あの日見た 観覧車を覚えている?
私たちは 遠慮がちで
一つ一つの言葉を
確認するように 話していた。
間に引かれた白い線から
はみ出してしまわないように。
心があふれて
飛び越えてしまわないよう。
誠実と 正直
観覧車の向こうで
それが 私たちを
見下ろしているようだった。
窮屈で 冷たく寒い箱の中で
自分で自分の手の平を
こすり合わせたりしながら
初めてみる 夜の艶やかさに
私は見とれていた。
いつもより
早く過ぎる時を
ただ
止めてしまいたかった。
あの時
つなぎたいと願った手
聞きたいと祈った言葉
あの夜の自分は
今も
ずっと心の奥に
閉まってある。
