『大田区立館山さざなみ学校視察』
本日は、改選後の区議会区有施設視察で館山さざなみ学校へ。

子ども達が親元を離れ、ひたむきに頑張っている姿に感動しました。
さざなみ学校で頑張ること、自分が頑張れば何だって出来ると言う自信をつけて、大きく成長出来る場所と機会であると感じると同時に、
子ども達がこの学校に入学するに至った、肥満や虚弱、生活習慣などの背景にある家庭との連携がとても重要であると感じました。
そして、この学校での経験を活かして、心も身体も元気に育って行くことを願わずにはいられません。

大田区から車で約2時間。
館山の美しい自然に抱かれ、晴れていれば大島まで臨める小高い丘の上にあります。

区立の特別支援学校・健康学園は、
「肥満の解消・喘息の改善・偏食を治そうとしている児童・秒虚弱の体質改善」を目指し、
今年で33周年を迎えます。

古くは昭和11年に、大森区は富岡町、昭和14年に蒲田区は静岡県宇佐美にあったものが大森区と蒲田区が合併して大田区となり、
昭和58年より、大田区立館山さざなみ学校開設。
今、23区では、中央区、板橋区、葛飾区、大田区の4区が、房総半島と伊豆半島に特別支援学校や健康学園を設置していますが、目黒や荒川区で健康学園が廃止された際に、さざなみ学校に目黒や荒川区の児童を受け入れていた経緯があります。

自然豊かな環境の中で寄宿舎生活をおくるさざなみ学校の子ども達。
現在、生徒数は31名
3年生3名、4年生8名、5年生10名、6年生10名。
教員数は41名、学校医5名
大田区内の小学校に通う3年生から6年生が寄宿舎生活をおくっている。

学校でかかる費用は、義務教育の為、
保護者負担分は食費1日950×30日=28500円と諸経費5000円。

子ども達の健康管理はもちろんのところ、心のケアがとても大切。
セカンドステップ どういった行動をとれば、より良い結果に繋がるのか、ロールプレイングでの学びの時間がある。

それぞれの、元の在籍校との関係。
ホームシックにかかる子も。
最低月2回は、親御さんが面会に来る。

虐待やネグレクト家庭もかつてはあったと聞くが、今は肥満や偏食のお子さんが多い。
リバウンドしてしまう子どもに対して、家庭への食育の指導も大切。
→子ども達自身が、健康管理が出来る食育を学ぶ。

在学生の半数は、ここでの卒業を望んでいるが、親御さんが進学への影響を心配して普通学校の卒業証書を得る為に卒業間近に区内の副在籍校に帰るお子さんも居るとの事。

学校の施設見学と、子ども達の発表

子ども達の素晴らしい演技と歌とソーラン節を披露してもらい、一生懸命に頑張る子ども達の姿に涙が込み上げました。

その後、子ども達と一緒に千葉の郷土料理の「太巻き祭り寿司」「いそがあえ」「イワシのさんが焼き」の給食を頂きながらの交流会。

素晴らしい演技を披露してくれた笑顔の一方で、子ども達はそれぞれの背景を抱えています。

区内の小学校では不登校だった事も話してくれました。
生活習慣が日夜逆転し、どうしても朝学校に行くことが出来ないと言う事。
お父さんから、さざなみ学校で治してくる様に言われ2年間、家に戻ると夜型に戻ってしまい、昼間は寝て過ごす。
「この学校で卒業したい」と話してくれました。

体脂肪率57%で入学したとは思えない
日焼けして引き締まった少年の姿がありました。

「好き嫌いが多くて来たの」と話す少女は、お兄ちゃんがここで痩せたから私も来たの!でも早く帰りたい。
と入ってきたばかりの子は、寂しさもある様でしたが、みんなが助け合って生活する中で、かけがえの無い友情と絆を育んでいました。

親御さんからの感想の中には、
「子どもが入学してから、一年間、親として子どもを預けてしまった無力さと罪悪感に苛まれたが、肥満だった子どもが、心も身体も健康的に逞しく成長する姿に、さざなみ学校に出逢えて良かった」等、綴られていました。

最後に校長先生より、
通常の30人学級の中で埋もれてしまう子も、少人数教育の中で埋もれていられない環境。子ども達は、頑張らざるをえない環境がある。
とお話しされていました。

子ども達一人ひとりが、自分らしく輝ける学びの場。学校教育と、その背景にある食育の重要性や生活指導等家庭との連携の重要性について、深く考えさせられます。

区内の学校で馴染めなかった子どもも、さざなみ学校の自然に恵まれた環境の中で、日々様々な経験をし自立と自分を発揮できる素晴らしい環境と、
少人数学級の中で自分を発揮できる環境を整備して行くことの大切さを実感しました。