【都政学習会 in大田区~都議会議員選挙から一年がたちました~】
都議会って何をしているの?
選挙前の討論会はあるけれど、選挙後の討論会はなかなか無い中で、区民・都民が地域の議員がどの様に政策・都政に取り組んでいるかを知って頂く事はとても重要だと思います!

区政や国政に比べて都議会の情報が区民に見えづらい中で、都民と政治を結ぶ場は大変重要であり、今回「都議会の役割を考えるおおた実行委員会」さんにこの様な貴重な機会を作って頂いたことに御礼を申し上げます。

都議会の役割を考えようおおた「都政学習会」東京都議会議員 もり愛 
 
 第20期東京都議会議員の任期1年を迎える7月23日に向けて「公約ブラッシュアップ研究会」を立ち上げ、都議選で掲げた377公約の進捗状況について部会を中心に精査を行いました。進捗状況については後ほど別紙で報告をさせて頂き、私の議会での取り組みについてご報告をさせて頂きます。
 
〇現在は、公営企業委員会に所属しています。上下水道、バス・地下鉄等の都民の命と暮らしを支えるライフラインの維持管理、地下鉄の満員電車解消に向けては時差ビズやテレワークの推進といった多様な働き方の推進を進めて行きたいと取り組んでいます。
 
また、地元課題としては、下水道局事業として高度再生水を活用した清流復活事業により呑川の合流式河川の水質浄化が更に進むように取り組み、都市河川の水質浄化と共に親水性を高めて自治体の防災桟橋の平時の観光活用や、子ども達がもっと水辺に親しめる東京の港湾環境の整備に取り組みたいと東京都港湾審議会の委員もさせて頂いております。
 
7月5日には、ワールドカップやオウム代表の死刑執行でニュースが一色となる中で、ひっそりと重要法案が衆院本会議で可決してしまいました。「水道法の改正」は、老朽化が進む水道施設の改修を促す為との事ですが、フランス・パリでは民営化により水道代は2.5倍になり、マニラではアメリカの水メジャーが参入し水道代が5倍に跳ね上がり低所得者は水道の使用を禁じられる等、水道の再公営化が世界の潮流となっている中、日本の法改正は世界の流れに逆行しています。

今年9月には、東京で初となる国際水会議が開催される予定となっており、蛇口から直接呑むことが出来る世界一安全な水道技術で、SDGsの持続可能な開発目標の視点からも、未だに安全な水にアクセス出来ない途上国の人々への技術支援が求められています。都政改革本部においても「コンセッション方式」という言葉がでて民営化ではないかと物議が出ましたが、
都議会として、都民の命と暮らしに直結する東京都の水道事業を守ってゆきたいと考えています。
 
〇昨年の決算特別委員会では、女性活躍推進の観点から、東京都のテレワーク推進センターによる男女共に仕事も子育ても諦めない働き方の推進について質問を行いました。
 
〇子ども・若者支援推進法に基づく都の取り組み状況について伺い、乳幼児から青年期までの切れ目のない支援体制と福祉・教育・雇用等、部局横断的な連携支援ネットワークの構築に向けて区市町村の取組支援を要望。大田区から全国に広がった子ども食堂の取り組みは、こども達にとって、学校でも家でもない第三の居場所が地域にあるという事は若者の健全育成に大きな意義があります。
今年度は、子ども食堂に取り組む自治体・団体にも都の支援が決定し、子どもの貧困対策は貧困の連鎖を断ち切る為のひとり親家庭支援や学習支援等、こどもと子育て家庭を支える包括的な支援が求められます。
 
〇今年度予算においては、徹底した事業評価により約870憶円の財源を確保し、待機児童解消に向けた取り組み、妊娠・出産・子育てまで切れ目ない支援に向けて「産後ケア」を行う区市町村への支援「産後うつ」の予防対策が盛り込まれ、待機児童対策としてベビーシッターの利用支援等、きめ細やかな子育て支援予算の充実が行われました。
 
〇高齢者の社会参加の推進、障がい者福祉の充実・障がい者雇用の推進、障がい者・障がい児の生活支援とサービスを担う人材の定着支援、特に医療的ケア児の支援が盛り込まれた事は大きな前進です。

しかし、これらの予算は自治体・大田区で事業化されなけれは、区民がサービスを利用する事は出来ません。そういった意味でも、都政と連携し施策を実現する為には区議会の役割は大きいと実感するところです。
 
◇    6月第2回定例会において初の本会議質問に立たせて頂きました。

『子育て世代包括支援センターについて』妊娠段階から、一人ひとりの困りごとにきめ細やかに対応し未然に家族の問題の芽を見つける事が重要。児童虐待・ネグレクト・子どもの貧困等、家庭を取り巻く問題に対して寄り添う全ての母子と子育て家庭を支える地域づくりに向けて区市町村における子育て世代包括支援センターの取り組みが進むよう質問し、都として自治体を一層支援するよう要望。
 
『保育の質の向上について』保育サービスの多様化し、様々な保育サービスが複雑で利用者には分かりにくい現状がある。
H28年3月大田区の認可外保育施設で6か月の女の子の尊い命が失われ今年3月報告書がまとめられ、認可外保育施設については、位置づけの見直しや保育の質の向上について殆ど議論されてこなかったとの指摘がある。
全ての子どもと保護者が安心して安全に利用できる様、認可外保育施設の保育の質の向上に積極的に取り組むべき。
またこれまで待機児童の受け皿としての役割を担ってきた良心的な認可外保育施設に対して区市町村の保育サービスに位置付けられる様支援を要望しました。
 
『ライフワークバランスの推進について』
都内企業で働く男性の育休取得率は12.3%、実際に一年以上の育休を取得した男性はわずか6%に留まっている。区内の中小企業でも育児休業させてあげたいが人員的にも難しいという声が聞かれ、中小企業への育休取得支援が求められる。
今年度の新規事業「働くパパママ育休取得応援事業」では、男性の育児参加を啓発に留まることなく、育休を取得させた企業への予算措置が行われ職場環境を推進するとしており、多くの企業が利用し男性の育休取得を大きく後押しすべきと質問と要望。
 
『国の種子法廃止に伴い江戸東京野菜の保全と普及について』
種子は命の源であり、これまで主要農産物は種子法で守られてきたが、国の法律が無くなった今、都道府県が担うべき役割は大きくなっている。
現在改正が検討されている種苗法においては「自家採種は原則禁止」になるのではと懸念されている。
国が消費者や農家を守るよりも大企業の利益のために遺伝子組み換えを拡大していこうとする動きを危惧し、東京の伝統野菜である江戸東京野菜をいかに守り次世代に伝えていくか、現在の取り組み状況と普及拡大を要望。
 
『東京都環境基本計画・再生可能エネルギーの推進について』
2030年までに東京の消費電力に占める再生可能エネルギーの割合を30%程度に高める事を目標に掲げている。
原発ゼロに踏み出したドイツでは再エネが33%を占め各エネルギー減の中で最大となった。目標達成に向けどの様に取り組むか。
東京都地球温暖化防止活動推進センターでは「地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業」として31年度までの4年間で24億円規模の予算措置が行われているが3年目の現段階で5千万円しか活用されていない。有効な運用を要望。
 
『地域医療政策について』
少子化と高齢出産も背景にあり医療的ケアを必要とする子供は増えている。大田区を含む区南部医療圏には、NICUを持った高度急性期病院である東邦と昭和大学小児科には長期入院の患児がおり、大学病院の病床が有効に使われるためにも在宅への円滑な移行支援が求められる。
都はNICU等からの在宅移行支援体制にどの様に取り組んでいるか。医療的ケア児とその家族が、地域で安心して暮らすことが出来る様、児童への適切な医療ケアと共に、家族の休息の時間の確保など負担軽減に向けた支援を積極的に行っていくべきと考える。
〇小児の在宅医療の充実が求められる中、公的医療機関として荏原病院が区南部に不足している小児の在宅療養支援の一層の強化を強く要望。
(↑都は、城南分園は福祉、荏原病院は医療と、縦割りの現状が問題であると考える)

『東京都差別解消条例について』
〇東京都では、東京2020大会を見据え、社会全体で障害者への理解を深め、差別を無くす取組を一層推進するため、今定例会に差別解消条例案が提出され可決しました。障害の医療モデルから社会モデルへ、障害は、個人の身体的特徴にあるのではなく、社会参加に対する障害であり、そのバリアをいかに取り除いてゆく事が出来るか、今回の都条例では、国で努力義務となっていた合理的配慮の提供を民間事業者に対して法的義務とした事は、大きな意義があります。

〇今回議会質問をするにあたって、当事者団体の皆さまのご意見を頂きに行き、多くの要望は教育現場におけるバリアフリーの推進によるものでした。そこで公共分野・学校における合理的配慮・バリアフリー整備について伺いました。

多くの学校は災害時には避難所となりますが、阪神大震災、東日本大震災、熊本地震と避難所の学校で、車いす使用者が入れなかった事例もあり、大雨被害で3階以上に避難する事もあります。
学校全体のバリアフリー整備が必要であると考えますが都の見解を伺う。
→都立についてのバリアフリーは進んでいるとの回答があり、区立小中学校のバリアフリーが進むよう支援が必要であると感じました。

〇次に学校の選択について〉
障がい児が特別支援学校ではなく、地域それぞれの学校に入学希望をしても断られる事があると聞きます。障害者権利条約にある「第24条教育」では「障がい者が障害を理由として教育制度一般から排除されないこと及び障害のある児童が障害を理由として、無償のかつ義務的な初等教育から又は中等教育から排除されないこと。 障がい者が、他の者と平等に、自己の生活する地域社会において、包容され、質が高く、かつ、無償の初等教育の機会及び中等教育の機会を与えられること」とあります。
〇障害や障害者は多様であり、とりわけ見えない障害とされる精神障害、発達障害の理解啓発は難度があります。幼い頃同級に知的障害の女の子がいました。姉妹がいたので普通学級に居ましたが、みんなもどうしたら一緒に遊べるかを工夫して、自然と障がい者への理解と思いやりの心が育ったように覚えています。
また、障がい児が同じクラスにいる事でいじめが減ったとの研究もあります。
障害のある子どもの適切な就学先の決定について、都はどの様に取り組んでいるのか質問し、一人ひとりに寄り添う就学先の決定を要望
→当初の都は、現場の区市町村・学校の権限であるとの見解でしたが、要望を重ねるうちに保護者の思いに寄り添う就学先の決定がなされるように取り組んでゆくとの回答を頂き ました。

〇学校における心のバリアフリー教育の推進について伺います。
学校教育の人権学習や、障害、障がい者及び障害の社会モデルについての学習機会、障害平等研修DET等、障害は「個人が克服するもの」とされたものから「社会を変えてゆく」と云う視点を子どもの頃から自然と学ぶことがダイバーシティ東京を築く礎になると考えます。
障がい者差別解消条例の施行に伴い、広く障がい者への差別のない社会を築く為には、小学校の頃から障がいのある子どもも無い子どもも相互に交流して理解を深めていく教育が必要であると考えます。東京都教育委員会の認識と取り組みについて伺いました。
→普通学級と特別支援学校・特別支援学級において継続的に交流の機会をつくり理解促進に取り組んでゆくとの回答を頂きましたが、支援の必要なお子さんへのきめ細やかな支援と共に、出来るだけ障がいのある子もない子も共に学び育つことの出来る、インクルーシブ教育の実現に今後も取り組んでゆきたいです。

障がい者差別の無いダイバーシティ東京を築き、東京2020パラリンピックの開催都市として都民一人ひとりの心の中に「心のバリアフリー」がレガシーと成る様願いを込めて質問を行いました。
今後もハード・ソフト両面のバリアフリーの推進と、障がい者雇用の推進にむけては、誰もが生きがいとやりがいをもって働くことが出来る様、東京都として、福祉作業所でも企業でもない、第3の職場として障がい当事者の方と一般の人が同じ労働者として、同じ目線で同じ職場にいる「社会的企業」ソーシャルファームを推進していきたいと、会派内で勉強会を行っています。

これからも、当事者団体の皆さまと共に政策に取り組んでいきたいと考えていますので、ご意見をお寄せください。本日は貴重な機会を作って頂きありがとうございます。




夜は「集まれ!大田家!@ギリシャレストランスピローズ」
実行委員会の皆さまも多く参加されて、社会保障の話題や大田区を愛する、地域の様々な場面で活躍されている皆さまと、ギリシャ料理を囲んで楽しい時間をありがとうございました!