少し 道に迷った私は
迷いながら ある人に会った。
細い迷路を歩きながら
その人に会ったのです。
袋小路と思えた道の先
赤いハイビスカスの木下に
その人は たっていました。
大きく開いた花弁は
一滴の涙が
こぼれ落ちた後のように
ぬれていました。
そういえば
子供のころ
サンダル履きで歩いた 白い珊瑚の道の脇にも
こんな花が たくさん咲いていたような。
歩きながら置いてきた
過去たちを 思い出す。
失ったものや 傷ついた物の
墓標の変わりに
こんな赤い花を 咲かせる事ができたなら
わたしは きっと
自分を抱きしめることができる。
あ~こんな赤い花がさいたね。と
もう 後悔なんかしない。
そのために
きっと
こうして ずっと
花の下で
私を
待っていてくれたんでしょ?
人は別れるべくして別れ
出会うべくして 出会う。
細く 無数に伸びた枝も
一本の幹から 命をすい上げる。
生きるために
自分が自分であるために
珊瑚の白い道で
あなたを
見つけた。