今回視聴したのは、1989年公開の「将軍家光の乱心 激突」で、BSでやっていたのを観ました。
カテゴリーとしては時代劇なのでしょうが、かなりアクション性が強く、何というか冒険活劇要素を入れて謎の楽しさが出た映画で、しかし悲しいかな80年代の日本映画なので、アメリカ映画のような派手さを真似してやや火傷気味な感じに仕上がっています。(笑)
というのがアクションシーンの疾走感はいいのですが、いろいろと突っ込みどころ満載で、ということで、この映画を観る時は、軽く酒を飲んで何が来ても楽しめる心の状態にしてから見てください。(笑)
つまり、映画の粗がボケで、それに対して笑いながら突っ込み、そして「ワ~キャ~」言いながら楽しんでください。(笑)
そうです。推しの応援上映のようなそんな感じで人生を楽しむ体で臨むのが良いでしょう。(笑)
話の方は、徳川家光が酒浸りになり、息子の竹千代くんに家督を譲るのが嫌だと言い出して、部下の松方弘樹に息子を殺すように指令を出します。
そして松方弘樹の部下である千葉真一とその部下軍団(武士&忍者で構成)が、竹千代くんをぶち殺そうと、養生のため山間の温泉地で入浴中の竹千代くんに襲い掛かります。
が、緒形拳率いる浪人軍団がメンバー紹介がてらにこれを阻止し、まずはオープニングが終了します。
この時点で敵の忍者軍団が久しぶりの懐かしJAC達で、JACといえばスクールメイツや花柳糸之社中と並び昭和の日本芸能界を陰で支えた3大派閥の一つで、今回は千葉真一とともに大活躍してくれます。(笑)
その後、竹千代くんと緒形拳の浪人軍団は丹波哲郎の屋敷に逃げ込み、どうなるかと思っていると、なんと松方弘樹と千葉真一が竹千代くんのご機嫌伺としてこの屋敷に乗り込んできます。
というのも、家光からのことづけを携え、その内容は江戸城にて竹千代くんの元服の義を執り行うから5日後に来なさいというもので、この地から江戸までかなり距離がある模様。
どう考えても道中にて竹千代くんをぶち殺そうというもので、俺だったら絶対に行きません。(笑)
っていうか竹千代くんの乳母である加納みゆきがめっちゃいい感じで、本当の母親から離されて母性を知らずに育っている竹千代くんのため、母性が強そうな外見の女優さんを抜擢するという細かさ、このキャスティング中々です。
っていうか、この時点で松方弘樹、丹波哲郎、千葉真一、緒形拳がそろって演技合戦するもんだから、めちゃくちゃ興奮してしまいます。(笑)
丹波さんはそこにいるだけで丹波さんだし、千葉さんはやや大げさではあるけどなんかやってくれそうな演技、緒形さんは物静かでなかなか顔に出さないけど腹に一物ありそうな演技、そして松方さんの目線一つ、顔の向き、間、仕草、声、どれをとっても目が離せなくなる、まるで歌舞伎の演技を映画にさりげなく持ち込んだような、それでいて大げさではなくカッコいいという、さすが昭和の大スター、これができる俳優は令和の今、もう北大路欣也か高橋英樹しかいないのでは?といったヤバいシーンです。
ほんで、殺されるくらいだったら跡継ぎの権利を放棄すればいいのに何故しないのか?
これは丹波さんの藩が竹千代くんを御守しており、もし江戸での元服の義を全うできなければ、御守役である丹波さんの藩自体がおとり潰しになるという超絶パワハラ社会だからで、藩の存亡をかけて竹千代くんには江戸へ行ってもらい元服してもらわなければならないからです。
つまり、藩もそうですが、竹千代くんが一番の被害者で、本人の意思に関係なく死へのロードが始まるというわけです。
そしてその直後に、松方さんと緒形さんの因縁が明かされ、更には千葉さんが緒形さんに対抗心を燃やし、死のロードが幕を開けます。
見どころとしては、
①家光のバカ殿ぶり
②丹波さんvs千葉さん
③忍者軍団のJACぶり
④それなりに楽しめる特撮
⑤竹千代くんの素人演技
⑥浪人軍団の死にっぷり
⑦崖からの飛び降り
⑧ロープで谷渡り
⑨馬たちのアクション(かわいそすぎる~)
⑩緒形さんvs千葉さん
⑪阿鼻叫喚の火だるまシーン
⑫竹千代くんの人形すり替わり
⑬バレバレのスタントマン入れ替わり
⑭馬大爆発
こんなところでしょうか。
特に⑪の火だるまシーンは、アメリカから特殊効果の人を呼んだかなんかで、かなり気合を入れて撮影したといった番宣を当時にTVで観ました。
ですが、仕上がりは「こち亀」みたいで、大爆笑な仕上がりで、別にしょぼいとか馬鹿にしているわけではなく、あまりの阿鼻叫喚なシーンにびっくりの後に怖さではなく楽しさが上回ってしまうという、作った人たちの意図しない観客の反響になって、とにかく大盛り上がりです。
特に、長門さんに似せた仮面はジワジワきます。(笑)
これは映画館でアクションを楽しむのもありですが、家庭で大型テレビにて、ちょいちょい出てくる粗を、突っ込みながら鑑賞した方が絶対にいいでしょう。
というわけで、今回のMVPですが、竹千代くんに決定です。
竹千代くんですが素人演技丸出しで、そこは意外とどうということはないのですが、それよりもちょいちょい人形にすり替わります。(笑)
バレバレです。(笑)
っていうか荒業過ぎて製作者側も開き直ってやってるとしか思えません。(笑)
もう、これは俺を笑かそうとピンポイントで攻撃してきたのではないかと思うほどで、これを見つけた時の衝撃と言ったらものすごいものです。(笑)
こちらが我が家にあった竹千代くん似の人形ですので参照ください。
何にしても楽しみ方を間違えなければめちゃくちゃ楽しめる映画ですので、楽しむことができればストレス発散できる作りになっている映画です。
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