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第7話

名古屋駅にいた私は、頭の中がパニックだった。

よくよく考えれば解る事よね。
初めに弟の藤護に電話すれば、いい事だったのよ。
と私は冷静さを取り戻していました。
低級霊に遊ばれた…と感じた。

帰りの新幹線の中で、私の感覚が鋭くなっているのを感じていた。

名古屋駅に着いたら、何となく声の主と距離が近くなった気がしたのよ。
だから、もっと色んな事を感じる事が出来たわ…。

トンボ帰りの様に家に戻った。

家に着いたら、少し前に藤護も家に着いていた。

「ただいま。
藤、心配かけてごめんね…。」

「あっ!姉ちゃん、お帰り!!
大丈夫!? 大丈夫ならそれでいいんだよ。
お疲れさま…。」

私はいつも、藤のさりげない優しさにホッとする。

「姉ちゃん!
箱根に行って、九頭龍さま、長老さまに会ったよ。
凄くデカかったよ!
でも、凄く優しくて、僕らを見護ってくれるって…。
色んな事を聞いてきたよ。
声の主の事も聞いたけど…、僕らの事が解ったのが嬉しかった。」

「僕らの事が解ったって何なのよ…?」

「僕、前から不思議に思っていたんだ。
おばあちゃんって、陰陽師系の霊能者なのに、何でお題目を唱えるのかなぁ?って…。
長老さまがあの有名な陰陽師 安倍晴明もお題目を唱えて、魔から身を護っていたんだって!と教えてくれたんだ。
それが凄く嬉しかった。」

「そうなのね…。
私も晴明って、魔を操るのに自分の事をどうやって護ったか、不思議だったのよ。

ところで、声の主の事はどうだったの!?」

声の主は、瀬織津姫という女神という事。
近くに初代草薙の劔と青龍も封印されている事。
などなど、長老さまから聞いて来た色んな事を藤は話してくれた。

「私も、名古屋に行かされたけど、なんとなく姫さまを近くに感じたのよ。
姫さまの封印も半分は解けていて、その足枷を外すだけの様な気がするのよ。」

「じゃあ、キーワードをまとめてみるね。
瀬織津姫。
草薙の劔。
青龍。
封印。
こんな感じかなぁ…。」

僕はパソコンを開いて、キーワードを打ち込んだ。

「姉ちゃん、瀬織津姫を感じるもの言ってね。
適当に検索するから…。
ネットで調べると、瀬織津姫について色んな人が色んな事を言ってるね。
【封印が解けて、瀬織津姫が動き出す…】とか、でも長老さんの話しだとまだ封印は解けてないって事だよなぁ。」

「藤!それも惑わしの1つじゃないか…。
しっかり、姉ちゃんと見極めろよ!」
とセイが言った。

「セイ!なかなか良い事言うね。
僕たちは長老さまの言葉を信じよう!
おっ、伊勢の伊雑宮(いさわのみや)。何々、天照大神の荒神様を祀ってあるとか、実は瀬織津姫ではないかと言っている人もいるね。」

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「姉ちゃん、ここはどう!?」

「凄く気持ちいいわね。
私の感じた姫さまの声の波動と同じものを感じるけど、それだけかなぁ。
ここには封印されてない気がする…。」

次を検索…。

「おっ、六甲山、六甲比命神社。
この巨石が、瀬織津姫さまのお墓と言われている所らしい。姉ちゃんどう!?」

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「ここ凄いわね!瀬織津姫さまよ!!」

「じゃあ、ここかなぁ!?
他の写真も見てみよう…。」

「藤、ここには青龍が居ない…。オレには青龍を感じないぞ。」
とセイがボソッと言った。

長老さまが言うには、封印されている瀬織津姫さまの近くに草薙の劔と青龍も封印されているんだった。

「そっちを忘れていたよ。
草薙の劔と青龍もだったね。
セイが青龍を感じないなら、ここは違うね。」

「私は瀬織津姫さまと思ったわ。ここに青龍はいないのね。
一度行って見たい所だわ。」

また、振り出しに戻ってしまった。


つづく


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