【東京都議会文教委員会質疑】
5月27日補正予算を含む提出議案説明・請願陳情の審査が行われ、会派を代表し、
もり愛と龍円あいり都議が質疑を行いました。
いよいよ、来週から東京都議会第2回定例会が始まり、代表質問等、準備も本格化しています。
コロナ禍の学校現場での課題。補正予算では、こども達が夢と希望を持っていきいきと育ち学べる教育環境の充実に取り組んで参ります❗️
委員会報告〉
【4第8号いじめの被害にあった生徒の診断書の評価に関する陳情】について申し上げます。
都は、『東京都いじめ防止対策推進基本方針』を策定し、いじめの未然防止、早期発見、早期対応及び重大事態への対処を行う方針を定めています。
言うまでもなく、いじめは、いじめを受けた児童・生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を及ぼし、いじめを受けた児童・生徒の心に長く深い傷を残すものであり、絶対に許されない行為であり、基本方針の中でも、いじめの禁止が掲げられております。
一方で、私も区議会議員時代から、いじめのご相談も受けて参りましたが、
区立小中学校の場合は、教育委員会に相談し対応を求め改善した事例も多くある中で、
私立学校においていじめが発生した場合には、親御さんが区市の教育委員会や教育支援センターに相談しても改善は難しく、
当時私が実際にお話を伺った方も、教頭先生による部活内でのパワハラを学校に相談しても対応してもらえず、高校を中退せざるを得なかったとのお話を伺いました。
いじめを担当した弁護士さんからは、「学校に抗議すると嫌だったら辞めればいいと転校を余儀なくされ、公立の数倍の相談が寄せられる」との声、
「私立学校の場合は、教育委員会のように学校を指導する機関が無く、治外法権でこどもが守られない」といった声も寄せられております。
Q そこで、都内の私立学校において、いじめが疑われるような、いわゆる重大事態が発生した場合、学校及び都はどの様な対応を行っているのか、伺います。
生活文化局私学部〉
重大事態が発生した場合、学校及び都は、いじめ防止対策推進法等に基づき、必要な対応を実施しております。
学校においては、事態に対処するための組織を設け、質問票の使用 その他の適切な方法により事実関係を明確にするための調査を実施。
都においては、学校が調査を進めるにあたって、学校からの相談に丁寧に対応するとともに、今後のいじめ防止等の為に必要な措置を講ずることが出来るよう、指導・助言を実施しております。
もり愛〉重大事態が発生した場合には、学校における事態に対応するための組織を設け、事実関係を明らかにし、都は、学校が調査を進めるにあたって、学校からの相談に丁寧に対応し、いじめの防止等のために必要な措置を講じるよう指導・助言を実施しているとの答弁を頂きました。
私立学校におけるいじめに対して、「対応してもらえる窓口が無い。私立のいじめは治外法権」「私学のいじめは地元の教育委員会も動いてもらえず誰も助けてくれなかった」との保護者の声も聞かれ、
私立学校のいじめに対して、東京都が指導・助言をおこなっている事が周知されていない様に感じます。
都民に一番身近な区市町村窓口との連携も求められます。
また、いじめの実態把握について、学校現場のいじめ問題に対して、増加するいじめの認知件数と、旭川のいじめ事件でも、親御さんが3年間訴え続けて、3年経ってやっと第3者委員会が認めたように、学校現場でのアンケート調査が機能していなかった事例もあり深刻です。
現行の教育現場で行われている「いじめ実態アンケート」の設問がかなりダイレクトで、いじめられている本人や、いじめている当事者が応える際「本当の実態が見えずらい」との課題があり、今後更なる改善も求められると考えます。
都内の高校生の約半数が私学に通っている現状もあり、都議会では公私間格差の是正を訴えて、都では私学助成を拡充してきた経緯もあり、私立学校のいじめに対しても、児童生徒の相談に真摯に寄り添って頂きたいと考えます。
「私立学校のいじめ問題に関する相談窓口」をHPで公開している都道府県もあり、
生活文化スポーツ局の私学部のページでは「いじめの対応について」の項目が見当たらず、都が対応を行っている事を知らない、保護者・児童にも届くようぜひ生活文化局の私学部のHPに相談窓口を周知して頂きたいと要望致します。
平成26年に施行された『東京都いじめ防止対策推進条例』では、いじめ防止の総合的・効果的な施策の推進を目的として、都立公立のみならず、都内の私立学校も対象となっており、東京都教育相談センター「東京都いじめ相談ホットライン」が設置されています。
いじめ、学校生活、家族・友人関係など、都内在住・在籍の幼児から高校生相当の年齢までの24時間対応のフリーダイアルでの電話相談と、中高生に対してはLINE相談、
また、学校や区市町村教育委員会等に相談しても解決しない問題について、保護者対象の学校問題解決サポートセンターもあり、
東京都教育委員会の所管ですが、私学部担当者に確認したところ、私立に関する相談が寄せられた際は、生活文化スポーツ局私学部担当としっかりと連携して、学校への対応を行っている事を確認をさせて頂きました。
いじめ相談ホットラインのカード状のパンフレットは、学校・警察・児相と様々な所管の相談窓口が分かりやすく、
とても良いと感じましたので、いじめを未然に防ぐ為にも、都内の全ての学校で子ども達に配布するとともに、こども・若者が利用する学校や公共施設等のトイレ等にも設置して頂き、私立学校のいじめで悩む当事者・保護者に支援が届くよう、一層の周知を要望します。
今回の陳情は、都において、私立学校におけるいじめの被害にあった生徒のPTSDの診断書を評価していじめ有無の判断への使用を求める陳情です。
今回の陳情にある個別事案については、裁判においても判決が出ている事から、
診断書の一点でいじめの有無を判断することは難しいと考え、陳情については不採択を申し上げますが、
都として、指導・助言を行ったにも関わらず、今回陳情に上がる様に、長年児童・保護者の悩みが解決していない事は大変残念に思います。
いじめの解消の定義を『被害を受けた児童生徒が心身の苦痛を感じていない事』としている府県もあり、
私立学校の実態が明るみになりづらい状況があるからこそ、都は真摯に児童・保護者に寄り添い、相談だけではなく、こどもの権利の視点からも、
こどもの人権・教育権が侵害される事の無いよう、引き続き、私立学校に対しても丁寧に指導・助言を行うよう、強く要望し意見とさせて頂きます。