3日 おおた工業フェアの医工連携セミナーに参加させて頂きました。


医療と工業技術の連携


かねてより、大田区の誇るものづくり技術力を世界から求められるものに!と訴え


大田のものづくりを、環境産業・最先端医療を支えるような医療分野へと、

時代に、世界に、求められるものづくりへと、どのように新分野へのシフトを支援できるかと考えておりました。


先生方の、医療現場でのニーズ。

医療が求める技術革新 


「東京労災病院からの地域連携メッセージ」と題して野村和弘医院長にお話を頂きました

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本日は様々な、素晴らしい高度医療技術の報告があり、

医療機器(ロボット手術装置やがんの位置まで3D画像で見る事が出来る医療IT技術)は目を見張るものがあります。


もり愛 オフィシャルブログ「まちに森ひとに愛」Powered by Ameba高度医療機器、器具の多くは海外からの輸入が依然として多く、その事が高度医療費を押し上げている現実

ロボット手術装置はなんと3億円、ピンセット1つにしろ10万円、、、


こうした医療機器を大田区で国産化してゆく事が出来たら。

高齢化社会の中で、医療分野はますます必要とされる分野であり、

未だ国産化が進んでいないからこそ、産業としての可能性の大きい分野です。


しかし、薬事法が医工連携の壁になっている現状についても指摘をされました。


『医療機器を製造するためには、厳しい基準が定められれており、

特に生命の危機にに直接影響を与えるようなクラスⅢ、Ⅳに区分される高度管理医療機械においては、

医療機器製造販売許可を取得する必要があり、

総括販売責任者と 品質安全責任者 安全管理責任者 責任技術者 生物由来製造責任者を置かねばならないとの事で、兼務は出来ない』とのことであるから、


その費用だけで(一人あたり500万×4人の責任者=2000万)大変なもので、

町工場が1社で医療機器製造の為の人材を抱える事の難しを覚えます。


大田区全体の技術集積を大きな企業体としてとらえる事の出来るような役割として、

大田区と大田区産業協会が医療現場でのニーズと、まち工場の技術をつないでゆく

コーディネーター的な役割を果たしてゆく必要があると感じました。


医療訴訟などが原因となり、より厳密な安全性が求められ、

その為に厚労省の基準が毎年厳しくなってゆく


(ドラックラグについては、H16年で一番認証の早いアメリカと2,5年の差があり、

民主党の新成長戦略の中で新薬の相談・検査人員の増員によりH19年 3,4年→21年2,0年に短縮をされました。医療機器医においても政調会を通じて訴えてゆきます)


認可についてヨーロッパは比較的取りやすく、次いでアメリカ、そういった法的な縛りから、日本は医療機器においては世界市場25兆円(出展:平成17年の新医療機器・医療技術ヴィジョン)規模の中で、17年に2.8兆円と世界シェア10%程度に止まっていて、シェアは減少傾向にあるという。また、国内医療機器産業の輸出入を調べたが、伸びる需要に対して、輸入が上回っていました。


戦後 日本の高度成長を支えてきた大田区の誇るものづくり

自動車部品の下請け・孫請けとして発展した企業も多く、リーマンショック以降の景況と若者の自動車離れ等、仕事が減少している中で、国内外から“求められる”需要のある分野へ



2000年に制定された「富士山麓ファルマバレー構想」が紹介され、

医療機関中心型医療健康産業クラスターの形成として、

医療機関・医療者が中心となり、企業の為のプロジェクトを静岡県・市が積極的に関与することにより、


自動車用ネジ製造 から 医療用ネジの製造へ

自動車板金加工から生化学自動分析製造ユニットへと、


自動車部品から医療機器分野へと産業の移行に成功した静岡県での成功事例はとても示唆に富んだものでした。


病院・利用者・ものづくり生産者の連携による医療産業イノベーション


最後に野村先生は、大企業では採算性や臨床リスクなど 将来確信の持てる大きな研究しか手が出せないが

中小企業だからこそ大胆に安全を期して進んでゆく事が出来、病院との連携により臨床試験がそのまま可能であるとおっしゃっていました。


大田区のものづくりを世界から求められるものへ!


高齢化社会の中でますます高まる医療ニーズ、産業としての可能性

大田区のものづくりが医療の進歩と、安心・安全の医療技術の向上に寄与する事が出来れば素晴らしいと感じます。

また、国際空港を抱える大田区だからこその、産業としての医療ツーリズムの可能性等、

大田区の地域の独自性を磨き、地域産業の活性化につながるようなヴィジョンを描き、

産官学の連携によりすすめてゆきたいです!


現場からの貴重なお話を頂きました先生方 ありがとうございました。