あの丘に登るのが好きだった。


丘の上の古いガジュマル、


その下に立って


午後の町を眺めるのが好きだった。


住み慣れた町。


洗濯物がはためき 


子供たちが走り回り


誰かが立ち話をしている。


音の無い風景は


のどかな一枚の絵のように見える。


離れて眺めれば


憎しみも 争いも 欲望も 


すべては 許されるように


人も町も小さい。


 

その時


頬を撫でていった風を


迷いの多い生き方をいさめようと


葉がささやいた温かな言葉を


捉えようとして


忘れまいとして


私は  詩を書いている。