その頃で、もう七十を過ぎていたと思う。
教師だった祖父は、厳格で 気難しい人で、
笑った顔を思い出そうとしても思い出せない。
抱っこされた記憶もなければ 何かを買ってもらった記憶もない。
覚えているのは、お行儀が悪いと、よく叱られた事。
私が祖父や 父が座っている前を横切ったり
弟を けんかして殴ったりすると
「女人の分際で 」と,怒られたことがある。
私が『じじいの分際で」と切りかえしたら
足を新聞紙でたたかれた。
昨日、テレビである広告をみた。
運動したり、支払いをするのに、
手間取っているお年寄りの映像の後ろで
「もたつく権利」と、いう言葉がながれていた。
おかしいと思う。
卑屈でちっとも優しくない。
なぜ、わざわざ、テレビで流す必要があるんだろう。
別の言い方があるだろう。
祖父が生きていたら、「小僧の分際で、何様のつもりだ。」と
きっと、 怒っただろうなあ。
