【おおた社会福祉士会6月定例会「高次脳機能障害、当事者会活動について」】
高次脳機能障害について知ったのは、区議会議員時代でした。

交通事故などで、だれもが、いつ直面するかわからない障がいなのに、当時は理解が進んでおらず、大田区の保健福祉委員として、当事者の皆様と共に区としての支援の推進に取り組んで来ました。

高次脳機能障害の大変さが、中々伝わっていない現状。

外見では解ってもらえない障害だからこその困難。
「頭の中が壊れてしまった」との当事者の切実な大変さについて伺い、
理解したくても、当事者にしか分からない苦しみを

分かち合うことのできる当事者会の重要性を感じました。

高機能機能障害の理解を進めていくと共に、
当事者の皆さんと
誰もが自分らしく生きられる、合理的配慮の行き届いた社会の実現に取り組んで参ります❗️


オンライン対話会より〉
鶴田さん〉大田社会福祉工場

高次脳機能障害について知られて、まだ10年
高次脳の大変さが、社会で広く知られていなかった。「鈴木さんの本」

アライタカヒロさん〉
高次脳機能障害は、脳の障害と言われているが、心は、何処にあるのか?

精神・心が壊れた
10年間ひとり暮らしをしてきて、自分の生き方を模索してきた。
精神障碍者で、実は頭の中がひっちゃかめっちゃか。

盗聴されている、後をつけられている脅迫観念に襲われた。周りの人は聞いてくれない。
信じてくれなかった。

一緒に盗聴しているやつ探そうぜって、一緒に探して、そんな奴いないよ!と笑ってほしかった。

でも、頭の中で実際に起きたことだから、どうしようもない。

おまわりさんの職務質問。普通に見えて、普通じゃないのが、高次脳機能障害

周りから見えないけれど、頭の中は障がい者ということを理解してもらえない。

障がい者になったら、障がい者らしいカッコをしなければだめ?
らしい言葉遣いをしなければダメ?

普通に障がい者にするのかなぁ?という対応をされてしまう。

車の人に、立って歩けとは言わないはず。
高次脳機能障害への理解がない。高圧的な対応されたら、パニックになってしまう。
当事者会の重要性。
高次脳機能障害同士だからこそ、理解しあえる感覚がある。

高次脳機能障害を分かろうとして、いろいろ勉強して話してくれても、

本当の本当の高次脳機能障害の苦しみは、当事者しかわからない。

見た目も普通。でも、人の名前を覚えられない。

見えない障がいの苦しみ。
理解してもらえないと、ただのわがままな障がい者になってしまう。

どうやって共存していくか。

へこたれていられない。

10年前に高次脳機能障害になった際、入院した病院の先生も、この障害を知らずに退院させられてしまった。
高次脳機能障害という言葉は定着しても、普通に見えるけど、苦しいという状況を少しでも理解してほしい。

Q〉高次脳機能障害になって日々大変なのに、どうして当事者会を立ち上げたのか

岡本さん〉ダブルケアを経験した際、同じ悩みを抱えている人が周りに誰もいなかった。

アライさん〉安心することが無い。いつ何がある変わらない不安がいつもある。
パニックが始まったら、高次脳の場合は終わり。
普段から自分を抑えて、冷静な状況
毎日襲ってくる。
猫のひまわりが支えになってくれている。

長谷川さん〉高次脳機能障害の支援を行っている。
新しい脳をつくるという活動が素晴らしい。これまでの道のり

江戸川区の当事者の方も、医師や家族からも理解を得られないという声を多く聞く。
当事者会の存在の大きさ。ぜひ江戸川区にも当事者会を作っていきたい。


平成24年第2回定例会より】
もり愛〉大田区障がい者総合サポートセンターの計画が進められており、障がいを持つ多くの皆さんから大変期待をされております。

区内の障がい福祉の拠点として、各福祉施設との連携が求められる中、障害者手帳を得づらく、障がいを持っていても施設を利用できない現状もあります。

高次脳機能障がいや発達障がいです。
高次脳機能障がいは、交通事故や脳卒中など様々な原因により脳に損傷を受けたために生じるものですが、まだ広く社会に周知されていない実態があります。
 現在、事故に遭った場合、急性期病院はほぼ1か月で退院を迫られ、リハビリ病床でも三、四か月、半年程度で病院から出なければならない現状があり、高次脳機能障がいであっても手帳をとらないまま社会に出されてしまう方も多くいます。

実際に病院にお聞きしたところ、手帳のない方が多くいるとのアンケートの回答がありました。
家族からの申請により認定調査を行うとのことですが、そもそも家族に申請をするということが周知されていないそうです。
初めは障がいに気づかず、変化に悩むご家族もいます。

 大田区では、「高次脳機能障害の方とご家族へ」という相談窓口のパンフレットもつくられており、医療機関への配布等、医療、介護、福祉施設と連携した周知の必要があると考えますが、いかがですか。

 高次脳機能障がいは、リハビリを行うことによって改善が期待され、医師の意見書の記載で福祉サービス受給者証を取得すれば、厚生労働省の方針により国立リハビリセンターを利用することができます。

しかし、大田区のリハビリのための訓練施設では、障害者自立支援法に基づいた身体機能の維持向上ということで、身体障害者手帳がなければ利用することができません。
認知過程の障がいであれば、心理職の職員配置がされていないと受けられないという問題点もあります。
他区での現状を見ると、福祉サービス受給者証で区立の訓練施設を受けられる自治体、杉並、世田谷、江戸川など区の単独事業として行っている自治体もございます。

 現在、大田区においては、高次脳機能障がいの訓練施設は寺子屋さん、プシケさんと民間で2か所あり、手帳は不要ですが、受け入れ人数は限られており、区立施設での受け入れが求められております。

高次脳機能障がいは器質性精神障がいに区分される精神障がいであり、精神障害者保健福祉手帳の取得は可能です。
しかし、区の訓練施設では身体障がいでない限り使うことができません。

区立の上池台障害者福祉会館、新蒲田福祉センターでは、現場の職員さんたちの配慮で何とか利用できるように、音声・言語障がいの枠で障害者手帳をとるなどの配慮がなされ、実際に高次脳機能障がいの方で身体障害者手帳を持っている方は多くおられます。

 福祉センターの設置条例を変更し受け入れ枠を設ければ、今ある施設で費用もかかりません。
障害者手帳がないがゆえに福祉施設の訓練が受けられない方に対し、区として手を差し伸べる施策が必要であると考えております。

また、身体障がい、精神障がいと区分で線を引いてしまうのではなく、必要があれば施設を利用できるよう改善を求めますが、いかがですか。

 以上、地域の皆様からの切実な思いを質問させていただきました。だれもが手をとり合い、地域で暮らせる大田区であるよう真摯な回答を求めます。ありがとうございました。

◎安元 福祉部長 高次脳機能障がいに関しまして2点ご質問をいただきました。

まず、高次脳機能障がいの周知についてでございますが、お話のとおり、区では啓発用のパンフレットを作成いたしまして関係機関に配布し、広く周知を図っているところでございます。
現在、病院等の医療機関、保健・福祉関係の窓口、民間を含む施設につきましてもお配りをし、PRをしているところでございます。

また、昨年度から実施いたしました高次脳機能障がいに関する講演会でございますが、今年度も開催すべく内容等について検討を進めております。このような講演会を通じて、また家族会や関係機関で構成する高次脳機能障害者連絡会を引き続き開催することによりまして、周知と理解を広げていきたいと考えております。

 次に、高次脳機能障がいの診断を受けた方で、障害者手帳の対象とならない方へのサービスについてでございますが、お話のとおり、障害者自立支援法上の機能訓練については、身体障害者手帳をお持ちの方が対象となります。
現在、区立の訓練機関でございます新蒲田福祉センター、また上池台障害者福祉会館におきましては、手帳をお持ちでない方であっても、ご相談を継続しながら、音声・言語機能障がいや上肢・下肢障がいなど、何らかの機能障がいで身体障害者手帳をおとりいただくよう促しております。
その上で訓練等の支援を実施しているところでございます。今後、支援のあり方や利用しやすい制度については、様々な課題がございますので、さらに検討を進めていきたいと考えております。