23年度 第3定例会代表質問

大田区議会民主党 森 愛


大田区議会民主党 もり愛です。会派を代表して質問をさせて頂きます。現在区政が抱えている課題について、日々、多くの区民の皆さまからお寄せ頂く声を基に質問をさせて頂きます。真摯なご答弁をお願い申し上げます。


地方自治の本質は言うまでもなく、地方公共団体を構成している住民の自由な意思と責任に基づいて意思決定がなされることが必要であり、自主的・自立的な意思決定にその基礎があります。本来、公共とは市民が担うものであり、行政が独占することはできません。

区民ひとり一人が区政の主役だと実感の出来る社会にむけて、行政は住民自治実現のための仕組みづくり 住民の積極的な参加のもと、その意思による民主的な運営がなされるための仕組みが求められます。

現在、大田区では多くの計画策定が行われており、公募区民の参加・パブリックコメントや説明会等、区民の声を聞く場がありますが、それでも、ごく限られた区民の参加に止まっています。大田区政の要である地域力 その担い手として、区民参画・参加の仕組みをどのように拡充してゆくか。

大田区では自治会・町会の組織率も高く、地域ごとに多くの役割を担って頂いているが、高齢化も顕著であります。地域力推進会議が開催をされていますが、多くの区民に開かれたものでは無く、NPO等の参加も認められていないとお聞きします。今後、地域力の担い手として、町会・自治会と地域NPOによる連携が期待される中、その運営の在り方もより開かれたものになるよう、要望いたします。

現在 大田区においては、被災地復興の拠点として、被災地支援ボランティア調整センターが立ちあげられ、区と区民、多くの区内で活動するNPOが連携し運営主体となり、多くの市民ボランティアが参加をしています。

これまで、地域活動にもNPOにも属さなかった方たちの参加も多く、自分たちも何かしたいとの想いで現地で被災地支援に当たっています。

もし万が一、大田区で震災が起きた際に、被災地で得た実体験、災害時・復旧の体現をしている参加者は、災害時の地域リーダーとして宝であり、

被災地の復興と地域力の向上を連携させている素晴らしい取り組みであると、『大田区方式』として、とても高く評価されております。

今回の補正予算においても、協働支援施設の運営として4044万円が計上をされておりますが、その大部分は市民が現地へ向かう際にかかる費用負担となっております。

Q 運営を担っている、被災地支援ボランティア調整センター自体への、大田区のバックアップ体制と連携は十分に行われておりますでしょうか?


大田区において市民公共がしっかりと育つ仕組みづくりとして、この運営スキームは今後「新しい公共」の拠点としても、期待をされていると感じますので、(運営に携わるNPO等が下請けとして疲弊することの無いよう)持続可能な運営であるように望みます。

(今回、質問を作るにあたってのインタビューでは、ボランティアに携わる熱い思いに触れることが出来ました。「自分たちは、はじめは手弁当でもいいから被災地復興の一助になりたいとの思い。これまで地域社会とのつながりが希薄だった方と繋がる事が出来、現地派遣の仕組みがとてもうまくいっている事を嬉しく思う。被災地支援は、とても息の長い活動。一日でも長く、東松島市から、もう来なくていいよと言われるまで、出来る限りの支援を続けてゆきたい。」と被災地支援ボランティア調整センター長の小野さんは話してくださいました。)


一方では、今年の春の区長・区議会選挙の結果を見ても、43%台と、いずれも50%を切る投票率であります。一番身近であるはずの区政への関心の低さ。区民への主権者意識の向上において、学校教育での市民教育が求められます。

学校教育において、社会科の授業と実際の政治・社会を結びつけ、地域社会の仕組み・区政における子どもたちの意見表明の場として「子ども議会」の取り組みがあげられます。

地域の未来を担う子どもたちが、地域社会について考え、共に話し合い、その意見表明をする事によって、市民としての意識を高め、生きた学びの体験が出来るのではないでしょうか。

他の自治体において、こども議会を実施している所もあり、多賀城市では、実際に子ども議会での意見が市議会に反映された事例もあるとの事です。

私が先日宮城県東松島へ行った際、子どもたちと意見交換をする中で、

「これから、この地域を創っていくのは私たち!ぜひ、復興に私たち子どもたちの意見を取り入れてほしい!」との声が上がりました。東松島の復興支援をしている大田区の子どもたちと、共に未来を考えてゆくことが出来たら素晴らしいと考えます。

大田区議会と子どもたちの交流事業は以前にも行われたと聞きますが、生きた社会教育の場として、自分たちが実際に住んでいる地域社会について考える場として、子ども議会の設置について、いかがお考えですか?