【各会計決算特別委員会 第3分科会 住宅政策本部質疑】2020年10月21日都民ファーストの会東京都議団 もり愛
〇住宅確保要配慮者の支援について
◯都営住宅で実施している買い物弱者支援の為の移動販売サービスについて
質問に際しては、大田区で住宅困難者の支援にご尽力頂いている居住支援協議会の皆様より伺った現場の切実な声を交えて質問をさせて頂きました。
【誰をも拒まない住宅】住み慣れた地域で安心して暮らし続ける事ができる東京都の実現に向けて、取り組んで参ります❗️



◯住宅確保要配慮者の支援について
もり愛〉
東京都では、都の住宅政策を一層加速し、機動的に展開していく為に、一昨年、いくつかに分かれていた部を統合して、住宅政策本部を立ち上げ、住宅政策審議会による有識者・不動産事業者等の多様なステイクホルダーの参加も得ながら、都民の様々な住宅の課題に積極的に取り組んで頂いております。
私も日々、多くの都民の皆様のご相談を伺う中で、高齢者、障がい者、子育て世帯等、住宅の確保がとても難しい現状があり、誰もが安心して暮らし続ける事が出来る住宅の確保は喫緊の課題です。
そこで、住宅確保要配慮者の支援について、何点か質問をさせて頂きます。

東京都では、住宅確保要配慮者の入居を拒まないセーフティネット住宅に、
「東京ささエール住宅」という愛称をつけて、住まい探しにお困りの低所得者、被災者、高齢者、障がい者、子育て世帯等の方々の住宅確保を支援する制度として期待されます。
近年増えている空き家を活用して要配慮者の支援に繋げる、意義のある制度であり、ぜひ活用が図られるべきだと考えます。
東京都では、3万戸という登録目標を定め、様々な取り組みを進めており、この制度が出来てから約3年が経過しました。
Q1,まず、これまでの実績を確認する為、「東京ささエール住宅」の登録戸数の推移について伺います。

A, 東京都住宅政策本部〉東京ささエール住宅は、平成29年10月から登録開始しました。登録戸数は、平成30年度末時点で296戸、令和元年末時点で2,240戸でございます。

もり愛〉昨年度だけで、約2000戸も増えた事は、評価できます。
しかし、目標の3万戸までは道半ばです。
登録に当たっては、様々な課題がある事も、承知しています。
登録が進まない理由として、そもそも家を貸す大家さんに制度が知られていないという点、高齢者の入居に不安を感じていると云った声も聞きます。
東京都は、こうした声にどの様に対応し取り組みを進めてきたのか、
Q2 東京ささエール住宅の登録促進に向けた昨年度の取り組みについて伺います。

A2,住宅政策本部〉 ・東京ささエール住宅の登録促進に向け、昨年度は貸主の不安軽減や制度の認知度向上を図る為の取り組みを実施しました。
具体的には、小額短期保険等の保険料や、見守りサービスを提供する居住支援法人に対する補助を開始した。
また、都独自に「東京ささエール住宅」という愛称を設定するなど、工夫をこらした広報を展開した。福祉団体や居住支援法人等と連携し、住宅確保要配慮者に向けた情報発信を強化した。
こうした取り組みの結果、東京ささエール住宅の登録戸数は着実に増加している。

もり愛〉登録の促進には、制度の認知度の向上や大家さんの不安を減らす為の取り組みも課題となっており、東京都が独自の愛称による周知の取り組みや、小額短期保険等の保険料、見守りサービスで大家さんの負担軽減に力を入れて取り組んでいる事を確認させて頂きました。

都内には約80万戸の空き家があると云われ、地元大田区内にも空き家の数は6万戸とも試算され、その活用が望まれますが、改正セーフティネット法での、住宅確保要配慮者住宅に登録できるのは、消防法の基準をクリアしていなければならないので、実際にはあまり有効な物件が出てこないという実情もあります。

「東京ささエール住宅」が、より広く活用され、都民の居住の安定が確保されるよう、都として、よりハードとソフト面での支援拡充により、これからも更なる登録促進に繋がる様お願いします

登録促進と共に、今後は、要配慮者とのマッチングが重要になってきます。
マッチングにおいて、地域に根差した支援を行う区市町村の役割が重要です。
東京都は、こうした区市町村をしっかりとバックアップする責務があると考えます。
Q3, そこで、昨年度の区市町村居住支援協議会の設立促進や活動支援の取り組みについて伺います。

A3,住宅政策本部〉 要配慮者の居住の安定の為には、入居あっせん等の取り組みを行う区市町村の役割が重要です。
・このため、都は居住支援協議会を設置し、区市町村に対し、居住支援協議会の設立事例等の情報提供や経費の補助を実施。
・また、不動産団体や福祉団体等と連携しながら、先進的な取り組み事例の紹介等を行うなど、区市町村居住支援協議会の設立促進と活動を支援している。
・こうした取り組みにより、昨年度は新たに7区市で居住支援協議会が設立された。
令和2年3月末現在では、21区市で設立済みである。

もり愛〉区市町村の居住支援協議会が、着実に設立されている事を確認いたしました。
昨年度は新たに7区市との事ですが、都内全体で見れば、まだ21区市にとどまっている現状があります。
また、身寄りのない方も困っているとの声が寄せられており、地元大田区の居住支援協議会では、緊急連絡先サービスをNPOと連携して開発し、補助を出しているとの事で、高齢の一人暮らしの身寄りのない高齢者、ホームレスから脱却した30代の男性など、大田区ですでに6件の実績があると伺いましたが、NPOの提供する緊急連絡先を拒む保障会社も未だ見受けられるとの事です

都内23区では、都営住宅の倍率が大変高く、誰をも拒まない賃貸物件の確保は喫緊の課題です
80歳以上の高齢者と精神障がい者の住宅確保が特に厳しいとの声、老朽化などの要因で、長く住んでいた住居を移転せざるを得ない高齢者が増えている現状もあります
コロナ禍にあり、失業者の増加など、住宅要配慮者の支援は待ったなしの状況があります。
引き続き、区市町村の協議会の設置が進むと共に、居住支援協議会の取り組みを支援して頂き、その活動が活性化し、要配慮者の方、それぞれの状況に適した住宅が確保されるよう、都としても積極的に取り組まれるよう強く要望します。

次に、都営住宅で実施している買い物弱者支援事業について伺います。

都営住宅では居住者の高齢化が進んでいる状況が顕著であり、日常の買い物が困難な買い物弱者への支援策として、移動販売サービスが期待されております。
Q1、令和元年度末時点での、実施状況について伺います。

A1、土屋経営改革担当〉
日常の買い物が困難な方々に対する支援策として、都営住宅で、地元区市や民間事業者と協力して、移動販売サービスを平成29年12月から開始しています。
事業開始以来、実施団地が毎年度拡大し、令和2年3月末実現在、港区・世田谷区、葛飾区、八王子市、町田市、多摩市の9団地、10箇所で実施しております。

もり愛〉令和2年3月末現在で、9団地、10カ所での実施との事ですが、
地元区市町村との協定が必要であり、区市との連携が欠かせません。
必要とする都民にサービスを届ける為に、より多くの自治体へ事業の実施を拡大する必要があります。
Q2, 東京都として、区市町へどの様に働きがけを行っているのか、伺います。

A2、土屋経営改革担当〉
都は、区市町が実施する買い物弱者支援事業と協力し、都営住宅の敷地内で移動販売サービスを提供しており、区市町が民間事業者を選定しております。
サービスを拡大するには、ホームページやSNSなどを活用した都民などへの事業の周知に加え、地元自治体への実施に向けた働きかけが必用
都では、区の住宅担当課町会等の場を活用して、実施事例の紹介や働きかけを行うと共に、導入を検討する自治体からの相談などに対応しております。

もり愛〉地元の方からも持病を患い買い物がとても困難であるとの要望をうけ、
昨年度の住宅政策審議会の審議の中でも、私も地元からの切実な声として、強く要望してきた取り組みでもあります。

都営住宅居住者の生活を支えると共に、コロナ禍で外出が制限される中、地域のコミュニティの活性化にも寄与し、
自治体においては、近隣の事業者や商店街との連携により住民サービスが提供されれば、地域経済の活性化にも寄与する事業となると考えます。
都営住宅での移動販売サービスが、団地住民のみならず、近隣自治体とのコミュニティや多世代共生を推進する事業として、ぜひより多くの区市町での事業化が進むよう要望致しまして、質問を終わります。

(地域での要望を受けて、東京都で制度化を実現しても、実施主体である大田区で事業化されなければ、必要とする区民に制度が届かない現状があります。
大田区での事業化に向けて、引き続き取り組んで参ります!)