学校が、どれだけ大事かー
民生児童委員さんとのつながり、

◯一般社団法人 コンパスナビ
埼玉県児童養護施設退所者アフターケア事業

自立支援インケア、就労支援、居住支援、居場所づくり。運転免許取得支援

https://compass-navi.or.jp

◯ クローバーハウス
社会的養護を離れた子ども達の居場所

18歳から30歳、12時から20時(事前予約)

交通費上限2500円まで、
遠いところだと、県外からも、年850名が利用



孤立させない、気軽に遊びに行こうよからSOSにつながる場所へ。

施設を退所しても、
アフターケア団体を知らなかった。

「遊びに行こうよ」と言ってくれた、退所者の友人を通じて、つながることができた。

「生きていくために必要な場所」
困った時に受け入れてくれる場所

仮面を外して、普通の人に言えない事を言える場所

西坂来人さん〉
絵を描くのが大好きな少年(→絵本作家と映像作家)
5人兄弟で、父親の家庭内暴力でお母さんが婦人施設へ。
小学校5年〜6年まで児童養護施設で育つ。



壮絶な虐待経験を受けて来る子ども達が多く居た。
おとなへの不信感。
1箇所に、そう言った子ども達を集めて、世の中から見えない様にしているんじゃないかー

中学入学と同時に、生活保護を受けながら家族6人で暮らす。
18歳で新聞配達しながら映画学校へ。

2014年から映画作品作り
「児童養護施設を巣立った若者達」の物語を企画

児童養護施設を出た若者の自立がうまくいっていない。施設の先輩が、東京の路上で亡くなっていた。悲しい現実があった。

まこさん〉
私が生まれても、当時の父は、家庭の中でネグレクト。放置されていた。
母親も、両親を早くに亡くして、親戚を転々として
母も愛を知らなかった。

施設経験者は、なぜ自分が施設で育ったのかも、知らない子も多い。

聡さん〉認知されていない子だった。11年間戸籍がなかった。
幼い頃、電気も水道も止まっていた記憶。
母がフィリピン人で、日本語もうまく話せない。

日常的に虐待を受けていても、外から見られない様にされていた。
毎晩、神様に願っていた子ども時代。

ライターで炙られて、壮絶な虐待を受け、化膿している事を学校の先生に気付いて貰えた。

子どもにとって、義父は、どうしても叶わない存在。
神様に願っても通じない。

家では息を潜めて生きてきた中で、

学校が居場所だった。
学校の周りが、子どもの異変に気付くことで、救われる命がある。


まこさん〉自分が育ったのは、家庭的養育。
地域から見たら「あそこは大家族」くらい。
施設の方は、「色々な経緯があってここに来たけれど、あなたは悪くないよ」と伝えてくれた。
10年くらい、同じメンバーで暮らしていたので、本当の家族のように
施設での出逢いが、人生で本当にかけがえの無い出逢い。
誰から生まれたかが大事じゃなくて
誰に育ててもらえたかが、本当に大事。

聡さん〉8年間施設に、15人くらい。
施設に入る前にも、色々な場所で育ててもらった。

学校の友達と、夜も一緒に過ごせる、学校の延長の様に感じていた。
職員として、人によって、一人ひとりを熱を持って接してもらえる先生と、仕事と割り切って時間きっかりに帰る先生。

熱を持って長い目で関わってくれた先生は、今もやりとりがある。

まこさん〉おせっかいさんグループ
振袖の活動が7年目。何か出来ないかー多くの方から関心を寄せてもらう中で、80人くらいのスタッフさんと繋がっている中で、
想いのある皆様から、毎月誕生日カードを作成してくださる方。
週末里親さん たまにお泊まりに行く関係。
活動するというよりも、一人一人の家族、大切な人が笑顔か。
周りの人が幸せにしているか。

BROさん〉
何か抱えて生きている。すべての人々が当事者。

子どもから見た世界。
きっかけ一つでもあったら良い。

半径5mから世界を変える。


来人さん〉大人に対して、すごく不信感があったなかで。

1989年「子どもの権利条約」国連で採択され、
1990年国際条約として
日本は1994年5月22日に

第20条 家庭を奪われた子どもの保護

社会的養護の仕組みのおかげで、命と人生を救われた。
里親さんにもとても感謝をしている。

第21条 養子縁組
子どもの最善の利益を考え、
一般的に養子縁組 養育里親 
養子縁組 本当の親子になる。

児童養護施設で暮らしていると、変える場所がない。
頼れる親が、頼れない。
色々な親子関係があっていい。

第39条 被害に遭った子どもを守る

現状として、大事なことだけれど、保護された子どものケアが、きちんと回復できるプログラムがない。

きちんとやろうと取り組んでいる施設もあるが、

虐待は保護されたら終わりじゃない。

大人になっても、ちゃんとケアされる体制作り。

心のケアとは何か、治るとは何か

周りの大人達が、子ども達をしっかり受け止めて、


◯ 子どもの意見表明権
子どもアドボカシー

現場の話を聞くと、対立を産む難しさもある。

うまく行く方法を模索している。

まこさん〉中学生から「子どもの権利ノート」が配られて、読み合わせはしてきたけれど、子ども自身がちゃんと理解していたか?あまりピンと来ていなかったが、
施設で、とても権利が守られて生きてきた事を、後から気付かされた。

寄付もあり、沢山の本があった。
偉人の本を読むことが好きで、マザーテレサに感化されて、ホームレスと遊んでいた事もあった。

施設で映画を見る際には、事前に子どもと見ても大丈夫か、チェックしていた。

親と引き離されない権利

乳児院の頃、父親は会いに来てくれなかった。
「俺の子じゃない」「養子に出してくれ」

その前に、最後に会いに来てください
→「あまりに似ている!俺の子だ」
離れて暮らしていても、施設は親の悪口は言わなかった。

BROさん〉
施設に入る前は、3食ご飯がある事。
3日3夜 家に誰もいない事もあった。

当たり前にご飯がある。季節折々の行事を施設で初めて経験させて貰えた。

初めのうちは、大人が怖くて怯えていたが、
施設では暴力を受ける事もなく、安心できた。

母親が、最大の安全地帯だった。
母親とは引き離されず、14歳の時に母親が亡くなってしまった。

無戸籍で、国籍もなかった。
母親が亡くなり、父親も見つからず、母親の在留カードを持っていたので、いつ強制送還されてしまうか、ビクビクしていた。

母親の情報と父親を探してくれた事で、無事に国籍を取得することができた。



子どもの権利について、それぞれの経験をもとに
とてもわかりやすくお話を頂きました。


学校で児童養護施設で育つという事

まこさん〉幼稚園から、みんな施設の子だと隠した事は無かった。
お母さんは?お父さんは?と聞かれた時、
「私は施設だから」とナチュラルに打ち明けていた。
施設の良さを熱弁して、誤解が解けた。

生後4ヶ月から居た分、抵抗がなかった。

来人さん〉小さい頃から、友達とも会話が合わない。貧しくて身なりも汚かったので、「普通になりたい」と思っていた。出来るだけ隠していた。

聡さん〉東京で、「学園にいるよ」と地域に溶け込んでいたので、小中学校までは、自然と話していた。
高校からは、一般化して「親いるよ」と普通に溶け込もうとしていた。

その子が、どの様に感じているか、を大切にする事。


Q 社会的弱者への対応が不十分

当事者の声をしっかりとヒアリングして、声を真ん中に、一緒に動く事。

まこさん〉困っている事を、具体的に発信する事。
厚生労働省が出す資料が、とても細かくて、
自立支援の制度があるのに、必要とする方に届いていなかったりする

連携して情報を共有しあう事。
自分自身も困った事をちゃんと発信できているか。

来人さん〉虐待を救おうとしても、とても難しい。
根っこにあるのは、孤立している家庭を、いかに孤立させないか。子育てをいかに、社会全体で支えていくか、仕組みづくり。

Q 大人への不信感がある子供と接するときの注意点

まこさん〉当事者だけれども、一人ひとりと接する時に、離れていく可能性はあるかもしれないけれど、今できる最善を尽くす。
相性があるのは仕方がない。
相手のことを、腫れ物を触る様に接しられる事もすごく嫌。
接する上でも、難しい事でも、謝るべき時には謝る。
何でも「いいよいいよ」では無く、「正しい事は正しい」と伝え、「否定するのでは無く、まずその子の意見を受け止める」そのまま受け止める。
心を表してくれたら、心を開いてくれた安心感がある。

来人さん〉自分自身も大人に不信感があった。
まず、嘘をつかない。
本当に言っている というのは伝わる。
約束は守る。信頼感。
肯定する。押し付けない。なるべく良いところを見つけて、褒める。

BROさん〉中途半端さと共にいる
その子が起こしてしまう問題行動だったり、その子の行動には、見えない願いがある。
大人としては焦ったくても、その子の正解を待つ。

小学校の先生に救われたお話

その子にとってのキーパーソン。誰を大切にしているか、誰がキーパーソンかがとても大事。

まこさん〉SOSをどれだけ出せたか。
SOSを出した後に、ちゃんと支援につながることが出来たか。
ご飯を食べて居ないんじゃない?と毎日チョコレートをくれた先生。
寝て居ないんじゃない?と保健室で寝かせてくれた先生。
その子の、辛い状況に手を差し伸べてくれた人。

もり愛〉Q、社会的養護施設を出た後の心のケアについて、行政に求める事とはーについてお聞きしました。

まこさん〉地域によって違うと思うが、
直接助けるに繋がらなくても、現場に足を運んでほしい。

一緒に現場の声を聞いてほしい。子どもと触れ合って感じてほしい。そこに答えがある。


アフターケア 地域によって、本当に答えが違う。
現場の当事者に聞いてほしい。


来人さん〉メンタルヘルス 医療機関に行っても、5分くらいで、薬を出すだけ。

人間関係の構築、みんながみんなをケアする様な社会づくり


BROさん〉社会資源を、地域で共有しあう

社会資源をつなぎ合い、横のつながりを増やすことが大事。