あれから巫女姫イヨは金の九頭龍のミコトともすっかり仲良し

今日は今にも雨が降りそうな天気
「ミコトさま来てくれないかなぁ…」
とイヨが思っていたら

ミコト
「イヨ呼んだかぁ!」
イヨ
「ミコトさまが来ないかなぁって、心で思ったんだぁ〜。ミコトさまって凄い!!
雨が降りそうなの、卵を集めるまで雨が降らない様にしてほしいの。」

ミコト
「そんな事であろうと思ったぞ、容易い事だ。」
と言って消えて行きました。

そして、卵を集めて羅剛さまの所に着いた途端に雨が待っていたかのように降りだしたのです。

羅剛
「間に合ったな…
イヨもあのミコトを手懐けたか、
これからもイヨの力になるはずであろう。
大切にすると良い…」

イヨ
「うん、ミコトさまと仲良し助けてくれるから好き。」
毎日、イヨは龍神さまにも卵を奉納しているのです。


イヨと金の九頭龍のミコトが初めて会った後
いつもの様にイヨは卵を集めていました。

ミコト
「我らにも卵を分けてくれないか…?」

イヨは母さまが【神獣さまの言う事は聞くのですよ】を思い出て
「うん、いいよ。」と答えました。
ミコト
「我ら龍神は稲荷山の羅剛たちとは反対側に居を構えいる、着いて来なさい。」

ミコトに案内された所はイヨも行った事のない場所、好奇心旺盛のイヨはワクワクが止まりません。
そこは沢山の龍神さまがお休みになっている所でした。
こんなにいっぱいの龍神さまを見た事がないイヨはワクワクを通り過ぎ、あまりの凄さに身体がカチコチになってしまいました。

ミコト
「イヨ、大丈夫かぁ…」
イヨ
「うん、ちょっとびっくりしただけ…大丈夫。」

でもいったい何体居るんだろ…と考え始めました。
九頭龍さんは頭が9つ、3体でしょ。
他にも…小さなかわいい手の指を折りながら龍神を数えるイヨをミコトは微笑ましく見守っていたのです。

龍神を数えていると
イヨ
「ミコトさま!龍神さまの中に青い馬!?
瑠璃色の馬がいる…たてがみがとても綺麗…
あれも神獣さまなの…?」  

ミコト
「イヨは、あれも視えるのかぁ…お前は大したものだ。あれは麒麟という神獣だ。
神獣はみな不浄なもの嫌う。
そして麒麟は清浄な所に住めない。だが、その不浄なものを寄せ付けない結界を張る事ができるは麒麟だ。
龍神が不浄なものを浄化し、麒麟にはこの稲荷山に不浄なものを寄せ付けない様に結界を張ってもらうんだ。
我ら神獣は皆違うが助け合っているんだよ。」

イヨ
「だからここは気持ちが良いんだねぇ。
凄い!」


それから、イヨは龍神さまの住処にも卵を奉納する様になったのです。

イヨ
「らご様、ただいま。
今日からね、ミコトさまの所にも卵を奉納する事になったの。
たくさん龍神さまがいて、麒麟って瑠璃色の馬みたいな神獣もいて驚いた。」

イヨは羅剛に今日の出来事を楽しそうにお話しました。

羅剛
「イヨ。そなたはまだ幼いが巫女の力というのは、どれだけの神獣から力を借りれる事が出来るのかが大切なんだよ。
ミコトと仲良するのは良い事だ」

幼いイヨにはまだ巫女とか巫女の力とかがよく解りませんでした。

巫女の力とは…
巫女自身の霊力の強さと、どれだけ神獣を従え神獣の力を沢山借りる事が出来るかであります。

無邪気に卵を奉納するイヨにとって稲荷山の神獣たちは、将来大きな力になってくれるのでした。

続きます。