評決のとき | mori17さんのブログ

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「映画大好きおっさん」の映画関連

今回視聴したのは、1996年の「評決のとき」で、アマプラにて拝見しました。

 

評決のとき

 

原題は「A Time to Kill」で、ネットで和訳すると「殺す時」「暇な時間」とか「プレーヤーや敵キャラクターが攻撃を受けてから死ぬまでの時間」だそうです。

 

以前観た、黒澤監督の「醜聞 スキャンダル」では、観客に手の内を見せて誰が正義で、誰が悪かを確定し、そこにクリスマスキャロルネタをぶち込んで、悪人を改心させる、または悪を凹ますと言った法廷ものでした。

 

しかし同じ法廷モノの本作は、確かに最初の段階では観客に誰が犯罪者で誰が被害者かを明確に明かすのですが、そこからさらに事件が起こり、被告側と原告側に別れて、人間の内面を、人間の闇の部分をこれでもかといった感じでさらけ出し、これって何のために裁判をやっているのか分からない?って状態にしてしまいます。

 

そもそも日本の裁判制度とあまりにも違い過ぎて、私含めた日本人にはよく分からないわけで、白人だったらとか、黒人だからでいろいろと変化するジャッジに対して、差別問題として一石を投じたのだと思います。

 

また、陪審員の結論の出し方は、昔、「十二人の怒れる男(1954年)」でやってた、”被告人の有罪に疑いがあれば、それが合理的な疑いなら評決は無罪になる、合理的な疑問がない場合は有罪になる”というルールに当てはめると、死刑の求刑に対して、「死刑」に合理的な疑いがあれば「無罪」という事になります。

 

まあ、話を戻して、何のために裁判やってるのか?って思わせるあたりですが、とにかくそれぞれ立場が違えば考え方や思いや体験が違うといったことを強調させるシーンで、多少強引ですが、オチへ向かっての伏線ですし、映画なのでこれくらいやらないとダメなんだと思います。

 

こうなってくると、上辺は”白人vs黒人”とし、それでいいのか?と言った展開に、まるで観客が試されているようでもあり、主人公の師匠が言った「この裁判は勝っても負けてもそれは正義になる」が意味深で、どうやらこれがカギになるようです。

 

とにかく観てる最中に何回も胸糞悪くなり、判決の前の晩に本当の問題がなんなのかを薄っすら掲げ、最終弁論で何をジャッジしなければいけないのかを陪審員に語り掛け、やっと判決で着地するのですが、そこからまだ地面を走って、最後の家族団らんが未来への第一歩といった締め方をするという、何とも観客を混乱させる作品なのでした。

 

だって、黒人父に誤って片足打たれて足を切断する羽目になった警官ですが、実は黒人父とは幼なじみという設定で、このふたりだけが世の中のおかしなところを理解していたわけで、「だったらそれでいいじゃん!」と行かないところが余計に混乱させるわけです。

 

だから観終わっての感想が、「無茶苦茶、疲れた~」で、同じことを2回やったわけだから、そりゃ観る方も疲れますよ。

 

だって1回答えを見せているわけで、1回目の表現が前振りで、2回目がたどり着いた答えであるオチで、ラストが伏線回収という事になるのですが、まんまと映画製作者の掌で踊らされたという訳で、なんというか、ミスリードさせてからの後出しジャンケンみたいな表現もあり、ちょっとモヤモヤが残るのも事実で、心の底から拍手はできませんが、これは製作者側に拍手を送りたいと言った感じです。

 

まとめると、原題の「A Time to Kill」とは「暇な時間」や「逮捕されて死刑判決が出るまでの時間」ではなく、「黒人の父が白人2人を殺すその瞬間」をどう判断するのか?を描いた作品である訳で、結局、何が言いたかったかというと、「白人だから、黒人だから、ではないぞ!」ということでして、だから主人公は最終弁論で、「もしレイプされた子供が白人だと考えたら」と問題提起し、白人なら「死刑」に対して合理的な疑いがあり?なし?という風に持って行きます。

 

白人少女が黒人にレイプされ、その黒人を殺した罪➔セーフ

 

黒人少女が白人にレイプされ、その白人を殺した罪➔アウト

 

なぜ違う?

 

そしていちいちこんな問題提起をしなくても、皆が心に刻み込んでいればいい訳で、それには人種を超えた友情と理解が重要であり、白人の子供と黒人の子供が仲良く一緒に歩くシーンが象徴しており、ここから白人のオッサンと黒人のオッサンの真の友情が始まるから、”白人と黒人の未来に幸あれ”といったラストになります。

 

このラストの手法は「夜の大走査線(1967年)」が思い浮かび、アメリカが抱える黒人差別問題を、90年代に描いた作品なのでした。

 

こんな感じです。

 

 

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