3月13日 〔 福祉費 〕

 

 大田区の子育て支援について質問させていただきます。
 


Q 大田区としても待機児童解消のため、認可保育園の定員拡充、認証保育所の開設支援などの取組を進めておりますが、経済不況のもと、共働きが増えている現状があり、先日の答弁にもございましたが、今年度は入所不可通知の郵送が700件、入園希望者の数は140人増加し、現状の待機児童数は248人とさらに増えるとも言われております。欠員数も待機児童に匹敵するぐらい報告され、入所希望とのマッチングがうまくなされていないのではという危ぐがされておりますが、区としてはどのように考えていらっしゃいますか。

◎ 高安 保育サービス課長 地域により欠員の生じている保育所がございます。この原因の一つには、保育所入所希望と定員数について地域間で需給にアンバランスがあることが考えられます。また、希望順位の低い保育所に内定されたことによりまして、入所を辞退される方がいらっしゃり欠員が生じることもございます。欠員があっても自宅や勤務先と遠いため、子どもの送迎を考え入所を希望されないこともございます。区といたしましては、電話などによる希望保育所の変更などを受け付けるなど、保育サービス課における柔軟な対応により、一人でも多くの児童が保育所に入所していただけるよう努力してございます。

森 委員 ぜひ、そのような柔軟な対応をよろしくお願いいたします。
 そして、また区内では兄弟が別々の保育園に通っていらっしゃるという声も聞くのですけれども、そういった人数は把握しておられますでしょうか

◎高安 保育サービス課長 認可保育所に入園していらっしゃる世帯数でございますが、こちらが5,722世帯です。このうち兄弟で別々の保育所に入園していらっしゃる世帯が194世帯となっております。

森 委員 ぜひ、本当に送り迎えだけでもお母さん方は本当に大変だと思いますので、できるだけ兄弟一緒のところに通えるような配慮もお願いしたいと思います。
 また、入所に関してはポイント制がとられております。共働きのご夫婦で11ポイントずつ、22ポイント以上ないと入所できないという現状がございます。個人事業を営んでいらっしゃる方の中には、夫婦ともにフルタイムで働いていてもポイントがそれに伴わないとの声がありますが、どのようになっておりますでしょうか。

◎ 高安 保育サービス課長 ポイントについてのご質問ですが、入所選考指数のことと考えますので、このことについてご回答申し上げます。
 外勤・自営、いずれの場合も入所選考指数は保護者の勤務形態を常勤・非常勤・その他に区分いたしまして、それぞれについて1日の就労時間によって入所選考指数を区分してございます。しかし、自営業の場合には1日の就労時間の確認が困難な場合もございます。このようなときには、その自営業の収入を参考とさせていただき、就労時間数を判断させていただく場合もございます。

森 委員 自営業の方は収入に左右され、都の最低賃金に換算して収入が136万3,000円以上でないと11ポイントに満たないという現状があります。床屋さんのご家庭ではさみを使う職場に子どもを置いておくことはできないが、この厳しい経済状況の中、収入以上の給料を払うことはできないと、この136万円に達していないということで、そういった声も聞きましたが、区としてはいかがお考えでしょうか。

◎  高安 保育サービス課長 委員ご指摘のように、常勤の場合、自営業の場合は収入金額が136万3,000円、これ以上の場合は11点ということでございます。非常勤の場合ですと102万2,000円ということでございますが。そのような形で、自営業の方は収入によって点数を付けているという現状がございますが、その辺についてはご理解いただきたいと思います。

森 委員 家業を維持していくのも大変な時勢だからこそ、自営業の方へのポイント加算もぜひ考慮していただきたいと要望させていただきます。
 今年度予算の中で区立保育園の改築の促進といたしまして、2億6,256万円が上げられ、鵜の木保育園、森が崎保育園、入新井保育園の改築による定員拡充。新鵜の木保育所と合築による(仮称)新鵜の木保育園の新築が行われております。これにより何人の新定員が望めますでしょうか

◎高安 保育サービス課長 鵜の木保育園が22名、森が崎保育園はちょっと幅がございますが1名から5名。入新井保育園が11名のそれぞれ定員増でございます。また、(仮称)新鵜の木保育園が60名の新設でございますので、合計94名から98名の新規定員増となる予定でございます。

森 委員 増える保育ニーズの一方では、区が新たな保育園のスペースを確保するのが難しい状況がございます。今年度予算のこれらの保育園も開園予定は22年10月から24年7月となっており、早急な対応が望まれる中、保育ママの拡充が期待されます。大田区ではこれまでも保育ママの充実に向け、東京都が定める家庭福祉員制度等実施要綱を緩和し、保育ママの募集段階において一定の資格、保育士、教員、助産師、保健師、看護婦を持った人から保育士等の経験がなくても育児経験があれば保育ママの要件として認めるなどしていることは大田区独自であり評価されます。
 しかし、すくすくプランで一昨年28人であった保育ママさんを21年度までに32人にしていくという計画がありましたが、現在、大田区内の保育ママさんは28人、保育定員も72人にとどまっております。また、大田区10か年基本計画大田未来プラン10年にも多様な保育サービスの提供として家庭保育員制度の充実が挙げられていますが、25年度までに保育ママさん36人、保育定数92人と積極的とは言えないように感じます。区としてどのように保育ママさんの拡充を図っていますか。

◎ 高安 保育サービス課長 保育ママさんの募集でございますが、大田区報やホームページで実施しております。1人で乳幼児を保育するご苦労を改善するために、登録補助者の制度や保育補助者を雇用する際の経費の補助を行うなどしてございます。

森 委員 そのような努力なども含めまして、もっと保育ママを知ってもらうPR、また保育ママさんになっていただくための説明会や養成講座などが必要だと考えますが、区の取組はどのようになっておりますでしょうか。

◎ 高安 保育サービス課長 保育ママは本当に大変なお仕事だと思いますが、子どもの成長を保育を通じて感じることができるなど、やりがいのある仕事だと考えます。区といたしましては、これまでも保育ママに関する写真展を開催するなどして、保育ママの仕事とその魅力について、多くの方に知っていただく機会を設けております。今後もこのような取組を行い、1人でも多くの方が保育ママになっていただけるよう努力してまいりたいと考えております。

森 委員 そのようなPRとともに、やはり、なっていただくための養成講座など、ぜひ増やすための一層の努力をお願いいたします。
 また、保育ママになるにあたって、自宅6畳の1室を保育に確保しなければならないのはハードルになっていると感じます。また、1人ですと保育ママさんが体調不良で保育ができない場合など代わりがいません。そして1人で3人までのお子さんを保育するということですが、お昼ごはんやお手洗いなど席を外さなければならない時もあり、子どもに目が届かない瞬間は保育する側にとっても、また預ける側にとっても不安なものです。保育ママさんの休暇や緊急時に際して、ほかの保育ママさん同士、また保育園など他の保育施設の連携は図れていますでしょうか。

◎ 高安 保育サービス課長 保育ママが登録補助者を置いた場合は、最大5名の児童を受託することができます。この登録補助者がご質問の集団保育ママ制度に近い役割を果たしていると考えられます。
 複数の乳児を保育するお仕事は一時も子どもから目を離すことができず、気を使う仕事です。しかし現行の保育ママは、ご自宅で保育する家庭的保育事業として位置づけられているため、駅前マンションなどを借り上げての集団保育ママ、保育室を設置する計画はございません。
 現行制度を活用して保育ママ制度による受入れ児童数の拡大に向けて努力してまいりたいと考えます。

森 委員 次の質問までお答えを読んでいただいたのですけれども。厚生労働大臣は家庭で子どもを預かる保育ママへの助成を拡大し、賃貸の認可外保育所を設置した場合にも、新たに家賃助成などを行うと発表しました。保育ママ事業では、国の補助対象をこれまで3歳未満の子どもを預かる場合から、小学校を就学前までに拡大するとしています。
 また、待機児童が多く、自前の施設確保が難しい都市部では新たな開設を促すため、認可外保育所でも人員配置などの基準が国の最低基準を満たしていれば施設の家賃のほか、礼金、改修費などを助成するとしています。このような国の助成も利用し、区として駅前のマンションを借り上げ、何人かの保育ママさんに保育をしてもらう集団ママ保育室をつくっていただきたいと思ったのですけれど、先ほど新しい制度をつくるつもりはないというご答弁がありましたが、複数の保育ママさんに連携して保育してもらうことで保育定員も増えますし、保育に携わりたいが自宅でほかのお子さんを1人で預かることにちゅうちょしていた方もそういった場があれば、保育ママさんのなり手も増え、拡充につながると考えます。
 また、兄弟で別々の保育所に通っている現状は、送り迎えをしているだけでも大変ですので、通勤時に送迎できる駅前の要望が大変強いという現状をぜひご理解いただいて、区としてそういった駅前の独自の保育スペースを確保するように要望させていただきます。
 かわいいわが子を手元に置いておきたいのは、どの親御さんも共通する気持ちだと思いますが、お母さんにも外に働きに出ざるを得ない厳しい経済状況があります。個人の思いとしては、本当は子どもを預ける場所を増やすよりも、子どもの成長にとって大切な、そしてかけがえのない幼児期をお母さんと過ごすことができるようなワークライフバランス、お父さんもお母さんも育児休業をとって社会に復帰できる社会システムをつくることこそが政治の役割、やはり必要だと考えております。
 今回質問するにあたって様々な自治体の保育制度を比較いたしました。昭和44年から保育ママ制度をスタートさせた江戸川区では、赤ちゃんは母のぬくもりのもとでと、公立園のゼロ歳児保育を認めておらず、ゼロ歳児保育はすべて保育ママが担っているということで、現在、204人の保育ママさんがおり、0歳児の受け入れ枠が410人とのことでした。練馬区では駅型グループ保育室として、保育ママさんがグループでの保育を実施しています。また、一部の自治体では、これは小学校を対象にしたものでありますが、祖父母世代を中心とした地域住民が預かる生活塾制度の実験が行われ、放課後も高齢者や地域ボランティアの家庭で過ごし、そして定年後のベテラン主婦や祖父母世帯を担い手として、地域における世代間の交流も促進すると厚労省も期待するとしております。そういった今後は児童福祉と高齢福祉を結びつける試みも相互に良い効果をもたらすと感じますが、それについていかがお考えでしょうか。感想で。

◎ 井上 こども育成部長 今、いろいろなご提案をいただきました。私どもといたしましても、国や都の動き、それからほかの自治体の先進的な事例も参考にしながら、大田区の子育て支援、保育サービスの充実のために頑張ってまいりたいと考えております。

◆ 森 委員 核家族が増えている今日、子どもにとってもまた地域の大人やおじいちゃん、おばあちゃんと過ごす時間によって、ありがとうやもったいないという心や文化を学ぶ機会となり、高齢者にとっても相互にいい機会となりますので、そういった新しい試みもぜひ検討していただきたいと考えます。未来を担う子どもたちを地域が一体となって見守り育てていく、そういったことに待機児童解消には地域での協力と保育に参画しやすい体制づくりが必要だと考えますので、ぜひ地域力を活用した子育てしやすい大田区であるように希望を込めまして質問を終わります。