7/13「月)
『ドライビングMissデイジー』1989
老女デイジーが運転ミスをして、息子が運転手としてホークを雇います。かたくなで頑固なユダヤ系のデイジー(ジェシカ・ダンディ)と朗らかな黒人のホーク(モーガン・フリーマン)。特別大きな出来事は起きないのだけれど、会話や表情にそれまでの人生がしのばれて切なくなります。この映画でジェシカはアカデミー賞主演女優賞を獲得。ラストの素直で穏やかな眼差しが心を打ちます。
アメリカの南部が舞台で、人種差別も一つのテーマ。差別って、差別される側でないとなかなか気づかないものですよね。辛い過去の思い出が静かに語られます。モーガン・フリーマンの、出しゃばらず、でも卑屈にもならない、温かな朗らかさが素晴らしい。息子のブーリー(ダン・エイクロイド)も良い味出してます。しみじみとした佳作です。
予告編(英語)
7/14(火)
『アイ アム レジェンド』2007
題名だけ聞いたらカール・ルイスみたいなスポーツ選手の話かと思っていたら全然違いましたえ?コロナ?というような場面も。
ウイルスを用いた画期的な癌治療薬が開発されます。しかしそれが殺人ウイルスに変異してニューヨークは封鎖されます。3年後、廃虚となったニューヨークにはたった1人の生存者ネビル(ウィル・スミス)が愛犬サムと暮らしています。
致死率90%のウイルスは全世界に蔓延し、わずかに生き残った人類の多くは「ダーク・シーカー」と呼ばれるゾンビみたいな生き物に変貌していました。ネビルは人類を、世界を救いたいと血清を作るために、ダーク・シーカーを捕らえて実験を繰り返す日々。孤独の辛さがよく描かれています。
もう一つは「ダーク・シーカー」は姿こそゾンビだけど(夜しか活動できないし)でも知性も愛情もあり、ネビルこそが変異した新人類(ダーク・シーカー)にとって殺人鬼のレジェンドだというもの。
映画の中の伏線を組み合わせると、劇場公開されなかった方の結末がしっくりきます。正義の味方も敵から見たら「悪」、どちらの側から見るかで感じ方が逆転します。私達は一方的にしか物事を見ていないのではないかという、思い込みの怖さを教えてくれる結末の方に一票。