今日 私はあることを思いつきました。


いつも ホントに 犬かなと思うほど


警戒心のない我が家の犬 ボル君を 試してみようと…。


彼の大好きなチーズをテッシュで分厚く包んで


本と本の間に隠しました。


でも さすがは犬 鼻をくんくんさせたかと思うと

 

あっという間にチーズを見つけてしまいました。


あまりに早くて 物足りなかった私は


チーズをくわえた彼を追いかけました。


遊びのつもりだったのです。


うなりながら逃げる彼を捕まえようとした 


その時


彼は私の指に噛み付きました。


あっという間の出来事でした。


悲鳴を上げた私に はっとしたようで


彼はチーズを落とし ぼんやりと 指を抑える私を見ています。


にじんだ血を見て 私も我に返りました。


そして 不安げにうずくまる彼に


「もう食べていいんだよ。」とチーズを差し出しました。


 静かに食べ始めた彼の


苦いものを食べるようにゆっくりと動かすその口元を


見上げる悲しげな瞳を 


私は決してわすれないでしょう。


いつも 温厚な 彼の体の中にも

 

 確かに野生の血 生きていくための本能が


残っているのです。


その荒々しさを 今まで一度も見せることなく


武器となるのに 十分な牙を隠し 私たち家族と


共に生きてきてくれたのです。


その気高い心を もてあそぶような事を

私はしてしまいました。


 今 ボルは私の足元で寝ています。


忘れてくれたんですね。