娘が 古い写真を探してきた。 学生の私と 高校生の弟が腕を組んで 手をつないで 写っている。

  

  弟の黄色のボーダーのトレーナー 私のグレーのセーター 。こんな時代もあったんだな。

 

   弟は 今は 小さなクリニックを経営している。

 

 その弟が 最近 ある文学賞をとった。  そういえば 昔から本好きで 機会があれば 書いてみたいと言っていた。

 

 記念に出してもらったという本を 読んで見たけれど  

  

  予備校時代 勉強もしないで大きなことばかり言っていた弟の顔や

 女の子のモテ話を にやけながら話していた弟の顔を思い出して  うそくさくてピンとこない。

 

     兄弟って 不思議なものだ。

 

   どんなにかっこつけても 

 

 皮膚に隠された 血管の色やにおいまで すけて見えるような

 

 お前の考えていることなんか まるっとお見通しよ。なんて気がして信じられない。

    

  

  

   不詳の姉はつぶやく。  弟よ あんましかっこつけるな。

 

   それに 誰も あんたの事なんかみてないからさあ。