昨日の「これからの医療を考える会」
『在宅医療の現状と地域包括ケア実現への提案』をテーマに
蒲田医師会前会長の南雲晃彦先生よりお話を頂く。
地域医療の課題に、医師会・歯科医師会・薬剤師会・地域の病院・行政・議会が参加し、問題の共有と今後のより良い連携のあり方を考える。
在宅医療の推進に関する医療報酬・医療法・予算等、制度の変遷

高齢化社会に、今後どの様に立ち向かって行くかー
・都市部で高齢者が大幅に増加し
・医療ニーズがさらに増加している。
1951年82.5%の方は自宅で亡くなっていた→現在は12.4%。80%の方が死亡病院で亡くなっている現実。
在宅医療を受けている患者数が急激に増加しているが、在宅医療実施医療機関・訪問診療可能な医療機関は、僅か26.3%と、その延びに追い付いてはいない。

医療現場と国の政策の解離
→国:外来を主に見ている医療機関が在宅医療も担当するべき。
→外来をある程度の数を見ていると、在宅の患者さんを多く見られない。
・今後施設の在宅医療の診療報酬はさらに下がる?→在宅専門医療機関の撤退。
・診療所も訪問看護ステーションも集約化を求められているが…
➡連携あるいはグループ化の必要‼

・"在宅医療連携拠点"
(医療機関に限らない)
←地域の医療・介護関係者による協議の開催、連携推進、在宅医療に従事する人材の育成と普及啓発。

"地域包括ケアシステム"
生活支援・介護・医療・予防・住まいの、30分で駆けつけられる地域ネットワークの構築に向けて

1、多職種連携の課題に対する解決策の抽出
2、在宅医療従事者の負担軽減支援
3、効率的な医療提供の為の多職種連携
4、在宅医療に関する地域住民への普及啓発
5、在宅医療に従事する人材育成

☆市町村に求められる役割
・地域包括支援センターの運営に際しての連携促進、
・各ステークホルダー間の調整
・24時間体制のバックアップ体制の調整、後方病床の役目を果たす病院への協力以来等。
・多職種協働による在宅チーム医療を担う人材育成事業地域リーダー研修への参加。

大田区内においても、中堅病院の閉鎖や病床数は減っている現状があり、入院病床数が足りない現状がある。
「いざという時は、入院できる」といった、後方支援のない在宅医療は崩壊する。

包括支援センターは、区内に20ヶ所
・区内の要介護者2万人/20ヶ所→千人/1ヵ所
・在宅医療7000人/20ヶ所→350人/1ヵ所
区内のケアマネ500~700人→50人/ケアマネ一人
と言った現状に、改善策と地域包括ケアへの提案。
☆地域毎に関係団体が、適切なサービス提供について"検証会議"
・サービスの平準化
・検証と、各団体における人材育成
医師会における→かかりつけ医要請研修

医療現場の先生方より、直面している現状と、今後求められる施策についてお話し頂き、会場の先生方からも、病院の立場、在宅医療専門医の現状等、伺いました。
二次医療圏という、都による線引きが、実情の医療診療にそぐわないという指摘や
救急医療と高齢化社会を支える慢性期医療の役割を、私たち医療を受ける側も意識と知識を持つことの大切さを実感します。
行政の役割と、区民への周知も含めた地域医療連携と地域で支える仕組みづくりに向けて。
診療を終えた先生方が、本日も21時過ぎまで、熱い問題提起が行われました。
先生方、本日もありがとうございました!