【東京都議会環境建設委員会報告】化学物質適正化方針改定-環境を守る為の水害対策強化を

所管である東京都議会環境建設委員会が開催され、令和2年度第2回定例会において常任委員会に付託された
環境局関係】第113号議案 一般会計補正予算、
第132号議案 都民の健康と安全を確保する環境に関する条例の一部を改訂する条例
報告事項 化学物質適正管理指針の改定の方向性について、会派を代表して質疑を致しました。

建設局関係】契約議案調査2件、付託議案3件について、質疑が行われました。

町工場が住宅と近接している大田区において、水害ハザードマップを見ても、工場の多い多摩川・六郷・工事や羽田、臨海部にある島など、化学物質を流出させない為の水害対策はとても重要です。
会派を代表してもり愛が、「化学物質適正化管理方針の改正の方向性について」質疑をさせて頂きました。

もり愛〉「化学物質適正管理指針の改定について」伺います。
現在、東京では、新型コロナウィルス感染症の拡大防止と社会経済活動が両立した『新しい日常』に向け、今月1日に「新型コロナウィルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」におけるステップ2に移行しました。しかし、今後懸念される第2波に備え、警戒を続ける事が必要です。
一方、こうした状況下においても、地震や集中豪雨などの自然災害は待ってはくれません。
 昨年、台風19号が上陸した際には、記録的な大雨により、都内でも甚大な被害を引き起こしました。私の地元、大田区においても、内水反乱により600件を超える浸水被害が発生しました。近年、台風の大型化等により、浸水被害も頻繁に発生する様になっており、
化学物質を取り扱う事業者に水害対策を促す事は重要な取組です。

 近年の水害では、佐賀県での油流出事故が大きく報道されましたが、有害物質については、どの様な流出事故が発生しているのか伺います。

A、環境改善技術担当部長〉
 国や自治体の公表資料等によると、昨年の台風19号では、福島県や長野県のメッキ屋上等において、設備の水没等によりシアン化合物が流出する事故が発生しました。
また、福島県の化学工場で、トリクロロエチレン等の有機溶剤が入ったドラム缶や一斗缶が架線に流失した事例もあります。
 平成30年7月豪雨、いわゆる西日本豪雨では、硫酸が貯蔵タンクごと流出したり、保管していた水酸化カリウムが雨水の侵入で溶け出し、敷地外に流出するなど複数の流出事故を確認しています。
もり愛〉
近年他県においては、豪雨による水害により、様々な有害物質の流出事故が発生しているとのご報告を頂きました。
 今回水害等への対応としては、ハザードマップの参照、被害想定に応じた対策の実施、タイムラインの整備を指針に追加するとの説明がありありました。
 また、一部の事業者は、区市への届け出が必要となるとの事でしたが、今後、指針の改定により、化学物質を取り扱う事業者は、どの様な対応が必要となるのか伺います。

A,環境改善技術担当部長〉
 化学物質適正管理指針の改定により、都内で化学物質を取り扱う事業者は、改定後の指針に基づき、水害等に備える事が必要となります。
 具体的には、地域のハザードマップで、浸水等が想定される事業所は、化学物質の流出防止策等を検討すると共に、水害に備えた対応等を示したタイムラインを作成する事となります。
また、浸水等が想定される地域の事業者のうち、特に管理が必要な化学物質を一定規模以上取り扱い、従業員数が一定規模以上のものは、化学物質を適正に管理する為の方法書に水害対策を追加し、区市等に変更届を提出する事となります。

もり愛〉今後の指針改定により、一定規模以上の事業所が化学物質を適正に管理する為の方法書を変更した場合、区市への届け出が必要となるとの事ですが、事業者が円滑に水害対策を実施する為には、事業者と共に、区市の担当者にも水害対策に関する十分な知識が必要です。
そこで都は、事業者に加えて区市町村の担当者に対しても、水害対策に関する技術支援を行うべきであると考えますが、見解をお伺いいたします。

A,環境改善技術担当部長〉
 化学物質を取り扱う事業者が、方法書に適切な水害対策を盛り込むためには、事業者のみならず、方法書の受理事務棟を担う区市の防災知識の向上が必要です。
 その為都は、水害対策をわかりやすく解説した水害対策マニュアルを作成し、区市にも配布する予定です。
また、水害対策に関する知識やノウハウを習得する機会を提供する為に、新型コロナウィルス感染症による自粛要請の状況等に配慮しつつ、事業者や串野担当者を対象とした専門家等による技術セミナーの開催を検討しています。
 今後、化学物質を取り扱う工場等で、実効性のある水害対策が導入できるよう、事業者や区市の対応を支援して参ります。

もり愛〉ありがとうございます。今後、化学物質を取り扱う事業者が、実効性のある水害対策を導入できるよう、事業者だけでなく、区市に対してもしっかりと技術支援を行って頂くよう要望致しまして、質問を終わります。