木漏れ日の中で 君を見ていると
思い出す。
初めて会ったあの日。
ボクの心が
静かに溶け出したあの日。
君はうつむいて
本を読んでいる。
私は コーヒーを飲みながら
君を見ている。
木漏れ日が 君と 本の上に
チラチラと
光の 絵を描いている。
突然
君は尋ねる。
安らかな眠りから目覚めた子供が
おびえて 泣き出すように。
柔らかな時を かき消すように。
ねえ 私たちは いつまでつづく?
些細な別れの物音にも 不安がる。
いくら伝えても 愛しても
何度も 聞き返す。
見てごらん。
あの 赤い 赤い ダリア
裂けるほど
大きく開いた花に
黒いアゲハが とまっている。
今にも散ってしまいそうな花びらが
崩れないように 静かに
羽をすぼめて 蜜を吸っている。
強い風が吹けば
花びらは散り
蝶は 飛び去ってしまうだろう。
私は
君の問いに答えることができない。
ただ
甘くて 切なくて いとしくて
苦しすぎて 強すぎて
はかなくて
永遠なんて言葉を
もう 君に
つたえる事ができない。
