昨日は都庁での本会議と部会を終えて大森医師会主催の勉強会へ。
社会活動家の湯浅誠さんより『こども食堂』をテーマに
【貧困問題の“これまで”と“これから”】【にぎわいづくり新】と題し、こどもを取り巻く現状と全国の事例も交えてお話を頂きました。

大田区で誕生した『こども食堂』の取り組みは全国に広がっています。
しかしそれは、こどもの貧困対策のみを目的としたものではありません。

人と人がふれあう、やさしくて、あったかい にぎわいを地域に創る→地域交流の促進
そのときに、お金やつながりがなく、にぎわいからはじかれる 子どもを作ってはならない→子どもの貧困対策
こども食堂には「地域交流拠点」×「子どもの貧困対策」という2つの側面があります。
 
私もこども食堂の必要性を訴え、東京都でも昨年より子ども食堂に取り組む自治体を支援する制度が出来ました。(大田区でも31年度より事業開始との事)
現場のボランティアの皆様からは行政の補助金申請の為に、多くの書類を提出せねばならない事が大きなハードルであると、使い勝手の悪さが指摘をされております。
 
また、蒲田のギリシャレストランスピローズで定休日におとな・こどもほっとネットで
「多文化共生こども食堂」を開催し、先日の大森西長生会(老人会)主催の「多世代交流こども食堂」に参加させて頂く中で、
独居高齢者の方が、普段ひとりで食事をしている現状。「一人で家にいるよりもスーパーのフードコートに出かける方がいい」と伺い、とても切なくなりました。
毎日、みんなでご飯が食べられる暖かな居場所が地域ごとに逢ったらよいのに!
孤食を無くしたい!
また私自身、産後一か月は家から出る事も出来ず、夜遅く帰る家族を待ち、幼子と過ごす毎日に、こども食堂だんだんさんに産後初めて伺った際、「抱っこしていてあげるから食べなさい」と頂いたお料理の暖かさに救われた思いがした事を思い出します
講演会後も、湯浅誠さんに交流会にご参加を頂き、大田区の児童館職員の方、大田区こどもの生活支援担当、大森医師会の先生方と意見交換をさせて頂きました。
 
行政のもつ公共施設・学校等は、子ども食堂に使わせてもらうにはハードルが高いとの現場で支援にあたる方からの声も聞かれる中、資金面だけではなく、行政の公共資源を公開して地域の交流拠点を作っていかれるか。
ボランティアの想いを繋ぐコーディネーター機能をどの様に配置する事が出来るか。
今後の東京都としての支援を考える上で、事例も含め多くの示唆を頂きました。
 
湯浅誠さん、大森医師会の先生方、意見交換させて頂いた参加者の皆様、貴重な機会をありがとうございました!

以下 ご講演メモ
〇『ものの豊かさよりも、心の豊かさを大切にする社会を目指す』という企業理念。
サッカー日本代表の岡田元監督 
サッカーのクラブチーム要件は、今治市に1万5千人収容できるスタジアムが必要。
ヨーロッパへ行くと、どんな小さな町にも人々が集う広場がある。
日本にはそういう場所が無い。今治の中でそういう場所を創りたい。と語る岡田さん。
 

〇全国に17000店舗あるファミリーマートの内、イートインスペースのある2500店舗でこども食堂を開催したい。とのファミマ社長の想い。
 
3つの事例は、どれも福祉ではなく、一般企業やスポーツ等の民間主導。
 
湯浅さんご自身の幼少期。兄が障がい者だったが、支援学校は遠くに通い、近所に友達がいない。車椅子のお兄ちゃんを置いて遊びに行くのは後ろめたい。
「どうしたら、車椅子のお兄ちゃんと一緒に遊べるか」を考えるようになる。
 
はじめは、お兄ちゃんを監督にした!が、見ているだけだと楽しそうじゃない。
 
車椅子の兄がバッターボックスに立ったら、3歩前に下手で投げる。
兄がバットを振ると、代打が走り出す!こどもは楽しむことに貪欲。
 
「賑わいを創るときに、はじかれる人が居たら楽しめない!」
 
大田区は、全国で初めて子ども食堂が生まれた特別な場所。「きまぐれ八百屋だんだん」
歯科衛生として、歯を通じて健康を考える中で、地元の副校長先生から聞いた
「一日の栄養をバナナ一本で過ごしていた子どもの話し」その時は、その子は養護施設に入り越してしまった。
 
貧困家庭だけを対象にすると、こどもは来づらい。
コンビニでも、ファミレスでも、子どもだけで行ける場所は地域でとても少ない現状
『子ども食堂』というネーミングには、子ども一人でも来てもいいんだよ!
という、誰でもどうぞ食堂。全国に35004000か所に増えた。
 
「地域交流拠点」×「子どもの貧困対策」
 
地域でこども食堂をやりたいと思っても、必ずしも子どもの貧困対策だけでは無い。という事を理解してもらう事が大切。

 子どもが小さいときは、ママ友もあるが、地域の高齢者と子ども達がつながる機会が無い。犬を飼うしかない。
声をかけると不審者扱いされてしまう。現状。
 
千葉県松戸市〉 ベトナム人の9歳の女の子がPTA会長さんに殺されてしまった。
マンション規約改定―「エレベーターの中で、知らない人に声をかけない様にしよう」
 
地域交流拠点 お寺でやっている「深川るんるん食堂」日曜日に毎週講和会をしても、お年寄りしか来ていなかったが、子ども食堂の日は、小さな子ども達がお寺を走り回る姿に涙が出る。昔はお寺はそういう場所だった。
 
一番大きい所は、山口県宇部市の「みんな食堂」お医者さんが主催で、350人集まる地域のお祭りの様になっている。
 
ちょっと言いづらいんだけど、みんなが「すみません」と言って肩身を狭くしてやって来て、「ありがとう」と言って帰っていく場だというイメージがあったが、そうでは無かった。
 
異年齢が、こどもの面倒を見てくれて、お母さん同士がおしゃべり出来る場所。
 
こども食堂が、こどもの貧困対策のみの目的であれば、無くなった方がいい場所だが、そうではない。こども達にとって「第三の場所」
すべての子どもが、歩いて行ける範囲に子ども食堂がある社会→小学校区に一つ欲しい!
2万1330校めざせ!やりたい人が、出来る環境整備
 
1位―沖縄県では、2小学校区に1個以上ある。2位―滋賀県、3位―東京、
4位―京都、5位―高知
 
いま、高知県では、尾崎知事が小学校区に30%子ども食堂にふるさと納税の予算や、地元サニーマーケットで牛乳一本に2
埼玉県の上田知事―小学校区すべてに子ども食堂を含むこどもの居場所を作っていく!と宣言。
ウェルシアが全国200か所でウェルカフェを開設し、薬局でカフェを作っている流れがある。
 
〈新たな疑問〉こども食堂は、こどもの貧困対策でない事は分かったが、じゃあ、こどもの地域交流拠点って?
 
13.9%、7人に一人のこどもが貧困と云われる日本。本当にそんなに貧困の子どもは居るか?
こどもの貧困には、2つある。
黄色信号〉
高齢者の場合・お世話になった人へのお葬式に行けない
申し訳ないけど、お香典の用意が出来ない。申し訳なく、情けなく、地域付き合い、親戚づきあいからも遠ざかってしまう。
認知症になったとしても、友人づきあいが無いので、気付いてもらえない。
赤信号〉↓
ゴミ処理も分からなくなり、ゴミ屋敷になってから行政が気付いても、対応は物凄く大変!
 
子どもの黄色信号〉
修学旅行に行けない。死ぬわけじゃない、進学にも影響しない。だから何だ?贅沢言うな!
と言われてしまう。半年かけて、事前学習がある。何か月かの期間、友達の輪に入れない。
赤信号〉
何かの拍子にいじめになる。問題を起こす。
 
赤信号になると、目立つ。絶対的貧困になると気付かれるが、黄色信号は周囲から気付かれない。
絶対的貧困 と 相対的貧困 じゃあ、なぜそんなに甘い基準なのか?
 
OECDが、各国の経済成長の促進を目的として、基準を定めている。
 
相対的貧困から見えるのは「社会的格差」
ある程度の格差は、世の中の発展のために必要だ。しかし、行き過ぎた格差は、社会の成長を阻害する。
 
適度な格差と行き過ぎた格差の境目はどこか→ 相対的貧困率 
各国の潜在的な将来的な経済成長の指標であり基準。
 
黄色信号(相対的貧困)と赤信号(絶対的貧困)においては、対応が異なる。
〇予防的            〇事後的
〇面的対応(地域づくり)    〇個別対応
個別的対応には向かない。→地域とのつながりづくり
青信号の顔して行かれる場所がいい。
誰が言ってもいい場所。だから、
子ども食堂には「黄信号」の子が行ける
〇住民対応             〇専門家介入
〇オープン(インクルーシブ)   〇個人情報管理
〇やりくり→民間向き    〇手間・ヒマ・カネ→行政向き
 
お金が無い・つながりが無い・自身が無い→自己肯定感が低くなる。
 
ボランティアの大学生との出逢い。
大学生とつながる事で、人生の選択肢・価値観がひろがる。
こどものスイッチを入れるのは、何が切っ掛けか分からない。だからこそ、子ども達に様々な経験をさせてあげたいと思う。同じ事を、自分の子どもだけではなく、地域の子ども達にもさせてあげる。
 
→続く