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昨日の子ども文教委員会における『小学校における放課後児童の居場所づくり事業』の実施状況報告を受けて

昨年の第4定例会で、事業実施前に放課後施策について質問をさせて頂きました。ブログへのアップが未掲載でしたので、掲載いたします。


平成26年11月28日 大田区議会第4定例会 議会質問より

大田区議会民主党・新政会、森  愛です。

 『子どもたちの豊かな放課後施策について』質問させていただきます。

 大田区子ども・子育て会議において、大田区の子どもにまつわる調査と、

今後の子ども・子育てプランについて、先日、大田区子ども・子育て支援事業計画、第3期大田区次世代育成支援行動計画が素案としてまとめられました。


今後、区内での説明会と来月22日までパブリックコメントの募集がありますので、より多くの区民の皆様に、大田区の未来を担う子どもたちの施策について、ともに考えてご意見をいただき、よりよい計画になるよう願っております。


 このたび大田区でも、放課後子ども総合プランに沿った放課後子ども教室事業が27年度からスタートいたします。大田区として初めて、子どもの放課後の過ごし方について、親御さんの就労の有無にかかわらない全ての児童を対象とした事業であり、高く評価と期待をしております。


 これまでは、学校教育は文科省の管轄として、学校教育において放課後は公教育の範囲外であり、学童保育は厚労省、塾は経産省と縦割り行政のもとでそれぞれが別々に話し合われてきた経緯があります。

今回の小学校における放課後児童の居場所づくりについては、こども家庭部の所管する学童保育事業と教育委員会事務局の放課後ども教室が一体的に整備されるものであります。


 本来、子どもたちはどの子も同じ大田区の子どもたちであり、所管で区切るのではなく、より部局を超えた連携を密にとりながら、大田区の全ての子どもたちにとってよりよい放課後事業となることを願っております。


 それでは、今後の放課後子ども教室の整備方針について質問させていただきます。


 放課後子どもプランでは、様々な実施場所、実施形態が想定をされていますが、大田区では放課後の児童の健全育成の場所として、全ての児童が放課後を安全・安心に過ごすことができるよう、区立小学校施設を活用した放課後児童の居場所を整備するとしています。

地域の拠点として、学校は逃げ込む場所から防災に立ち向かう場所へと、防災備蓄等学校施設内に様々な機能が求められる中で、空き教室の確保が難しいとの声も聞かれます。


 また、学校内併設型の学童保育であるフレンドリーにおいても、対象学年が、現在の小学校1年生から3年生を対象としていたものが、小学校6年生まで範囲が拡充されますが、共働きのご家庭が増える中で、保育園の延長保育に対して、小学校入学により帰宅時間に帰ることのできない保護者の小1ギャップの問題もあり、

子どもの放課後の居場所として学童保育の待機児問題も懸念されます。学校内での子どもの居場所をどのように整備していくか、保護者の方より心配する声も聞かれます。


 学童事業については、一定の面積基準があり、これまでと変更はないとのことですが、学童の子どもと一般利用の子どもで利用料金の差こそあれ、おやつの時間一つにしても不公平感のないよう配慮が求められていると感じます。

 障がいのあるお子さんや社会的ケアを必要としている子ども等、多様なニーズへの対応はどのようにお考えですか。


 一体型の学童保育としては、27年度に8校、それ以降は、学校施設の状況を踏まえて順次整備をしていくとのことですが、今後どのように実施校の整備を進めていきますか、区の方針をお聞かせください。


 次に、校庭の使い方について質問させていただきます。
 子どもにとって多様な居場所の選択肢があったほうが望ましいと思う一方で、保護者のニーズとしては、特に3・11以降、子どもが学校から学童保育への移動に対する不安など、できるだけ学校にいたほうが安心との声が聞かれます。


学校施設の限られたスペースの中で、子どもたちにはできるだけ思い切りのびのびと自由に体を動かせる場所と機会が必要であると考えます。

校庭の一般開放が土日しか行われない学校もあると聞きます。

校庭の使い方について、今後の方針をお聞かせください。


次に、地域力と連携した子どもの居場所づくりについて
 

まち全体で子どもの放課後の居場所づくりに取り組んでいる事例もあります。
現在、学校支援地域本部のボランティアの皆さんが中心となって様々な場面で学校行事や図書館整備等に参画をしていただいております。現在大田区が進めている放課後子ども教室の事業イメージの中にも、地域との交流事業が活動の例として挙げられています。学校を地域の拠点として、地域の方々に子どもたちの支援に携わっていただき、まち全体で子どもたちの放課後の居場所づくりに参画していただくことは、とてもよいと思います。

地域と連携した子どもの居場所づくりについて、区はどのようにお考えですか。



 次に、公園整備について伺います。


 自分の子ども時代を振り返ると、学童保育や児童館の存在すら知らない状況で、近くの空き地で土管に入って遊んだり、野山を駆け回り、木に登り公園を秘密基地にして遊んでいた思い出があります。


そもそも子どもの居場所は誰かにつくってもらうものなのか、子どもたちは自分たちで創意工夫しながら居場所を見出して遊んでいたようにも思われますが、自分たちの子ども時代に比べて、都市における子どもたちの遊び場所がどんどん失われていることも事実です。


 大田区は23区で都市公園の数ではトップレベルにありますが、実際にボールを使える公園は19か所と限られております。


もっと子どもたちが思い切り冒険ができる冒険遊び場、プレーパークのような公園も増えるとよいと感じます。
区内での取り組みとしては、住民参加型の公園管理、ふれあいパーク活動の指定公園として、中央五丁目公園では、地域が主体となって毎週水曜日と第3土曜日にプレーパーク活動が行われています。
また、千鳥のくさっぱら公園や都立野鳥公園の里山など、地域の皆さんが主体的にボランティアとしてかかわっている自然豊かで魅力的な公園もあり、公園が多世代の交流の場となっていることもすばらしいです。

 地域における子どもたちの居場所の拠点として、公園整備のあり方にも、一律に同じような遊具やベンチを配置するのではなく、利用者の動向とニーズを見て、高齢者の介護予防体操に特化した公園であったり、赤ちゃんとお母さんがのんびりとひなたぼっこができるような公園であったり、もっと多様性が求められているのではないでしょうか。子どもが思いきりボール遊びができるような場所も増えるとよいと感じます。
特色のある公園整備について、区のお考えをお聞かせください。

 最後に、放課後の学習支援について伺います。


 現在子ども6人に1人が貧困状況にあると指摘をされる中、放課後の過ごし方が大変重要であると指摘されています。家庭の経済状況により、放課後の過ごし方に大きく差があり、区として放課後事業に乗り出すことは、大変意義があります。塾や習い事に熱心なご家庭と、自宅での学習習慣のない家庭等、子どもたちの放課後の格差が指摘をされる中、貧困の連鎖を断ち切るためにも貧困家庭における学習支援は大変重要です。


 今年8月にまとめられた子どもの貧困対策に関する大綱の中にも、

貧困の連鎖を防止するための学習支援の推進が盛り込まれ、教育の支援の必要性と学校をプラットフォームとした総合的な子どもの貧困対策の展開が重要施策として挙げられており、地域による学習支援環境の充実が必要であると考えます


 大田区においては、地域力応援基金助成ジャンプアップ事業として、自主学習支援会による貧困家庭の子どもたちに対する学習支援事業、また、ワンコイン寺子屋の取り組み等が行われております。以前、大田区で子どもの貧困を考えるフォーラムでお話を伺った青砥先生が代表を務めるNPO法人さいたまユースサポートネットでは、市と連携し、大学生の有償ボランティアの皆さんが子どもたちの学習支援を行っておりました。


 ぜひ大田区としても、既に活動いただいている地域のNPO団体や学生ボランティアさんとも連携を図りながら、積極的に放課後の学習支援に取り組んでいただきたいと考えます。今後の放課後の学習支援の方針についてお聞かせください。


 以上、大田区の子どもたちが、のびのびと遊び、いきいきと学ぶことのできるよう、子どもたちがどのような放課後を過ごしたいのか、子どもたち一人ひとりにとって安心できる居場所であり、楽しいと思える多様で豊かな放課後事業の実現を願いまして、全質問を終わります。


ありがとうございました。

 

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