決算質疑を終えて、今月は常任委員会の事務事業質疑が行われます。
通常の議案に対する質疑ではなく、東京都の事務事業について、細かく伺う事が出来る年一回の機会です。
もり愛は、現在文教委員会に所属、東京都の教育・文化・スポーツ振興、男女共同参画等、教育庁、生活文化局、オリンピック・パラリンピック準備局の所管です。ぜひお声をお寄せください。

事務事業質疑を前に、先月の議案質疑の議会報告。
オリンピック・パラリンピック大会後の会場利用について質疑を行いました。

【文教委員会 オリパラ局質疑】2021年10月8日
         都民ファーストの会 もり愛

〇報告事項
東京辰巳アイスアリーナ(仮称)施設運営計画について伺います。

 都内にアイススケート場が少ない事は以前から指摘をされております。「日本のフィギュアスケート人口と地域別スケートクラブ人数」の資料を参考にみても、都内では人口あたりでも圧倒的にリンクが不足しており、人口100万人あたり全国平均0.86と試算され、100万人に約1つのリンクがある事が望ましいとして、都内のスケート選手人口で換算すると「通年リンクをあと10個増やす必要がある。」と指摘をされる一方で、通年リンクは都内に4カ所のみの現状があり、足りていない現状があります。

 なぜ名古屋にフィギュアのプロ選手が多いのかー伊藤みどり選手をはじめ、世界のトップアスリートを目標に、幼い頃からスケートを習う子ども達が多く、その背景には、アイスリンクが身近にある事が挙げられます。先ほどの、次世代のトップアスリートの育成という視点からも、都内で多様なスポーツに親しむ環境整備が求められ、通年利用できるアイスリンクを作る事はとても有意義な事業であると考えます。

Q1,この施設が、次世代選手の氷上スポーツ選手の育成に寄与する施設となるよう、役割が期待されます。どの様に次世代アスリートの育成に取り組んでいくのか、都の見解を伺います。

A1、オリンピック・パラリンピック準備局答弁〉
〇 次世代アスリート等の育成を図るためには、競技団体が行う強化練習等の様々な利用を推進していく必要。
〇 競技団体を対象に実施したヒアリングでは、夜間・早朝時間帯にも練習利用を行っている実態を確認。
○ メインリンク、サブリンクのそれぞれに、夜間・早朝の時間帯の団体利用枠を設定するなど、より多くのアスリートに施設を活用いただくため工夫。
〇 子どもやジュニア世代を対象とした教室開催など、次世代アスリートの育成等につなげていく。

もり愛〉都内では、スケート選手の人口が多く、練習場が密になる事も懸念されます。競技団体、アスリートのニーズに応じた、夜間早朝帯の活用など、アスリートのニーズを伺いながら、
トップアスリートを育むような練習会場となる事を、心から願い、期待するものです。

一方で、年間運営費が、約1億6500万円と試算をされておりますが、民間のアイスリンクが運営されている中で、当初から施設の管理運営費に係る収支不足が生じている事は課題であると考えます。

市民リンクとして誕生した神奈川スケートリンクは、現在は公益社団法人横浜市体育協会により運営され、年間億単位の維持費がかかるとの事ですが、自主財源で黒字化しています。私自身、幼少期冬休みのスケート教室に通っておりましたが、毎年大人気で、申し込みが殺到しすぐにいっぱいになる程、人気があった事を覚えております。

こうした事例も踏まえて、より多くの都民が氷上のスポーツに親しむことが出来るよう、
Q2, スケート教室事業等の自主事業の実施、国際・国内競技大会の開催などを通じて、収支の改善を目指すべきであると考えます。都の見解を伺います。

A2、オリンピック・パラリンピック準備局答弁〉
〇 都立体育施設の運営にあたっては、収支の改善に努め、効率的な運営を行うことが必要。
〇 例えば、メインリンクとサブリンクの動線を分離することで、それぞれのリンクで利用枠を設定できることから、効率的な運用が可能となると想定
○ また、夜間・早朝時間帯の営業の実施などにより、収入の確保を見込
〇 施設運営計画の策定に向け、類似施設の事例等も踏まえて、収入増や支出抑制等、コストの抑制につながる収支改善について更に検討していく

もり愛〉氷上のスポーツとして、フィギュアスケートはもちろん、カーリングの知名度と人気も向上していますが、競技できる場所が少ない現状があります。
また、パラリンピックのレガシーとして、パラスポーツのより一層の振興が期待される中、パラアイスホッケーや車いすカーリングなど、パラスポーツも楽しめる場にしていく必要があります。
Q3,パラスポーツも含め、誰もが氷上のスポーツを楽しむことのできる場となるよう、都はどの様に取り組んでいきますか 伺います。

A3、オリンピック・パラリンピック準備局答弁〉
〇 都立初の通年アイスリンク施設として、幅広い年齢層の都民が氷上スポーツに親しめる場としていくことも重要
〇 多くの都民に利用していただけるよう、日中の時間帯は原則として一般利用に提供
障害者をはじめ様々な都民を対象として、様々な氷上スポーツの体験・入門教室を開催
〇 学校の校外活動等でご利用いただくことも検討し、東京の子どもたちが氷上スポーツに親しめるようにしていく。
〇 大会やアイスショー等を開催することで、間近に見て楽しめる機会を都民に提供

もり愛〉東京都パラスポーツトレーニングセンター(仮称)施設運営計画の中間まとめが発表されました。
2021年夏、世界で初めて、2度目の夏季パラリンピックを開催した東京2020大会の開催として、パラリンピックのレガシーとして、パラスポーツの振興に寄与する施設となる事が期待されます。
多くの体育館では、パラスポーツの方々が、使いたいといっても、車いすでの利用には課題があるなど、地域のスポーツ施設をつかう事にハードルがあると聞いています。
パラスポーツの発展の為には、パラアスリートの方々が、常時、技術力向上の為に、より安定して、練習ができる環境整備が求められると考えます。
スペシャルニーズのある方々のスポーツを社会にしっかりと根付かせ、東京から次世代のアスリートを継続的に排出できるよう、大会後もしっかりとパラアスリートの育成と競技団体の活動を支援し、パラアスリートの競技力向上に向け取り組んでいく事を求め、
今年3月15日の文教委員会において、我が会派の内山議員の質疑に対し、「東京スタジアム内の室内施設を新たな練習拠点として活用していく事を、今後実施予定の競技団体等へのニーズ調査を踏まえ検討する」との答弁を頂きました。

Q4、  パラアスリートが競技力向上の拠点とするために、ニーズ調査を踏まえどの様な検討がなされたのか、都は、どの様な運営に取り組んでいくのか、お伺いします。

A4、オリンピック・パラリンピック準備局答弁〉
○ パラスポーツの競技団体等に対するヒアリングでは、施設の定期的な利用ニーズが多いため、競技団体等が優先的に予約できる仕組みとすることで、安定的に利用できる施設へ。
○ 「利用者だけで競技コートの設営や備品の設置を行うことが難しいので、スタッフのサポートが必要」といった声もあったため、障がい者スポーツ指導員や、施設スタッフの体制等についても検討。
〇 パラスポーツ特有の競技備品やトレーニング器具等の要望もあったことから、これらの設置についても検討。
〇 今後、さらにパラアスリート等が使いやすい施設運営を実現できるよう、検討。

もり愛〉
我が会派からも、かねてより「パラアスリートを含め、様々なレベルでスポーツを楽しむスペシャルニーズのある方も使える場所となるよう要望」して参りました。
今回の施設運営の基本方針において「障害のある人もない人もスポーツ親しむことのできる場」としての機能が盛り込まれております。

Q5、パラアスリートの方の競技拠点とする事はもちろんのこと、障害のある人もない人も一緒にプレイする事で互いに理解しあう事こそが、本当の意義であり、都民のパラスポーツ・ユニバーサルスポーツへの参加の機会を拡大することが重要と考えます。東京都はこの施設でどの様に取り組んでいくのか、お伺いします。

A5、オリンピック・パラリンピック準備局答弁〉
〇 本施設は、競技力向上のための練習拠点とするだけではなく、障害の有無に関わらずスポーツを楽しめる場としても整備。
○ 健常者を含むグループ等の利用を可能とするほか、障害のある人とない人とが交流 できるよう、パラスポーツの体験教室等を開催。
〇 競技団体等が本施設で行う、健常者も参加可能なイベント等についても協力するなど、障害のある人とない人が交流する機会の確保に努めていく。

もり愛〉
このパラスポーツトレーニングセンターの取組が、特別支援学校活用促進事業など他の事業ともあわせて、誰もが一緒にスポーツへの参加が出来る、都民のパラスポーツ・ユニバーサルスポーツへの参加の場の拡大につながるよう、期待します。

最後に、利用者の需要予測と施設経費について伺います。
利用者の想定については、競技団体の専用利用、アスリート等の一般利用により、年間約3万人の利用者が想定をされておりますが、年間運営費の概算は、約2,2億円と試算されます。
今後、パラスポーツ・ユニバーサルスポーツの拠点として、持続可能な経営を続けていくためには、年間運営費を圧縮していく取り組みも必要だと考えます。

パラアスリート等については利用料金が免除されており、パラスポーツの振興に寄与する施設として、評価します。一方で、より多くの都民の方に利用され、親しまれる施設とする事も重要です。
Q6,イベントの開催等、パラスポーツトレーニングセンターでは、どの様に、多くの都民の方に利用され、親しまれる施設としていくのか、伺います。

A6、オリンピック・パラリンピック準備局答弁〉
〇 本施設は、パラアスリートの競技力向上のため、競技団体等が継続的・計画的に活動できる場とし、多くのパラアスリートの方に活用いただけるよう取組
○ パラスポーツの裾野拡大のため、障害のある人がスポーツのレベルに関係なく利用できる場。
○ 施設の空き状況に応じて健常者のグループも利用可能とすることで、多くの都民に利用いただける施設。
〇 パラスポーツの楽しさを知っていただく教室や、障害のある人とない人がともにパラスポーツを体験するような機会も設置
○ こうした取組を通じて、より多くの都民の方に親しまれる施設になるよう努めていく。