令和4年第2回都議会定例会教育庁所管提出予定案件について
今回の条例改正は、国の法改正に準じて、東京都として合わせるものですが、関連して教員不足の課題、部活動の地域移行、教員免許制度の廃止、学校現場の感染防止対策について、もり愛の意見を教育庁さんに申し上げ要望させて頂きました。

【学校職員の定数に関する条例の一部を改正する条例】
国の法改正に基づく改正で、これまで60歳定年であったものを、65歳定年に延長するものです。現在、全国的な教員不足が指摘をされており、4月の新学期時点で学級担任がいなかったり頻繁に変わったりする事で、こどもが学校生活に不安を感じる事があってはならない事です。

4月時点で都内で約50名の教員不が出ていると伺いました。少人数、専科の先生に不足が出たとの事で 「都として担任の先生がいない様な状況は起こっていない。
全国的な大量退職の影響など、様々な背景がある。」との事ですが、

コロナ禍で、不登校児童が増加、こどもの貧困、ヤングケアラ―支援等、学校現場に求められる支援が多様化しており、初期段階でのきめ細やかな対応で、不登校とならない支援が、長期のひきこもり問題となる前の段階での支援など、とても重要だと考えます。
引き続き、教員不足への支援拡充としても、学校現場への専門人材の配置を強く要望致します。

また、【教職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例】についてですが、
部活動を担っている先生は、休日もすべて部活動に充てられる等、教員不足に部活動が大変過度な負担を強いているとの現場からの声を受けて、国においても、学校部活動の地域移行が進められようとしております。

一方で、学校から部活動が切り離される事により、部活動の地域移行が、部活動の単なる民営化になる事には、強い不安を持っております。

これまで、学校部活動により、家庭の所得格差による事無く、子ども達は多様なスポーツや音楽への参加の機会が開かれていました。

私も、学生時代はクラシックギター部で、顧問の先生とは別に専門の外部講師が教えて下さって、全国学生ギター合奏コンクールで銀賞の成績を上げる事が出来た事は、中学校時代のかけがえの無い思い出です。
母から譲り受けた楽器でしたが、卒業後も楽器を買う事が出来ない後輩の為に、10年以上ギターを貸し出していました。

部活動の地域移行により、これまで先生の過度な負担により部活動が維持されてきた現状の改善は必要であり、

都教委育委員会との意見交換では、
「都立高校における、部活動の地域移行については、有識者会議の審議会 スポーツ庁 国の動きをみながら対応していく。」との回答でした。

教員の負担軽減と専門技術の高い外部講師の活用が図られる事には賛成ですが、保護者と児童生徒の費用負担や、学校と切り離される事で大会参加への負担が増える事の無い様に、今後の制度設計に際して、議会からも声を上げて参ります。

教育職員免許法関係手数料条例の一部を改正する条例】については、

国の法で、教員の免許制度が廃止になった事に伴うもので、これまで、10年で更新することにより、多忙な故に更新を忘れて失効した教員や、退職前に更新時期を迎えた先生が、更新せずにそのまま退職され教員不足に拍車を欠けている等の問題点も指摘をされて来たことから、廃止については、是とする立場ですが、

GIGAスクール構想に基づく、オンライン教育の推進やプログラミング教育など、私自身も学校教育の中で学んだことの無い新しい教科が導入されており、それを教える教員においても、常に新たな学びに対応する、研修が求められていると考えます。

『主体的・対話的で深い学びの実現』が学習指導要綱で求められており未来を担う子ども達を育む教員の質の向上を図るためには、都の責務として、教員の研修の充実が欠かせません。
免許更新に伴う、30時間以上の講習は廃止となりますが、来年4月から新たな研修制度を設け、教育委員会に対し、校長や教員ごとに研修記録を作成することを義務付け、記録に基づき指導や助言を行うとしています。

東京都教育委員会からは、「新たな研修制度については、夏にガイドラインの発表となる。」との事で質疑は行いませんでしたが、

都として、これまでの研修等の蓄積も活かしつつ、今後新たな研修制度をどの様に取り組んでいくのか、今後も都議会から注視して参ります。

【新型コロナウィルス感染拡大防止関係】として、都立学校におけるPCR検査の実施に3.1億円。区市町村立学校におけるPCR検査の実施に6000万円、教職員への抗原訂正検査の実施に1億2000万円の補正予算が組まれております。

コロナ禍で、この2年間、子ども達の学校生活において修学旅行や部活動の大会参加等、郊外活動が制限されてきた中で、感染防止に配慮しながら、子ども達の学校生活を再開する後押しとして、子ども達には、一生に一度しかない、学校生活の中で大切な思い出となる機会を安全に実施して頂きたいと願います。

今回の補正予算では、教育現場の修学旅行や部活動の遠征等に伴うPCR検査が6月末までの期限となっていたものを、7月から10月末までに延長するものです。

一方で、未だに過度なマスクの着用により、子ども達の学校生活や学習面に悪影響を与えているとの様々な調査結果があり、東京都として、重篤化リスクの低い子ども達が、一日も早く日常を取り戻すため、マスクの着用を見直す時期に来ていると考えます。

5月13日に、東京都医師会は、保育所や幼稚園での外遊び、学校の体育の授業、部活動といった、ソーシャルディスタンスが確保できている屋外での教育活動で、マスクを外してよいなど見直しをすべきだと提言を出しています。
東京都医師会理事の川上一恵医師は、「必要以上の感染対策は解除し、子ども達を劣悪な状況に置き続けるのか」と問題提起し、マスク着用の見直しを訴える一方で、

先日、海上視察で子ども達とヨットに乗る機会があったのですが、船の上は風が強く、天気も良かったので深呼吸がとても気持ちが良かったのですが、

密ではないのでマスクの必要が無いと説明しても、中学生の男の子は「マスクを外すのが恥ずかしい」と外さないお子さんも居て、とても心配になりました。

また、先週、地元の中学校の運動会に参加させて頂き、学校の先生方も、密にならない協議を大変工夫して運動会を実施されており、2年ぶりの体育祭の開催に、子ども達の笑顔が輝いていました。
当日は涼しい土曜日でしたが、子ども達はマスクを着用しながら運動を行っていて、体調もとても心配になりました。

今後、感染拡大防止に気を付けつつ、感染リスク、重篤化リスクの少ない子ども達への学校現場でのマスク着用について、都としての見解を伺いました。

体育や、屋外の活動については、マスクを義務付けてはいない。
⇨ 文科長と厚労省で、各区市にも配っている」

との回答でした。

長期間のマスクの着用は、子ども達の学習能力や発達にも悪影響であると、先日お話をした教育研究者の尾木直樹(尾木ママ)先生からも指摘がありました。

これからの暑い季節、今年は特に電力需要の逼迫から省エネの呼びかけが行われており、熱中症のリスクが心配されます。

現在のオミクロン株以降、子ども達の重篤化リスクは高くない事がわかっており、
学校現場においては、過度な感染対策ではなく、
子ども達の健やかな学びと成長を守る立場からも、
過度なマスクの着用は見直す様に、担当者にお話をさせて頂きました。

子どもは未来そのものです❗️
東京都議会文教委員会委員として、子ども達の教育環境と学びを守っていきたいです!

ぜひお声をお寄せください。