【東京都手話言語条例】に基づいた災害対策・避難所の合理的配慮の推進を!

6月29日「大田区聴覚障害者災害対策委員会」
に、東京都手話言語条例策定ワークングチームの委員として参加させて頂きました。

【東京都手話言語条例】が第2回定例本会議で制定された事により、
現場の合理的配慮がどのように進むのか、今後、自治体と連携して、言語としての手話の利用が進み、当事者の皆様の情報バリアフリーが進むよう、合理的配慮の推進が求められます。

会議には、大田区聴覚障害者協会の一色ふみ子会長を先頭に、小池事務局長、
大田区聴覚障害者協会、大田区中途失聴・難聴者の会、大田区登録手話通訳者会と区内の手話通訳サークルの皆様が参加され、

東京都では、別々に話し合われる聴覚障害者協会と中途失聴・難聴者の抱える課題が、共に歩み寄りながら、聴覚障害への社会的な障害をどのよう無くしていく事が出来るか、
地域で支えている手話サークルの皆さま、手話通訳の皆さまも共に参加されて、議論されている取り組みが素晴らしいです。

大田区聴覚障害者防災マニュアルの改定に向けた確認、大田区のハザードマップと、避難所の整備、

大田区に対して、「防災、災害時における聴覚障害者への対応について」をテーマに、
必要な課題について話し合いが行われました。



『大田区聴覚障害者防災マニュアル』については、
2017年以降、5年ぶりの改訂となりますが、

5年前に「聴覚障害者向け福祉避難所は、災害が起きてから指定される」との記述から進んでいない事は、問題だと考えます。

区内に91箇所の避難所がある中で、事前に具体的な場所が指定されていなければ、
災害が起きてからの指定では、情報伝達も困難です。

また、災害時には手話通訳のニーズが集中するため、東京都聴覚障害者連盟からの方針として、「個人での手話通訳派遣が制限される」との事ですが

であるならば、なおのこと、事前に聴覚障害者の方が安心して利用できるように、
何ヵ所か、避難所を選定して手話通訳派遣が避難所単位で行われる体制整備が求められると考えます。

いつ来るとも知れぬ首都直下型震災や、豪雨・風水害への備えとして、大変重要な防災対策における
当事者団体の皆さまからの要望が、5年間も、そのままで前に進んでいない状況は、正直、驚きと共に、遺憾です。

大田区聴覚障害者協会の皆さまは、会員が住んでいる地域を防災マップに落とし込んでいて、

大田区内でも、当事者の多い地域と、全く住んでいない地域があるため、
ニーズに応じた避難所の整備が求められます。

障害特性に応じて、聴覚障害者の必要とする
光で情報を伝える「フラッシュライト」や「アンプルボード」が、精神疾患の方には、驚いたりストレスになってしまう場合もあり、それぞれの障害の特性に応じた、合理的配慮の推進が求められます。



足立区・北区では、すでに災害時の手話通訳派遣の契約が決まり、避難所が選定されていると伺いました。

また、わかりやすい情報提供として、「聴覚障害者防災ガイドブック」がまとめられており、



墨田区で作成されている「耳が聞こえません」バンダナは、「手話ができます」と記されていて、



聴覚障害者は、外見から障害が分からず、聞こえない事で支援を差し伸べて貰えない事が危惧され、
いつでも身につけておかれるバンダナの作成は、ぜひ都としても取り組んでいくべきだと感じました。

障害者手帳など、行政の持っている情報において
ニーズがどの地域にどれだけあるのかを把握して、
災害時要配慮者が、適切な支援につながる様に、避難所の整備が求められます。

東京都手話言語条例では、
第16条(災害時の情報収集と提供)

・ 都は、災害その他非常の事態において、ろう者が手話により、安全を確保するため必要な情報を迅速かつ的確に取得し、円滑に意思疎通を図ることができるよう、区市町村その他の関係機関等との連携その他必要な措置を講ずるものとする。

第17条(財政上の措置)
・ 都は、手話に関する施策を総合的に推進するため、必要な財政上の措置を講ずるものとする。
 
として、災害時における手話による情報保障と意思疎通を自治体と連携して講じ、必要な財政措置についても条例化されています❗️

現場の当事者の皆さまと一緒に、聴覚障害者の皆さまが、災害時も安心して避難所を利用できるよう、合理的配慮の行き届いた環境整備に取り組んで参ります!

大田区聴覚障害者協会の一色ふみ子会長、中途失聴・難聴者の会、大田区手話通訳者会、手話サークルの皆さま、
手話サークルボランティアの登志子さん
貴重な機会をありがとうございます。