【NPO日本失語症協議会の皆さまと医療政策部会との意見交換会】
理解と支援が足りていない「失語症」に対して、都としてどの様な支援が求められるか。
大田区で健康福祉委員会に所属していた際「高次脳機能障がい」についても初めて耳にし、突然の事故等、誰もがいつ直面するか分からない障がいについて、理解を深める事が必要だと感じました。
「失語症」―脳卒中や脳腫瘍、事故による東部への外傷などで、脳の言語中枢が損傷する事により、話す事が困難になるものだと認識していたのですが、
話す事だけではなく、話す、聞く、読む、書くという言葉を操る事全般が難しくなってしまうと聞き、意思疎通が難しい事で、社会生活を営む事がとても困難であることを初めて知りました。
 
『失語症者向け意思疎通支援者養成カリキュラム』年間を通じて講習会を開催していく。
→東京都・八王子市が事業主体となり養成者支援事業(44名定員)の参加者を3月11日まで募集している。
なるべく、当事者のご家族を優先として、講習会に参加をして頂いている。
 
言葉の、コミュニケーションだけの支援だと思って参加されてきた。
身体介護の方法だと、脳卒中を原因とする当事者の方が多い中で、時には、車椅子からトイレの便座への移動支援も含めて、コミュニケーションだけではない、失語症の方の生活そのものを支える視点を盛り込んだ、カリキュラムへの応募にして頂きたい。とのご家族からのご意見がありました。
厚労省の方に伝えても、それを入れて応募者数が減ってしまう事を懸念されているが、
中途半端な意識の方ではなく、本当に当事者と家族の支えになってくれる支援者を要請して頂きたい。
都〉ご本人の方の障がい特性を理解した上で、ご本人が気付いていない事も汲み取って、当事者の代弁者となる支援が求められる。
 
介護施設に居るSTさんは、トイレ介助も含めて生活全体をさせて下さるが、病院に居るSTさんは、コミュニケーション支援だけの方も居る。
外出支援の場合、タクシーに乗る乗り降り、病院に行く、行き帰りのエスカレーターを探す、トイレ支援、等、生活全般の支援についての理解を深めて欲しい。
 
都〉まだまだ支援事業も始まったばかりで、人材も足りていない。講師の間でも、どうやって教えたらよいか、そういった視点も踏まえて、講習会の内容も充実させてゆきたい。
 
単なる日常生活であれば、家族でも出来ても、裁判では、その方の人権を守る事に関しては、家族では守られない。何か事故があった場合でも、失語症の方は、その場で証明が出来ない為、一方的に加害者にされてしまう事もある。患者の人権を守る為にも、代弁となってもらえる役割はとても重要。
 
◎就労の問題、
50代の方、過去大工さんをしていた方が、就労で労働基準局へ行ったが、失語症の方は、モニターを見ても、理解が出来ない。応募も出来ない状況だった。
しかし、その方の特性を理解して頂いた事で、病院に就労する事が出来r他。
 
民間企業への就労の際、失語症の方は、言葉以外は元気だし理解も出来る。しかし、失語症の方のみ落ちてしまった。それは、仕事後の報告書を書くことが出来なかったため。
 
のどの具合が悪く、病院に行ったが、自分の病状を説明が出来ない。医師にも上手く伝わらぬまま、家族も分からず、それでも病状が改善されず大きな病院に行き喉頭がんが見つかったが手遅れとなり亡くなってしまった。
 
区の動き】ケアマネさんと家族の方が参加し、2年間養成講習会を開催している。区から講師料は出ないので、交通費のみのボランティアでやってもらっている状況。
 
都〉利用される方と、養成を受けた方のマッチングをどの様に行うか。
44名のみ養成講習を受けて頂いても、待っている方への派遣事業を行うとなれば、一部の方しか利用できない状況に成らないようにせねばならない。
 
買い物、患者会サロン、どこへ?
都の予算をかけるのであれば、患者サロン等であれば、会話パートナーとしてのボランティアさんで充分。自信をもってカリキュラムを作り、税金をかけて養成をしたのであれば、ちゃんと活きた活用をして頂きたい。
 
実体験として接している失語症の方は、本人が単独で外に出る事は不可能。通所に通っているが、全失語に近いので、本人の意思は理解してもらえない。一般のお年寄りと一緒なので、人権を無視されたり、理解してもらえない。失語症者専門のスキルを持った場所が必要。
家族、知人以外とは、会いたくない。本人の意思は保たれているが、
意思疎通支援者が、一体何をして下さるのか。家族が居れば、当事者は不自由を感じていない。しかし、当事者は家族の負担を減らす為に通所施設に通っているが、居心地の良い場所には成っていない。
友の会の家族の方とお話しすると、散歩に出るにしても、ヘルパーさんの様に、本人の状況を考えてお散歩して頂き、個人個人の身体の状況に合わせて、付き添いをして頂けたら。
 
夫婦間であれば、あうんの呼吸で、「あーあー」と指をさすだけで、何を求めているか、大体理解できる。しかし、一歩外へ出れば、理解してもらえない。
 
将来独居になる失語症当事者は、かなり多い。介護保険であれば、使える
失語症という認定は、小学生から、ご老人まで、すべての失語症の方に対応して頂ける意思疎通支援者を要請して頂きたい。
言語のコミュニケーションって、点数をつけづらい。失語症の方の程度は、1人ひとり程度が大きく異なる。
 
都〉養成の質の確保、事業を先ずスタートさせてから、当事者、支援者双方により良い方法に進めていく。都内にどれくらい失語症の方がいらっしゃるのか、正確な数字を都としても理解していない。
→高次脳機能障がいのデータの中に、あると思う。将来的には、支援者の検定・等級があるといい。
 
事例〉当事者の体験談。キャリアのある女性の方で、それまで商社に勤めていたが、2回の脳梗塞で、一度目は職場復帰したが、2度目かなり重い失語症。言葉以外に、右半身まひになってしまった。しかし、友人とフレンチを食べに行って友人とおしゃべりをしたい!という目標をもって、毎月友人と食事会を開く中で、改善していった。
 
社会の中で、失語症に関する理解が本当に少ない。医師も介護関係でも理解が無い。
回復期に、100日程度ですぐに出されてしまい、その後の行き場所が無い。
 
STさんの言語訓練 生活の為の言語訓練に成っていない場合もある。
当事者同士の 集団のダイナミクスで、互いに励ましあいながら、日常的に楽しみながら、
全国に27か所しかない。ディサービスで言語支援に特化したディは2か所しかない。
生きていくモチベーションになる
 
大田区内に病院は数多くあるが、病院を出た後の居場所が無い。
失語に理解のある、リハビリできる場があれば、とのお声を伺いました。
大田区では、さぽーとぴあにて第2木曜日 15時より 失語症カフェ事業を開催している。
 
当事者の方とご家族に寄り添う支援の在り方に向けて、医療政策部会として今後も当事者の皆さまと共に取り組んで参りたいです。