昨日は東京都の予算大綱が発表され、
10時 政調会議、11時 会派役員会、11:30環境建設部会、12時新年度予算大綱説明会
12:30会派総会、14時~厚生部会主催勉強会と、分刻みで学びの多い一日。
いよいよ、今年度予算策定に向けて、第一回定例会の準備・部会ごとに代表質問を議論します。
厚生部会主催勉強会では、外部講師をお招きして、都政で取り組むべき課題について、日々現場で課題に向き合っている先生方より課題と現状を伺いました。
 
【これからの時代に求められる認知症対策について】医療介護専門コンサル木村誠さま
【超高齢社化時代における在宅医療の現状と課題】在宅専門医・在宅専門クリニック「悠飛会」理事長・佐々木淳 先生
③【ひとり親家庭を巡る課題について】しんぐるまざあずふぉーらむ 赤石ちえ子さま
 
  私自身、母方の祖母は在宅介護で、訪問診療の先生方に大変お世話になりました。しかし、訪問介護の支援を受けていても、叔母は仕事を辞めて介護に専念しなければならない、家族のサポートの重要性も感じ、今後高齢独居世帯が増える中で、いかに地域全体で支えていく事が出来るか、地域包括ケアシステムの構築が急務です。
 
また、高齢者が内科・整形外科、と臓器ごとに多くの診療科にかかっている事で多剤投与となる状況は、実際に私の祖母も、カリウムの制限や血圧の薬等、多くの薬を飲んでボーっとしていた状態が、訪問診療の先生にカリウムの制限も必要無いと云われ、薬を減らしたことで、意識がはっきりとして認知機能が向上した経験があります。
 
臓器の専門医が多く、在宅医療を支える総合診療医が日本にはまだ少ないとの指摘に、人としてのQOLの向上を主眼にした、高齢者ケアの重要性を実感します。

まだ娘がおなかにいた際、「ひ孫に会いたいねぇ」ととても喜んでくれた祖母。
ひ孫を見てもらう事は叶いませんでしたが、
最期の日・最期の瞬間まで一緒に居られたこと。ベットの横で祖母が大好きだった坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」を歌いながら、眠る様に息を引き取った祖母。深夜にも関わらず直ぐに駆けつけて頂いた訪問看護師さん。
指導してもらいながら、家族みんなでお別れのケアをさせてもらった事。
看取りがこんなにも愛に満ちた対話の時間なのだと、立ち会う事が出来て本当に良かったと思います。
 
歳をとれば、物忘れが多くなるのは当たり前の事。6人に一人が認知症になると云われる中、
認知症になっても地域で安心して暮らせる地域づくりに向けて、そして、「病院で死ぬことが当たり前」なのでは無くて、超高齢社会・多死時代を迎える日本・東京において、医療費の削減として医療サービスを削ったり負担増を強いるのではなく、
いつまでも地域で元気に暮らしてもらえる、フレイル予防の推進と、高齢者の入院がいかにリスクが高いか、治療から地域ケアへ。
一人の人間の人生の最期の時間に幸せを実感できる介護・医療体制とは何か、
行政と地域がいかに連携して支える地域ネットワークを構築していくべきか、多くの示唆を頂きました。
先生方 貴重な機会をありがとうございした!



「これからの時代に求められる認知症対策について」医療介護専門コンサル木村誠さま
【 認知症サポーター養成講座 】
介護施設の介護職として、ファイナンシャルプランナー
 

団塊の世代が一斉に後期高齢者75歳を迎える【2025問題】
介護が必要なのに、見る介護者が居ない。
NHKの統計だと、介護を苦にした介護心中が月に2件起こっている。
 
認知症サポーターに期待される事。


認知症のイメージは?
・言葉が通じない・暴力・便を壁に塗る?・怖い・俳諧
 
認知症の方は解っている?
80代女性、入居者の方。いつも強く机をたたいている。
言葉が通じないと思っていたが、部屋に日記が残されていた。
「頭がぼんやりして何が何だか分からない」ご本人も不安と恐怖。
 
【認知症】という言葉に惑わされないで、普通の人として見て欲しい。
 
認知症は治ると思いますか?予防できると思いますか?
「認知症の定義」認知症という一つの病気があるわけではない。
 
いったん成熟した脳組織⇒何らかの原因により損傷され⇒
原因は様々、原因の予防は出来るが、認知症自体の予防は難しい。
 
様々な機能は衰えると云われるが、感情は最後まで残る。
BPSD(行動心理症状)問題行動は、
「認知症」だからこそ起こるのではなく、「人間」だからこそ起きるもの。
 
「認知症サポーター養成講座」受講者は増えていても、活用が為されていないとの声もあるが、認知症の事を地域で理解してくれる方が、地域に一人ひとり増やしていく事で、変わっていく事もあるのではないか。
 
密接なコミュニティの中に、既に認知症の方が増えている。
その方が、ちゃんと医療や介護サービスに繋がっているのか。
認知症サポーターが先ずは、地域に増えて行けばよいという思いもあるが、
地域によっては、相模原市のみまもりネットワークを渋谷でも導入(行政主体)。
各地の先進事例を、うまく取り入れていく。
行政のしがらみも感じる中で、民間主導でスムーズだったりもする。
⇒大田区においては【おおたく見守りネットワーク みま~も】として、民間から地域ネットワークの輪が生まれ、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでいます。
 
「超高齢時代における在宅医療の現状と課題」佐々木淳先生・在宅医療専門クリニック
76名のドクターと共に、約5000名の患者さんに携わっている。
 

ドクターとナース2名がチームで在宅訪問に当たっている。
臓器の専門医が多い現状で、総合診療医として、精神科医、歯科衛生士、理学療法士、多職種連携で、チームで診療に当たる。
139台の車で、年間平均19000件の救急往診
 
「外来に係るなら専門医」として、整形外科・内科、80代のおばあちゃんに約50種類の薬が処方され、認知症もあった為、ポリファーマシーで意識障害となり救急車で搬送された、在宅に入った際5種類に減らした。
 
薬の数と転倒のリスク
薬が5種類以上に増えると、転倒のリスクが大きくなる。
 

◎臓器別主治医の弊害
心臓の専門医であっても、その方ひとりのかかりつけ医ではない。
→総合診療医は「全国で51名しか居ない」と云う現状。
 
年間777000回の救急搬送
高齢者の搬送が7倍に増えているが、後期高齢者の搬送は軽症。
休日夜間は、かかりつけ医とつながらず、119番。
 
「入院できれば一安心?」
肺炎と骨折により入院する方が多いが、入院により要介護度が平均1.7度上がってしまう。
◎高齢者は 入院がリスク
フレイルの高齢者は、入院すると介護度があがる
 

◎入院関連機能障害
環境変化による緊張・適応障害
入院一日で0.8年、加老してしまう。
◎再入院・退院を繰り返し、最後病院で亡くなる。(8割が病院で亡くなる国)
北欧などの福祉国家ほど、自宅での看取りが多い。日本は先進国最下位の現状。
 
◎多子時代・看取り難民
昨年は130万人、170万人がなくなる時代、30万人の見取りの場がなくなる。
最後まで自宅で看取る事ができる環境整備が求められる
 
日本の医療は、若者向けの医療。若い人の病気は治る。
高齢化に伴う疾病構造の変化。⇒求められているのは治療ではなくケア
予防と生活の継続が最も重要
 
◎在宅高齢者の背景要因
低栄養 筋肉量の減少
◎肺炎も骨折も、背景は同じ⇒
フレイルサイクル 食事量の低下→低栄養
 
◎高齢者の標準体型は、
中等度肥満の方が、長生き体系
◎歳と共に、少しづつ太るべき。⇒日本人の高齢者の6割がやせすぎである。
◎低栄養は脂肪のリスクが4倍に
◎食べる力は生きる力!
◎高齢者の口腔ケアニーズ
◎在宅で遭遇する口腔ケアが全く行き届いていない寝たきり患者
 
超高齢社会におけるニーズ
 
高齢者の自立支援
介護保険で筋トレさせようとしているが、筋肉ではない。
家族・友人・社会的資源が支えてくれる。ソーシャルキャピタルの重要性。
 
◎友人がいないと死亡率が2
術後の生存率を左右するのは医師の腕以上に、友人の有無
 
◎独居は孤立とは違う。
独居でも死亡率は変わらないが、独居でも孤食だと死亡リスクは上がる
◎「いきがい」が人を活かす
◎「要介護」を防ぐのは、「いきがい」認知症の進行も抑制する。
 

【社会とのつながりが寿命を決める】
◎最大の課題は「孤立」新しい家族関係。多世代交流・地域の輪
 
◎入院は減らせる
一泊平均29800円 在宅医療導入前は平均42日だったのが、年間平均10.7日に減少。
 

特養にこそ在宅医療】
特養に在宅医療が入るだけで、入院日数が圧倒的に減り、95%が在宅で亡くなる
 
在宅医療は総合診療 ひと 生活・人生を診る
 
在宅医療は予防・救急医療
悪化を防ぎ、社会参加を支援する
24時間対応で救急搬送・入院
在宅医療はインフラ 質と量の担保を
岡本議員〉在宅医を増やすのは?
先生〉本来は、かかりつけ医の仕事。多くの開業医はコストがかかり、やりたがらない。
外来診療だけでも十分忙しい。
開業医の高齢化が進んでいる。栃木では開業医の平均年齢が75歳。
 
これから先、高齢者が地域に帰ってくる。精神病の患者が地域に帰ってくる。そういった中で、開業医が地域医療の拠点として支える環境整備が必要。