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 これからの医療を考える会

 医療の現状 抱えている課題を知り これからの地域医療の充実を目指す為、
大田区の医師会 歯科医師会 薬剤師会の先生方と地元の議員とが意見交換をさせて頂く
勉強会を開いて頂いております。

先生方、診療が終わられてからの開催で20時スタートですが、22時過ぎまで話し合いは続きました。

今回のテーマは “医療ツーリズム” について

一人目の講師は 瀬戸皖一先生 

地域医療支援病院 地域がん診療連携拠点病院に指定されている
財団法人 脳神経疾患研究所 付属 総合南東東北病院で先端医療に取り組んでいらっしゃいます。

「ホスピタルシェアと先端医療」と題しお話を頂きました。

現在 観光庁が掲げている「医療ツーリズム」は観光業主体で健康チェックの域を出ず、医療産業の振興にはならないという点

医療が産業という概念がまだ無い日本において、海外の富裕層のみをターゲットにしたメディカルツーリズムは国民感情に馴染まないという点も指摘されておりました。

「日本の高度医療を医療産業として(特にアジアに)普及してゆきたい」

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ホスピタルシェアとは、昨年の11月に瀬戸先生が上海の国際医療フォーラムで発表した新しい概念

「先端医療を推進する病院が国境を越えて連携し、双方向で医療情報を共有することにより、難病患者が最適な治療を受けられるような病院ネットワークを構築し、先端医療を国際的にシェアするという考え方」

医療ツーリズムに対して、日本医師会は

「深刻な医師・看護師不足の中で、地域医療の崩壊を招く」
「医療の営利産業化・市場原理の導入につながる」として反対を表明しているし、

国民の中にも、医師不足の叫ばれている中で、
他国の患者を受け入れる余裕がどこにあるのかという批判もある。

そういった中、双方向的な医療協力に基づく 

“ 先端医療を国際的に分け合う ”

というホスピタルシェアという概念は、日本の優れた技術が国際的に貢献する事であり、
日本の患者さんも海外の進んだ技術を享受できる。

これまで抱かれていた疑念に納得のできる新しい概念であると感じました。

2人めの講師である 二木 博文代議士(産婦人科の医師であり、現在 厚生労働委員)からは、

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現在国で研究が進められている医療産業研究会と、医療の国際化に向けた枠組みイメージが報告されました。

これからの成長戦略として、3K 環境 健康 観光 が掲げられており、
政府の新成長戦略における 医療ツーリズムの促進として、
今年の1月から医療滞在ビザが創設されている。

 これまで病気の治療などで日本に滞在する外国人は、滞在期間が90日以内の「短期滞在」または「特定活動」しか認められなかった。医療滞在ビザでは6ヶ月の滞在が可能になるほか、有効期間3年の間何回も来日が可能。同伴者にも同様のビザが発給され、なお、90日以上滞在する場合は「在留資格証明書」が必用とのこと。

二木代議士の地元である徳島大学病院にて、
昨年実施された医療観光モニターツアーの事例が報告がされました。

13年連続 糖尿病患者数 ワースト1の徳島のマイナスを糖尿病治療が得意分野であるプラスに転じさせるとして、 中国から27人の患者を受け入れ、観光についても、治療についても、患者からの評価が高かった一方で

受け入れ先の病院が普段の医療体制を維持したままで海外のツーリストを受け入れる事が大変である事が指摘され、医療と言う 詳細な病状を伝えなければならない状況における言葉の壁はフィーリングでは済まない。
言葉の壁や文化の違いによる誤解、法的問題を克服するバックアップなどの体制面。
また、現在の日本の医療には、研究も含めて多くの国民の税負担の上に成り立っているものであり、
ツーリストに対する費用負担の問題。
日本の保険会社が世界に進出していないため、日本から海外で医療を受ける際には全て自主診療であり、税や保険等 制度面においても、実際の受け入れを増やしてゆくには多くの課題があります。

最近のニュースでは、JCI認証も受け、医療ツーリズムにも積極的に取り組んできた千葉県の亀田病院が先月、看護師不足で入院患者を受け入れられなくなったという記事が思い出されました。

本来、最先端医療に特化すべき病院 と 地域住民の為の地域医療 が分けられていない中、
医療機関の役割り分担が出来ていない事による疲弊もあるのではないでしょうか。
構造に問題であると感じ、今後医療ツーリズムを進めるのであれば、しっかりと医療機関を区分し、
かかるべき患者さんが、かかるべき医療機関で治療を受けられるネットワークの構築が必要であると感じます。

区民への安心できる 地域医療の充実と

大田区が国際空港を持つという立地を最大限に生かした産業としての先端医療提供とは
分けて考える必要があると感じましたが、

大田区だからこそ提供できる、特区としての最先端医療技術・医療ハブ化は、取り組む価値のあるものに感じました。
最後に、パネリストとの意見交換があり、
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医療ツーリズムにおける経済効果についての質問がありましたので、
私が先月、観光庁の勉強会に参加した際の資料をご報告します。

 医療観光の受け入れはタイや韓国などのアジア圏で急成長しており、
Medical Tourism:Global Competition in Healthcare(National Center for Policy Analysis)の予測だと 
年平均9%の成長率と予測され、

2008年推計で600万人 2012年までに全世界で市場規模が1000億ドルに達すると見込まれているそうです。

(その中から、どの程度日本に呼び込もうとしているのか、日本としての目標値とそれによる経済効果は官公庁の資料の中からも読み取ることはできませんでしたが)

タイでは2010年で200万人の目標を掲げ、2008年に既に1920億円の市場があります。

また、韓国では2009年に5万人を受け入れ、164億円市場となっており、
今後2020年までに100万人の受け入れ目標を掲げています。

23年度予算で見ますと、

医療の国際化として

○ 医療サービス国際化推進事業(経済産業省) 10億円新規
○ 国際医療交流(外国人受け入れ)の為の体制整備に向けた取り組み(厚労省)0.39億円新規

医療をきっかけとした観光需要の開拓として
○ 訪日旅行促進事業(観光庁)88.7億円の内数(22年度予算86.5億円の内数)
○ 訪日外国人旅行者の受け入れ環境整備事業(観光庁)2.5億円の内数(1.7億円の内数)
等が、国際交流・国際貢献・地域経済の活性化を目的とした新成長戦略の医療と観光の連携として予算要求されています。
また、自治体の取り組みに対しては、大阪府が昨年より医療ツーリズムコーディネーターの養成を事業化しており、中国語・英語対応の看護師を対象に受け入れ先病院の調整等のコーディネートを行う人材育成とありましたが、?な感想。
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