【大田区選出の女性議員と区民の意見交換会】
 日曜日の午前中は、長年大田区の子育て支援に携わる「おおた・ふぼれんネットワーク」主催の語る会に参加。
大田区の
①子どもと子育て家庭の現状と問題点
②子どもをめぐる育ちの環境
③年配者と若い世代との子育てに関する考え方の乖離
④私たち区民団体や議員にできること
というテーマについて、自分なりに都政での取り組み報告と都政で感じている課題等について、意見交換をさせて頂きました。

都議会は、区政に比べて区民に見え難く、
私も区議時代には権限と財源さえ移譲してくれれば中間自治体は要らない!とさえ思っていました。
しかし、先の定例会で決定した緊急時に避難所となる体育館へのエアコンの設置や、倒壊リスクのあるブロック塀の補修等、都が予算を付けることで、自治体の取り組みを推進させる役割は重要です。
また、子育て支援(ベビーシッター助成・産後ケア・在宅子育て支援事業)の充実や、子育て世代包括支援センターの推進、大田区でもこの5年以内に移管される児童相談所・一時保護の在り方に関する課題と、移管時に不足する児童福祉司の確保と育成については、都がしっかりと予算をつけて自治体の取り組みを支援せねばと感じます。
しかし、東京都で制度を作っても、 事業主体である大田区で事業化されなければ、大田区のママ・パパは、(例えば緊急待機児童対策として「ベビーシッター助成事業」)を使う事も出来ません!
都議会と区議会の一層の連携も必要だと感じています。
昨年度は、公営企業委員会に所属して、上下水道・バス地下鉄等の都民のインフラ整備に携わる中で、9月には日本初の「IWA世界水会議」が開催されました。蛇口から直接飲める世界に誇る水道技術力を、SDGsの視点から、安全な水にアクセスできない途上国への貢献に繋げる事を求める一方で、水道事業民営化は、国際社会の流れに逆行しています。
企業の利益に左右される事無く、都民の安全な水を守っていきたい。
また、先日の都議会文教委員会でも斎藤玲奈都議に質問をして頂いた、地域のお母さんからのSOS。
役所の窓口では、行政の管轄ではないと門戸を閉ざされてしまった「私立中学校における教師によるパワハラ問題」への対応。
区も都も、教育委員会で「私立の問題は所管外」では、保護者や子ども達は何処に救いを求めたら良いのか。
東京都として私学助成を強化している流れからも、私学における問題にも都としての対応を求めました。

「“すべての子ども達と学校の問題”に向き合う」責任はどこにあるのか。

「行政マンの視点では、大田区立さざなみ学校ですら視点に入っていなかった。」と、菅野さんより区議会文教委員会質疑の報告がありました。
 
志茂田で放課後のモデル事業を区が直営で実施するとの報告に、議会から「モデル事業の指針とは?」という質問に回答がない状況。

“教育の質”が問われる中、教育予算の多くは学校の耐震化や老朽化への対応に使われている。
【教育こそ、その国の未来をどのように描くかそのもの】であると考えます。

受け身で指示待ち。素直な子どもが多いと感じる近年。自ら考えて行動する「生きる力」を育む教育とは?と考えます。

また、今回の交流会では、区民サービスの向上と民間活用による経費削減として民営化や民間委託を進めてきた一方で、行政の予算規模は削減されるどころか、年々予算拡大で区民の負担は増えている。
マニュフェスト大賞に提案されていた「あしたの川西」でも、人口減少時代に突入する何を削減していくか、
もう一度「新しい公共」の考え方で区民と共に、(企業や区民に丸投げするのでは無く、区民主体の)自治体のあり方が問われていると感じました。

 ふぼれんネットワークの皆様、シェ・リュイさんの美味しいチーズケーキを囲んで、貴重な意見交換の機会をありがとうございました。
以下、懇談会メモより
一般参加〉これまで長年、主権者運動に携わって来た。
学校の先生が、「進学したいなら塾へ行け」という時代に変わってしまった。
 
子育てママ〉小学校1年生から補習授業がある事に衝撃を受けた。クラスの半分くらいが補修の子がいる。分からない子をそのままにして進んでいく授業の在り方。
中学受験で通る子どもを標準としているのか?
 
面談の中で「お母さんちゃんと子どもについて勉強を教えてくださいね」
 
菅野さん〉公立学校の中での子ども達の学力の差
 
大森八中での高校生との「ものづくり懇談会」
学歴よりも、学力。都立の蒲田高校で1割の生徒が掛け算と割り算が出来ない。という基礎学力における2極化が見られる。
 
大森学園高校も蒲田女子高も、近年は地域の子どもが進学してこない。
進学校を目指すゆえに、工業科をなくす方向性が残念。ものづくりに夢を持つ若者を育てる基盤づくり。
 
もり愛〉学びなおしできる場、学校が地域で無くなりつつある。定時制高校の減少
 
一般参加〉大学教育をどうするか、それすらが日本では確立していない。
フィンランドの教育が高いと云われるが、かつてはソ連の周辺国という立ち位置だった。
冷戦後、そこから新しい国を築いていく基盤として教育改革が行われた。
【自分の頭で考える教育をしなければ、国の未来を考えられる子どもは育たない。】
 
方法論のみを論じている日本
 
保育者さん〉世界の保育を看てきた中で、アジアの中では日本は進んでいるが、
ヨーロッパは、一人ひとりが、地域を担うの市民だという感覚を幼児期から持っている。
自分たちが動く事で社会が変わると思っている。
ところが、日本では市民性の意識が無い、自分が動けば社会が変わるという意識を持っていない事が投票率の低さにも表れている。
 
勉強できるかどうか、勉強学力のみ。
中学から高校に上がる段階で、学力で研究職にいくのか、自分が将来何になる為の学びなのか。
自分が無い 若者 自分が何が得意で、何をしたいか。
職業観を持った学び。
 
もり愛〉学校教育が、生きた教育、実社会とのつながりが実感できない。
 
保育者さん〉長時間労働で、5人に一人のママは19時まで学童保育を利用している。
保育園の中でのお母さんの意識。
おじいちゃんおばあちゃんが、遠方から毎日通っている現状もかいま見る。
お母さんお父さんに直接メッセージが通じていない現状。
 
一般参加〉国家と国民の豊かさ、
雇用機会均等法の改訂で、保育園の延長時間いっぱい利用しても仕事が終わらない現状。
学童はやろー組、やんちゃして遊びまわれる子どもは行けばいい場所。あわない子どもも居る現状。
 
「ジジババが孫の面倒を見るのが生きがい」に成ってはたまったもんじゃない!という思い。
海外には「生きがい」という言葉は無い。
 
多様な生き方を包括するような社会には、まだまだなって居ない。
 
菅野さん〉地域の中に、これまで地域の担い手であった自営業た商店が極端に減ってきている。
自治会町会の担い手の高齢化。
 
親子の居場所がなかなか無い中で、できる居場所。
若いお母さんたちが来る居場所。子ども達が成長して行っちゃうと、徐々に集まらなくなってしまう。
学校や保育園のリーダー軍。団塊の世代の園長・教員の教育力の変化。
 
仲の悪い子同士を仲良くさせようとして同じグループに入れる事で、クラスが逆にまとまらない。
学校長教育、園長教育―トップリーダーがどうあるべきか、という視点が無い。
集団を掌握する能力。
 
企業が取る人事―学力よりもコミュニケーション能力の高い人材を取りたがる企業。
発達障害のこどもは、研究職にとても向いている。
→企業の方が、行政よりも意識が先に行っている。
 
教員の不足に、予算が無くて対応できていない。臨時の先生がいれ替わり立ち代わりで学級がまとまりが無い現状があった。
 
奈須区議〉介護保険制度を日本に導入 おおくまゆきこさんー福祉の当事者の体験談
日本の社会保障制度はどうやって誕生し、何処へ向けって行くか。
80年代のプラザ合意により、社会の在り方は大きく変わった。
人を雇う株主、労働者、
人を雇ってお金儲けをする人の為の経済に変わってしまった。人口減少社会の中で、経済のパイは増えない。
中村修一さんの講義、「アベノミクスの医療」医療すらお金儲けの手段に変わってしまった。
株主の為の経済、民営化が進む。これまでは、大田区が借金して自前で建設してきたが、今はPFI民間資金の活用、出資者を募って区の仕事を貰って運営している。
利益率10%になっていると安倍総理は自慢しているが、
 
一般参加〉行財政改革に走ったが、生活が破綻した。削っていく
 
奈須区議〉羽田空港跡地 SPC 165憶、大田区がキャッシュで支払った。
本来は、大田区が福祉の為に詰めたてていた予算。地方分権で、これまで国が担ってきた福祉の予算を自治体が担うようになった。
平成19年の歳入は、住民税10%増税して、都区財政調整制度により、
 
無駄をなくすという事が良とされてきたが、自治の精神、自らが自らを。地域を担う。
人口減少社会の中で、区民自らも意識を変えて、あれが欲しいこれが欲しいではなくて、
マイナス要望をしていく。
民営化によって、住民の負担はどんどん増えて、大田区の予算も民営化を進めて効率化を図っていると云いながら、どんどん増加している現状がある。
 
区の状況、都の状況、
 
石原さん〉こども達が、自分たちが育った時代と変わってきているのを感じている。
親の育て方、今の子ども達がとても大変な時代。教育も時代の変化で覚える事が増えている
西野区政の時代、大田区が全部の児童館60館に4台づつPCを配った時代があったが、当時ネットには繋がっていなかった。活用の仕方にまで想定しておかないと無駄になりかねない。
子どもに自宅から水筒を持った来させてはいけない。午前のみという通達が来た。
現場をわかっていない行政的な通達。
 
大河内さん〉今教育の世界がダブルスタンダードになって居る。塾に行かなければ受験に受からない現状。4年生からやっていないと無理。受験のための勉強になってしまっている。
こどもは、学校の勉強と塾の勉強を別々の線路を走っている状況。
子ども達は、こちらから仕掛けてあげないと、受け身の子ども達。
品川区では、ものづごく外遊びに重点を置いている。NPOネットワーク団体、行政がNPOと一緒に運営している。広域自治体という意識で、多くの大田区の子どもも利用させてもらっている。子ども家庭支援センターの広場でも、大田区では住民票を提示しなければ利用できない。
 
菅野さん〉「市民団体が地域の中でどうあるべきなのか」
という勉強会は、正直大田区には無い。
様々な市民団体が、【どの様に地域を変えよう】と活動しているのか、という視点と行政との連携。
 
大田区から「公民連携」と云いながら、民間参入をすすめようとしているが、説明会も開かずに、ひっそりとパブコメ。