青少年教育指導セミナーⅡ
『出会い×発見"子ども・若者"居場所シンポジウム』

東京成徳大学 子ども学部教授 永井 聖二教授をコーディネーターに、

居場所づくり実践団体
・雪谷ジュニアリーダーズクラブ:松吉 裕美さん
・NPO法人おおもり子どもセンター:羽田 澄子さん
・おおた居場所づくり研究会:比戸 二郎さん
による、活動と事例の報告。

地元の青少年団体との協働を目指す

「部活もしていなくて、家にも居場所の無い子ども達の居場所を作りたい」という思い。
実際は、部活帰りの子ども達の利用が多い。

運営スタッフは、見守っている事。
積極的に介入している訳ではない。

現在関わっているのは20人。
2~3人のシフト制。
テーマを毎回決めてはいないが、キネマ通り商店街と組んで、ヤングフェスタや、クリスマスイベントを行っている。

一般の地域の中で、本当に集まる場所がない。
子どもは学童館・高齢者はゆうゆうくらぶ。

先ずは、ハード面としての居場所の充実・場づくり

その居場所での、おとなと子ども・若者達との接し方。在り方。

運営面での組み立て。
地域での若者の活動を察知し、そういった若者達の活動の場の提供も必要。

・ジュニアリーダーの活動
小学校時代のキャンプで築かれた強い絆が、
成長してからも、活動して行きたいと思える原動力になる。小さい頃から知っている仲間。学校の友人よりも気を使わない。

・「ホットスペースじいちゃん家」を立ち上げた。
定年退職して、地域との繋がりが全く無く、一年本を読んで引きこもっていた経験。
地域との繋がりを作る場

地域が作り上げた「NPOおおもり子どもセンター」
町会・自治会から立ち上がったので、地域との繋がりはあったが、それをいかに継続して行けるかが課題。

地域に住む隣人の"再発見"、それぞれ生きてきた社会経験を知れば、地域の力を生かすことが出来る。

いまの居場所。
良い子の居場所に成っているのでは?
健全な大人との関わりが、本当に必要な子ども。
本当に居場所の必要な子どもの集まれる場に成っているか?

家庭で愛情関係を結べていないと、外での愛情の求め方が変わってしまう。
甘え方を知らない子・逆に大人に媚びてしまう子。
大学生ボランティアと、子どもとの関わり方。
父性を求める子ども。

子ども達の居場所を他人がつくって上げるのは必要かー

「お母さんと子どもを離す政策にばかり、力を入れている社会にも疑問。子どもを親と離しているのではないか、という思い。本当は家で、親に甘えることが自然な事。」というご意見も会場から有りました。

私自身、居場所を作ってもらったというよりは、幼い頃育った横浜は、市街地調整区域で田畑の多い地域で、木に登ったり、崖を探検したり、裏山に秘密基地を作って遊んでいた。
しかし、お腹が空けば、いつでも帰れる場所があった事は、本当に恵まれていたのだと思う。

「6人に一人が貧困状態にある」という日本における"子どもの貧困"の実態。
家にも学校にも居場所を見つけられない子どもと、居場所の支援を"どの様に結びつけて行くことが出来るか"が、課題であるように感じました。
そして、自治体が持っている学校や民生員さんの情報を、個人情報として抱え込むのではなく、自治体情報と支援団体を結び付ける様な、地域連携が求められると考えます。
地域の大人の暖かい目で見守るネットワークづくりと、「自治会・町会にはイキナリ入りづらい」という定年退職後の男性や、子育て経験のある女性、これまでの社会経験を地域の資源として、想いを持った多世代は方が、それぞれの想いを表現してもらえる"場"づくり。
午後は分科会にわかれての話し合い。
・こんな居場所が必要?
・若者が活躍できる地域?
・多世代が集える居場所って?
「出逢い・発見」をキーワードに、
子ども達一人一人にとって、居心地の良い育ちの場が、家・学校の回りに、幾重にも多様にあって、好きに子ども達が居場所を選ぶことが出来る地域になれば良いなぁ!

実践されている皆さまの事例報告、大田区の豊かな地域力。
区としてどの様に支援し、連携して行くことが出来るか、今後の課題に向けて。
本日もありがとうございました!