【尾崎医師会長と小池都知事対談-新規陽性者131名現在重篤者は9名迄減少・正しく状況判断し第2波に備える】

 本日の新規陽性者数は131名、7月3日は124名、7月2日は107名と3日間連続で100名を超える新規陽性者数に、「第2波の到来では?」という衝撃的なマスコミ報道も見られる中、
実際に既に市中で第2波が起こっているのか?
今後の第2波に備える医療体制は?といった疑問に、東京都医師会尾崎会長と小池百合子都知事のオンライン対談が行われました。

 東京都のHPでは、新規陽性者数のみではなく、入院患者数・重篤者の数がリアルタイムに都民の皆様に分かる様、いち早く『新型コロナウィルス対策サイト』を立ち上げて、都民の皆様にご報告をさせて頂いております。
1日の感染者数が増えているものの、重篤者は9名まで減少しています。
夜の街のPCR検査を徹底している事により、数字は増えておりますが、10代・20代・30代で9割と若い方が多く、無症状・軽症の方が多いという実態を正しく判断せねば成りません。

現状を知り、今後の都の対策と、都民一人ひとりに感染拡大と医療崩壊を防ぐために何が求められているか、ぜひ動画もご覧いただければ幸いです。

以下、対談より↓
小池百合子都知事】昨日今日と、連日新規感染者数が100名を超えている。
新宿のPCR検査センターに140名の長蛇の列が出来た。逆に、多くの方に検査を受けて頂いている状況があり、これは、事業者の勧奨によって、多くの方に集団検査を受けて頂いている背景があり、数字が上がっている事もあげられる。
『夜の街』といっても、ガイドラインを守って、しっかりと対応して頂いているお店もある。
新規感染者数の数字のみをみて、語る事は出来ないが、
昨日は107名、本日は124名、と100名を超えている状況があります。

尾崎会長】2日間で100名を超えたという事は、伸びが大きいとの印象を受けるが、
6月18日に、休業要請も含めてすべて解除された。若い方を中心に、だいぶ活動範囲が広がって、人の流れが激しくなったのが2週間前。
それ以前にも、休業要請に従わずに営業している店舗からクラスターが発生していた。

最初は、驚きもあったが、
感染者の7割が20代30代、そして、若い方が多く無症状の方も多い。

数のみを見ると100名以上といっても、その中身は、ちょっと異なる。5月の感染者の増加とは次元が異なる為、マスコミが驚いて騒いでいるのと、現状は異なる。

小池都知事】
年代が、10代、20代、30代、が124名中、101名が若い方であり、殆どが無症状。
無症状で、どんどん感染を広げるよりは、軽症者であっても、宿泊療養施設などをご利用いただき、10日間程度我慢して頂く事で、市中感染を防ぐことが出来る。
課題として、院内感染の関係で、お年を召した方、高齢者施設でのクラスターの発生と、
124名中58名が夜の街関係。中々、行動履歴についてお話をされないので、調査中となってしまう。様々なケースがあり、プライバシーからお話しいただけない場合もある。

多くの方が、積極的か、濃厚接触者か、徹底的に調査を行っている。

お客さんの方も、夜の街が再開された事により、接待を伴うお店の従業員もお客さんの感染。
家族での会食での感染。家族の楽しい時間でコロナが感染してしまうなんて、本当に悲しい。
2か月振りに100名を超えた事により「感染拡大要注意」という状況にある。

尾崎会長】その通り【要注意】だが、漠然と注意するのではなく、
満員電車であっても、マスクをして騒がない事により感染は報告されていない。
やはり、マスクを外して飲み食いしながら、大声で話す、回し飲みをするといった
限られた場所でしか、特にアルコールが入る等、そういう空間において感染が広がっているという事に、注意しなければならない。

やはり、まだまだ、重点的に注意を行わねばならない事について、要注意

小池都知事】言葉を選ばねばならない。都民の皆様と事業者の皆様のご協力が得られなければ、
ステイホーム週間、ソーシャルディスタンス
カタカナを使いすぎだと、ご批判されることも多いが、子ども達にもソーシャルディスタンスに気を付けようと、会話に出るほどに浸透している。
一人ひとりの力、ご協力に心から感謝をしている。

毎日3100件の検査を行っている。国立、民間を合わせて、一日1万件検査を実施していく事で準備を進めている。
厚生労働省と、医療体制の確保について協議をしている
10万人当たり2,5人、一日当たり50名を目安に、休業要請を出すことが目安となっているが、かつての国が示した「37,5℃以上が4日間続かなければ検査を受けられない」という状況とは異なる。
これから、更に検査を増やしていく状況においては、50名という数のみの上限を定める事はディスインセンティブになってしまう恐れがある。

放っておいて、重篤化をさせる事があってはならない。早い段階での検査が必要

尾崎会長】最初の方は、風邪がなかなか治らない。と、長い経過の方が多かったが、
早めに見つけて、重症化するまで時間があるので、早く受診して、療養施設などで様子を見る事が重要。早めにPCR検査を行い、早く
最初は、風邪がこじれた程度の方が、肺炎を起こして重篤化していった。
今の様に、PCR検査が充実してくると、重篤化する前に管理下に置けるという事が大切である。
夜の街の状況、いまは、かなり積極的に検査を行って頂いているが、更に重点的に検査を行っていく事が必要だと考える。

都知事】各区の医師会の先生方にご協力を頂きながら、PCR検査センターを設置して頂き、検査を出来るだけ早期に受けて頂く体制を整えている。

尾崎会長】唾液の検査も認められるようになった。東京都と集合契約で、PCR検査と共に、各診療所で、唾液検査を行い、2つの方法で、更に検査を拡充していきたいと考えている。

抗原検査の場合は、縛りがあるが、PCR検査については、時期的な
唾液検査の場合は、出やすい時期もあるが、そんなに検査によるそん色はない。

検査費用
都知事】一回2万円、北京では、一般に300万人の検査を行うと聞いている。

これまでは、休業要請を出す為のモニタリング指標を、特措法にも従いながら、ステップを定めて、業界団体も細かく分けて、休業要請を出すかどうかの目安、解除する目安として使ってきた。
猪口先生をトップに、専門家の先生がたと、今回新たなモニタリングをお創り頂いた。
まず、感染状況がどうなっているのか、新規の陽性者はどうか、その中で不明の調査がどこまで行っているか、調査、市中の感染率はどの位なのか、♯7119が一日何件あったか。が、新しいモニタリングに追加され、感染状況がどれだけ高まっているかを見る目安。
医療提供体制がどれだけ整っているか。
病床数、重症者数、救急車の東京ルールが守られているかにより、医療が守られているかを見る。

第2波、ウィズコロナの時代において、どの様に第二はに備えていくか。

2つを色分けして頂いて、警戒の赤、橙、注意は黄色、大丈夫は緑。
大分わかりやすくなった。
まだまだ試行段階だが、改善点があれば、先生から是非ご意見を頂きたい。

尾崎会長】まず、新規感染者数の数字に振り回されない。
多面的に評価をして、それを定期的にチェックして進めていくのは、大変理にかなっている。
医療提供体制が、どの様な状況にあるかの目安となる

東京都のHPに、重症者が何人か、つねに分かりやすく情報提供が行われているが、それをすべて水に、重症者が公表されていないなど、マスコミがちゃんと都の情報を見ていない
都知事】重傷者が9名迄減少している事は、とても良かった。
重傷者から、亡くなった方が、かなり減少してきている。

国によっては、感染者の数ではなく、死者の数が、大変多い国もある。

新しいモニタリングを、より分かりやすく、プロフェッショナルの先生方は、より多くの数字があった方が、判断しやすいという事で、新しいモニタリングをまとめて頂いた。

これからも、医療崩壊リスクを下げる事が重要。医療提供体制を整えて、感染者を支えて、医療崩壊を防ぐことが一番重要である。
東京都は、医療崩壊を起こさないという強い想いで体制を整えている

尾崎会長】多面的な指標が出来た。
救急車を呼ぶ状況などから、市中の感染が広がっている現場の状況を正しく把握する。高齢者、介護関係、医療関係そうした所に感染が入っていく事が非常に問題であり、注意深く見ながら対策をとっていく事が重要。

今の感染者は、若い方が中心であり、重症者が10名を割るところまで減少しており

2週間では1400名になってしまうと、軽症者がおおいといっても、 宿泊療養施設など、受け皿を十分に増やしていく事が、今後必要になる。
対応して頂いている所で、しっかりと感染予防を徹底する事で、2週間後には、少しづつ数字がまた減ってくれば、危機を避ける事が出来る

小池都知事】
宿泊療養は、ホテルを一棟借り切って、病院の別途ではなく、ホテルで一定期間過ごして頂く。病院の代替施設としては認められず、法律的な問題、実際のナースの方、病院の先生方にもご協力を頂きながら、2800床を確保した。
様々な工夫をしながら、感染症の患者さんに利用して頂く事で、奇数階と偶数階を分けて、部屋の除菌を徹底する、Wi-Fiの完備など、様々な利用者のニーズに応えながら、
若い軽症者の方ですので、外に出る事の無い様に、最新の注意を払い、体制を整えて、対応している所です。
病床を確保するのとはまた別に、ホテル業界の方に、大変ご協力を頂いている。

尾崎会長】宿泊療養という流れが出来て、病院のベットが軽症者により圧迫される事がない様に、解消された事はとても、良かった。

小池都知事】コロナの患者さんを、多く受け入れて頂いた病院ほど、赤字が膨らんでいるという声を医療従事者の皆様からも受け取っている。
国の補正予算とも合わせて、第二波の受け入れ体制を整えていく。

尾崎会長】秋に大きな波が来るであろうとも言われている。それが、早めに来ている。
また、病床を増やさねばならないというと、メンタル面でも厳しい。
経営が厳しい医療機関ではボーナスがカットされたり、経済面でもメンタル面でも、医療従事者が、かなり落ち込んでいる現需要があり、東京都からも、しっかりサポートして頂き支えて頂きたい、

小池都知事】医療従事者の皆様への特殊勤務手当を、新型コロナに対応して頂いた医療機関を東京都が支援していく。都立や、後者病院となると、法律も含めて対応せねばならない。

また、中々家に帰れない。家族に感染させるリスクがあり帰れないといった、様々な声も伺った中で、医療従事者の皆様への宿泊費助成制度。
1億8000万円を確保して、医療従事者の皆様が、新型コロナの治療に当たって頂けるよう、
現場の皆様を支援していく。

感染症の医療体制はどの様になっているか

尾崎会長】がん、心臓病、脳卒中といった疾患が、普段は注目されているが、
平時ではない、感染症が蔓延してくる状況において、感染症のドクターはとても頼りになる。
しかし、平時から感染症専門医が確保されているかというと、平時においては足りていない現状もある。CDCに繋がって、必要となる。

小池百合子都知事】アメリカのCDCでは、全米で2万人規模のCDC 
日本には国立感染症センターがあるが、東京都版感染症対策センターの機能を整えていく。
国と連携しながら、東京都版CDC, 感染症、パンデミックに備えて、いざという時に、臨床と一体となって機能する組織体を築いていきたい。
箱を作るのではない。組織として繋がっていく、ネットワークを作っていく。
いざという時に、いかに情報を共有していくかがとても重要

尾崎会長】経済面でもしっかり対応していかねばならない。病気を治すだけではなく
隔離政策が求められる時に、経済面ではどの様な対策が求められるか。
多方面の方が協力し合ってかじ取りをしていく必要がある。
経済は経済、医療は医療と、間を取り持つような社会科学的な人材はいない。
総合した形で、首都の感染症に、いろいろな意味で対応できる組織が必要なのではないか。

小池百合子都知事】東京版CDC,箱モノを作るのではなく、東京都が有している医学研究所、渋沢栄一が創った長寿医療センター、いろいろな形で動いているチームが、役割を果たす、組織を作っていきたい。

これから、毎日100名単位で、陽性者数が出ている。
今日も、豊島区長と、夜の街関連の要請者が出ている課題に、池袋の街としても、
夜の街関係の、ホストの皆さんにもPCR検査を受けて頂く体制を、東京都としても支援をしていくお話をさせて頂いた。
検査を徹底していく事により、陽性者が増えざるを得ない。しかし、それはむしろいい事ではないか。

尾崎会長】陽性者数が増える事に騒ぐのではなく、陽性者数を早めに見つける事が、感染拡大を防ぐことに繋がる、感染している方=広がるという事ではなく、早期に検査を行い、隔離をしていく事によって、市中感染を防いでいく。
どういう段階での方々を、感染しているという事を早期に把握することが重要。

数が増える増えないという話ではなく、そういうことを冷静に考えて頂きたい。
どのように先手を打って、対処を行っていくか。
自粛―人と人の流れを防いで、唾液が飛び交う事が
マスクに有効性があるという事が分かって来た。こういう事を気を付けましょうという

全て自粛しましょうではなく、こういう危険なところは自粛しましょう、と、メリハリのある対策をとっていく事が重要。

小池都知事】今、1000床病床を確保している、次に3000床を確保し、4000床迄
防潮堤の縦鼻を備えながら、陽性者の数が増えたとしても、宿泊療養を含めて対策をしていく。医療従事者の皆様のご協力は無ければ進まない。
地域医師会の皆様と共に、行って頂いている各区のPCR検査センターにも今後ご協力を頂きながら、検査体制を更に拡充していく。