【平成31年第1回定例会初日の長い一日を振り返る】
2月20日、日付をまたいで21日午前2時。本会議が閉会を致しました。
築地市場跡地の有償所管替えを巡って、財政委員会の委員の皆さまは、連日深夜までの審議になっていたと伺っておりました。
本会議初日は通常11時より会派理事会、11時30より会派総会が開催され、13時より定例本会議が開会しますが、小池都知事に常任委員会で追求したい自民党を始め4会派と、本会議の代表質問・一般質問で充分に知事答弁を求められると考えた都民ファーストと公明党の意見の相違から、意見がまとまらず、
その上で、第一会派として、執行部の役員は各会派との意見調整、合意を得て議会を正常化させる作業において、とても時間を要している。と、控え室から伺っていました。
13時開会予定が、17時を過ぎると本会議が開会できない為、16時45分本会議開会、暫時休会、その後、本会議が再開したのは23時10分、
24時05分再再開を行い、天皇陛下御在位30年にあたり賀詞を奉呈することについて議決を行い、特別委員会開会の為休憩、24時30再々再開。知事施政方針が表明されました。
 
今定例会は、厚生委員会所管の「東京都子供への虐待の防止等に関する条例」等、重要条例と予算審議を行う極めて重要な本会議であります。
 
築地市場から豊洲市場への移転に伴い、築地跡地の土地を市場局の所管から、一般会計へ5600憶円で「有償所管替え」に関しては、会派内においても、都民に十分に理解頂ける納得のいく説明責任を果たす為には、どの様な活用が良いのか、築地まちづくりに関するプロジェクトチームを立ち上げて、財務局の皆さまとも意見交換を重ねて参りました。
その中で、本当に5600憶円が妥当なのか、市場局が当時無料で手に入れた土地を一般会計に移す段階でなぜこの様にお金が動くのか、最善の方法が何か、会派内でも様々な意見が出る中で、有償所管替えは他会派からも、都として市場会計を維持運営する上で必要な手法であり、市場に限定されていた築地市場跡地の今後の有効活用事にむけて、より自由度の高い一般会計に所管替えを行う事は、他会派からも求められてきた手法であると考えます。
 
しかし、そもそも論として、豊洲市場にお金が掛かりすぎている!

超高齢社会と人口減少時代を目前に、現在の計画においても市場機能が長期にわたって高い取扱量を維持できるのか、資金ショートまでの延命の様な計画では都民理解を得られない。

市場という役割には、ある意味民間では維持できないから公設で維持し、都民に新鮮で安価に食料を提供できるという役割は理解できます。

しかし、採算性を無視して6000憶円もの巨額な税金を豊洲市場につぎ込む計画を推し進めてきた歴代の知事とそれを支えてきた都議会にこそ、重い責任があり、
それを棚の上において小池知事批判を行う政争の具にするのでは無く、今後の築地まちづくりを都民にとって最善の判断で、出来るだけ子ども達の未来につけを残さない活用法を見出さねばならないと考えます。

そういった中で、知事に本会議・一般質問の場での質疑をして頂く事に対して、全く異論はありませんし、現に、本日代表質問を終えて、各会派より同じ質問が繰り返されるのを見るにつけ、
反対の為の反対ではなく、地元中央区の意向も踏まえて、築地の価値を最も高める今後の活用について、議会での前向きな質疑を望みます。
 

以下、「平成31年第一回都議会定例会 知事施政方針表明」 抜粋
 
1、はじめに(平成の30年を振り返る)
我が国にとって平成は、幾度かの大きな災害に見舞われながらも「人」の絆で一歩一歩、その苦難を乗り越えてきた時代。一方で、世界における日本のGDPシェアは、平成の初めにはアメリカに次ぎ15%前後を占めていたものの、今では世界第2位の座を中国に明け渡し、約6%にまで落ち込んでいます。我が国の経済は、国際的に「グローバル化」と「デジタル化」が進んだ時代において、バブル崩壊や金融危機の後遺症を引きずりながら、デフレの中であえぐ厳しい時期を延々と送って来た。
(人口減少社会における新たな成長モデルを描く)
現在我が国は、景気回復期のただなかにあるとされるが、海外動向も不透明さを増しており、経済の先行きは明るいものでは無い、加えて、東京には間もなく人口減少とさらなる高齢化という2重のうねりが着実に押し寄せてくる現実を直視しながら、次の時代に新たな成長モデルを描き推進してゆかねばならない。
その為には、女性も高齢者も障がいのある方も、誰もが活き活きと活躍できる、活力ある社会を創ると共に、時代を捉えた成長戦略を推し進める事で東京が多くの付加価値を生み出すことが肝心です。東京の活力増進が我が国全体の発展を促進するとの認識を改めて共有した。
国とも連携しながら、東京の国際競争力の強化や、日本経済全体のパイの拡大を図り、全国との共存共栄を為していく。子や孫の世代に世界に輝く東京を
2、未来志向で「新しい東京」を創る「東京大改革」に邁進
(持続的な発展の土台を固める3つの柱)
2020年を超えたその先の、東京・日本の持続的な発展、その土台を固めるべき本年は、
「都市力の強化」「稼ぐ東京」「人と人をつなぐ」の3点を柱に未来を見据えた施策を展開
(都市力の強化)
全国で相次ぐ地震への対策強化。災害級の猛暑や、気候変動に対し、脅威への備えを不断に固め、都市の力を高める事は、東京の持続可能な成長の大前提。都市の機能や能力の向上も含め、幅広く「都市力の強化」をすすめる。
(稼ぐ東京)
近い将来、人口減少やさらなる高齢化を迎え、国際的な都市間競争もし烈を極める中、東京は「稼ぐ力」を戦略的に高める為、東京の産業力の源泉である中小企業の活性化や、世界から投資を呼び込む成長戦略の展開など、「稼ぐ東京」に向けたセ策を積極的に講ずる。
 
(人と人をつなぐ)
東京の発展の原動力は「人」であり、あらゆる人が充分に力を発揮できる環境こそが東京の活力を持続的に向上させる。人と人をつなげ、多様な人々の活気であふれる成熟都市・東京を築く。
 
(3つのシティの実現に向けた政策の強化と、更なる未来を見据えて)
セーフシティ、ダイバーシティ、スマートシティの実現。
「3つのシティの実現に向けた政策の強化」「2020年に向けた実行プラン」
全国の中小企業の受注機会の拡大や、国産木材の活用など、全国との共存共栄。
都も率先して取り組んでいる「SDGs」の達成につながる事も分かりやすく明示した。
大義と共感にあふれる政策を精力的に推し進め、3つのシティの実現を着実に図っていく。
 
東京2020大会を来年に控えた今、その後の東京が歩むべき道のりについても、具体的に示していく段階をむかえ、2020年のその先の明るい未来を都民の皆さまと共に切り開く大きな方針として、新たな長期計画の検討を全庁で知恵を絞り年内を目とに進めます。
 
(未来に向けた道筋をつける予算)
3つのシティを実現する為の戦略的な施策や、東京2020大会の開催準備の総仕上げ。逢せて健全な財政基盤を堅持する視点から、平成31年度予算は、これまで以上にメリハリをつけた。
411件の新規事業を計上し、一般会計の規模は過去最大7兆4610億円。一方で、施策の見直しも徹底し、同じく過去最高となる1208件の事業評価の公表により、約900憶円の財源を確保した。
 
都議会、各種団体からの要望、都民・大学研究者の提案を反映し「未来に向けた道筋をつける予算」都の予算は、国の税制の見直しにより2021年度以降、毎年約8800憶円の減収が見込まれる、「不合理な措置」に対して断固たる反対を訴え、引き続き無駄の排除を徹底し持続的かつ戦略的な都政運営を図っていく。
 
(都庁の機能を不断に高める)
「2020改革プラン」に基づき、着実に進展している都政改革
「デジタル仕事改革」、上野動物園におけるQRコードを活用したキャッシュレス決済実証実験。
「見えるか改革」による分析を終え、自立的総合的な「政策評価」導入。
「成長戦略」「住宅政策」「青少年問題」について、新たな本部を設置するなど、執行体制を強化。引き続き全力で「東京大改革」に邁進していく。
 
3、虐待から子ども達を断固として守る
喫緊の課題として児童虐待の防止にたいして、子ども達の安全・安心の砦であるはずの家庭において後を絶たない虐待を断固防ぐ強い決意のもと「子どもへの虐待防止に関する条例」を提案。保護者による体罰を禁止し、都の責務として体罰に寄らない子育てを推進するとともに、虐待事案に的確に対応する為警察と必要な情報を共有する。
東京全体の児童相談体制の連携強化にむけ、区市町村との合同検討会を立ち上げる
こどもは、あらゆる場面において権利の主体として尊重されるべきかけがえのない存在。
その権利擁護と健やかな成長の為、対策を総合的に推進してゆく。
 
4、「都市力の強化」による安全・安心で魅力ある東京
(安全・安心な東京の実現)
「倒れない・燃えない」まちづくり。東京を地震に強い都市へと強靭化する為に、震災時の救援・復旧の生命線となる緊急輸送道路の沿道建築物について耐震性を着実に高める為
耐震化を推進する共励の改正 により耐震化を推進。「耐震改修促進計画」「防災都市づくり推進計画」「無電柱化推進計画」を改訂し、区市町村による施策の拡大や都内全体で無電柱化を推進。
 
(都民の安全確保に向けた取組の強化)
救急・救命体制の充実。「即応対処部隊(仮称)」を東京消防庁に新設。育休復帰しやすい環境を整える「ディタイム救急隊(仮称)」。抑止効果の高い自動通話録音機設置促進による特殊詐欺撲滅。町会自治会やy争点該当の防犯カメラ維持管理費支援の開始。
 
(都民の安全・安心な暮らしの為の住宅政策)
増加する空き家の連鎖的な活用、リフォーム住宅の魅力発信等、適正管理・有効活用・発生抑制の3つの視点。老朽化マンションについて新た場条例案
都営住宅の有効活用に向けて住宅審議会より中間の取りまとめにより、子育て世帯や高齢者への支援の充実等、住宅施策の充実に取り組む
 
(今こそ進めるべき気候変動対策)気候変動の脅威から命を守る取り組み
水害から守る調整池の整備、マイタイムラインの普及、区市町村立学校の屋内体育施設のエアコン設置の補正予算。リースによる設置や新たに給食室への設置等を支援。
 
(ゼロエミッション東京の実現を目指して)
気候変動による影響を緩和する為、ゼロエミッション東京をめざし、省エネ家電促進、中小企業に対するEV,PHV購入補助を個人と大企業に拡大。ゼロエミッションビーグルを2030年までに5割目標。
 
(道路・鉄道ネットワークの充実による都市力の強化)
新空港線蒲蒲線も含めた6路線の検討に要する調査費を計上。
 
(都立公園の魅力を高める)これまでにない公園の魅力を引き出す
 
5、持続的に成長し、日本経済を牽引する「稼ぐ東京」
(中小企業の目指すべき姿にむけて)
東京の産業の基盤を支える中小企業振興について「中小企業振興ビジョン」を策定。中小企業の目指すべき10年後の姿に向け、意欲的な数値目標のもと力強く施策を展開
 
(東京発の世界的なベンチャー企業を育てる)
幅広い層において創業への関心を高め、女性ベンチャー育成プログラム実施規模の拡大や女性系傾斜の活躍につなげる会議開催
 
(成長分野への投資で「稼ぐ力」を高める)
国際金融都市の実現に向けて フィンテックを手掛ける海外企業の誘致 年間15社目標
 
(「Society5.0」の実現を先導)
経済発展と社会的課題の解決を両立する新たな社会「Society5,0」を実現する。
デジタル地域通貨や、データ基盤の調査検討、我が国が目指すべき未来社会の実現に向けた取組
(様々な分野での農業の活性化)東京の農業の持続的は発展を図るべく「東京農業アカデミー(仮称)」を2020年度に開設。研修農場を整備し、新たな担い手の確保育成を推進。
 
(東京の新たな顔となる築地のまちづくり)
大いなるポテンシャルを生かし、東京の持続的な成長につなげるべき築地の再開発については、先月まちづくり方針の素案を公表。新たな東京ブランドを創出・発信する交流拠点の形成を謳い、旧築地市場の跡地については、東京全体としての価値の最大化を目指すまちづくりを見据え、外部の鑑定価格により行った収支試算を踏まえて、中央卸売市場から一般会計へと、公有財産規則に基づく有償所管替えを行う
 
6、「人と人を繋ぐ」事で築く、安心して生き生きと暮らせる東京
(高齢者・障がい者の暮らしの安心)
介護サービス基盤の整備、介護人材の確保等、認知症高齢者への対策、介護及び生活機能全般が衰えるフレイル予防に力を入れていく。
症状の初期から、適切なケアへと繋げる体制を構築。
障がい者の地域生活を支える取り組みー体制強化に取り組むグループホームを支援。
医療的ケアを必要とする児童・生徒の通学支援のための特別支援学校における看護師添乗のスクールバスの運行拡大。多様な取組を通じて、誰もが地域とのつながりの中で生き生きと暮らせつ社会を創り上げていく。
 
(意欲溢れる人の活躍に向けて)
「ソーシャルインクルージョン」の考え方のもと、すべての都民の就労を応援する新たな条例の制定に向けて。大木の高齢者の心豊かな生活を応援する「シニア・コミュニティ交流大会」開催。
 
(安心してこどもを産み育てられる街の実現)
妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援。来年度末までの待機児童解消を見据えて、量の確保と質の向上。認証保育所において、多様化する保護者の働き方を踏まえた夜間・休日の保育等、きめ細やかな施策展開。幼児教育の無償化については、都独自の支援策の充実。放課後の居場所となるこども教室の機能拡充、コーディネーターの配置、学校の敷地内への地域交流拠点の設置と云った取り組み。「Tokyoスクール・コミュニティ・プロジェクト」として、人と人の繋がりの中で子どもの学習や体験の幅を広げると共に、地域における高齢者の活躍推進につなげていく。
 
(新たな時代の働き方)
教員の働き方改革、ワークシェアリングの推進。教員の負担軽減と教育の質の向上
都立高校改革、教育内容の更なる充実。激動の社会を主体的・創造的に生き抜く子どもの力を育む、確固たる羅針盤と成る様「教育ビジョン(第4次)」を策定していく。
 
(「スムーズビズ」の推進による「東京モデル」確率)
多様な「人」の活躍につながる施策。テレワークや時差ビズ、新たなワークスタイルと、交通量の抑制・分散に向けた交通需要マネジメントの取組。
 
7、ラグビーワールドカップ2019と東京2020大会に向けて
(気運高まるラグビーワールドカップ2019)
日本代表戦や決勝戦のチケットが即日完売となるなど、大会金は着実に高まっています。パブリックビューイングや、東京のPRを行うファンゾーンを、区と多摩地域にそれぞれ設置。誰もが大会を楽しみ、盛り上げる場をつくっていく
 
(都市の深化につなげる東京2020大会の準備)
総仕上げとなる大会準備に力強く邁進!各競技場も順次竣工。大会の暑さ対策の実効性を高める。都内全62区市町村を巡る聖火リレールートの検討など多岐にわたる大会準備。
 
(誰もが快適に滞在し、スムーズに移動できる街の実現)
宿泊施設のバリアフリー「建築物バリアフリー条例」において、国を上回る基準を定めた。併せて、事業者への補助の拡充や相談員の派遣、施設のバリアフリー情報の発信強化などにより、車椅子を利用される方をはじめ、誰もが利用しやすい宿泊環境を、民間との連携の下で築いてゆく。
歩道の段差解消、鉄道駅におけるホームドアやエレベーターの設置、トイレの様式化と共に、
小さな子ともと安心して利用できる「子育て応援スペース」の導入。
 
(東京2020大会を成功へ導くための気運醸成)
8、多摩・島嶼地域の魅力と活力の向上
9、「東京大改革」の成果を積み重ねる
関東大震災からの復興事業を手掛けた、時の内務大臣・後藤新平は、
「東京は帝国の首都にして、国家政治の中心、国民文化の淵源」であり、とのべて現在の東京の骨格を形成した様々なじぎょうは、震災への備えの強化や、来るべき自動車社会への対応などお、先見性をもって東京の都市力を高めるものでした。
2020年のその先において、東京と日本が成長を続けていく礎を築くことが、いま私たちに課せられている使命。東京のあらゆる力の源である「人」を要諦とした都政を展開し「新しい東京」を築く「東京大改革」の成果を積み重ねて参ります。都議会の皆さま、都民の皆さまのご理解とご協力をお願い致します。