「みんな馬鹿になるプロジェクト」第一話。
私は経営コンサルタントではなく、しがない企画屋プランナー稼業なんです。
「金勘定は苦手だし、お金を集めるのも嫌い。」と言っているにもかかわらず、
「金勘定は苦手だし、お金を集めるのも嫌い。」と言っているにもかかわらず、
なぜか企業のトップから「ランチどうですか、うちの会社変えたいので・・」とお悩み相談が来るのです。
だからいうんです「私ができることは社内の創造力をアップさせるお手伝いです。」と。
眉間にしわ寄せて見る事業計画とか貸借対照表ではなく、ワクワクする企画を創ることが好きなんです。それでよろしければ、こぴっとお話を聞きます・・と。
それに美味しいランチはウェルカムですから。(私の弱点でもあります。)
ということから始まって・・・。
ちょっとおもしろい試みとなった、とある会社の中での「馬鹿なプロジェクト」の話を書きます。
またまた、ちょっと長いです。時間のある時にお読みください。
私の好きな歌手に佐野元春さんがいます。カラオケでもよく歌います。
彼の曲「君と一緒でなけりゃ」に「人間はみんな馬鹿だ」の詩があるのです。妙に説得力ある言葉です。
その歌を参考にした「会社でみんな馬鹿になるプロジェクト」の話なんです。
でも、会社はもとより発想で煮詰まっている音楽・舞台のクリエイターの皆さんにも、意外と参考になるかもしれません・・・、たぶん。
さて、時代をさかのぼること一年半前です。あまりさかのぼっていないか・・。
ある会社の准トップ専務(三代目候補)から相談がありました。
前にFBで書いたうな重と美しすぎる秘書のいる会社ではないのです。
(こちらも二話連載で面白いので読んで下さい。)
指定された銀座の老舗Tホテルのレストランに行くと中華の個室に案内されました。
私の能天気なO型性格上、いつも時間ぎりぎり到着なんですが、ランチが絡むと歩く速度が速くなり、結果五分前についてしまいました。
通された部屋に、強面の恰幅のいい経営に長けている風体の男性がいました。どこかで会ったかなぁ~だれかなぁ~と少ない容量の脳みそをフル稼働して検索してみましたが、やっぱり初めて会う人です。
相手も、私の銀行マンみたいなスーツ姿に場違いのワンちゃんのネクタイ、そして、いかにも広告業界のメガネというミスマッチの風体を上から下まで見て、なんだこいつ・・という顔をしています。
企画のプレゼンをいっぱいしていると、部屋の空気と相手の感情の変化を先読みするのが職業病みたいなものなので、相手のいぶかしげな気持ちがすぐわかるのです。
話脱線しますが、プレゼンの時の重要三大要素は、場の空気、真剣勝負、一語一会です。
スパッと切りこんでスパッと去っていく・・・、宮本武蔵の境地が必要なんです。
だから、その場の空気を先取りして制するのは大切なんです。はい、脱線でした。
お互いに自己紹介するわけでもなく、五分間という微妙に長い静寂が流れました。
こういう時は、目の前の水を飲むのが一番。
私が飲むと、強面のおじさんも水を飲みました。
人間の緊張は脳の血管が委縮して血流が悪くなるその緊張からくるので、水分を補給すると血中の水分が増えて血流がよくなるのです、ちょこっとフーと緊張がほぐれるのです。
そこに、男性の秘書 (この会社は美しすぎる秘書ではなかった・・ちょっと残念) と共に准トップが「よ、久しぶり」と入ってきました。
もともと彼は末っ子で大学卒業後広告代理店に就職して、天職だぁ・・と言って、私とちょい悪でおもしろい企画をいっぱい考えていました。
しかし運命で兄が病気となり、実家の会社に戻ることになったのです。
名古屋に本社のある〇〇工業という上場の企業です。
もともと自動車やオートバイの工業部品機械をつくっている部品機械メーカーですが、その技術を生かしたあらたな市場開拓へ先代から挑戦している風土があります。
まずは准トップから紹介されたのが先ほどの強面のおじさん。
「こちらは新規事業を総括している〇〇常務、わたしの心強いおじさんでもあります」と。
「こちらは新規事業を総括している〇〇常務、わたしの心強いおじさんでもあります」と。
するとおじさんの顔が、強面から笑顔にかわり、私も強面の経営コンサルじゃなくてよかったとホッとして名刺交換しました。
「専務が前職の時に、おもしろい企画をご提案頂いた専門家だと伺っております、今日は、楽しみに同席させていただきます」(本当は、名古屋弁のアクセントなんです)
丸テーブルに中華のコースが運び込まれ、ランチを食べながらの打合せとなりました。
さて、ここから本題です。(いつも、前説が長くてすみません)
「みんな馬鹿になるプロジェクト」は、失敗というか停滞の危機感から始まったのです。
先代の時にバブル崩壊、〇〇ショックとなり、自動車関係だけに頼っていたのでは先行き不安となり、まずは取引銀行に相談に行ったそうなんです。
そこで、著名コンサルティング会社を紹介されてはじまったのが「新規事業開発」だったのです。
そこで、著名コンサルティング会社を紹介されてはじまったのが「新規事業開発」だったのです。
この辺の流れはこの当時に多くの企業が選択している道です。
様々なアドバイスとマーケティングリサーチのデータ分析を基に、社長直属の部署をつくり、社内で人材を公募してプロジェクトがスタートしました。
最初の三年間は、社内への新規事業への取り組みも熱気があり、面白いアイデアがいっぱい集まったそうです。事実、この時の800近いアイデアを見ると、実にアイデアにあふれて創造的でした。
ところがその中から商品開発にこぎつけたのが六つ、試験的にエリア限定で売り出してみたものが二つ。
ところがその中から商品開発にこぎつけたのが六つ、試験的にエリア限定で売り出してみたものが二つ。
私が最初にこの話を聞いて「え、800近いアイデアからたった二つ」と聞き返したくらいです。
後で知ったのですが、もと銀行員で友人の会計士の人と話していた時に、この時代の銀行の常套手段のパターンだよね。というのです。
先行き不透明な不況の時代がこれからも続くと思われていたので、多額のお金を貸し付けている銀行は、とにかく会社の安定を第一に、新規事業を抑制し、安定して返済してもらえることを大前提にします。
でも、それを露骨にいうと会社の反発をくらう、だからコンサルを派遣して体面上は新規事業を立ち上げる、で、熱が冷めるのを待つ・・というのです。
いやー、「倍返し」のテレビドラマのようですが、経営とは奥が深い・・と感心しました。
先行き不透明な不況の時代がこれからも続くと思われていたので、多額のお金を貸し付けている銀行は、とにかく会社の安定を第一に、新規事業を抑制し、安定して返済してもらえることを大前提にします。
でも、それを露骨にいうと会社の反発をくらう、だからコンサルを派遣して体面上は新規事業を立ち上げる、で、熱が冷めるのを待つ・・というのです。
いやー、「倍返し」のテレビドラマのようですが、経営とは奥が深い・・と感心しました。
そのテスト販売した二つの製品も、製品の評価は高かったのですが、もともとがそんな背景なのでちゃんとした事業となるところまで売り出す戦略もできず、じり貧どまりとなったのです。
結局残ったのが社長室から常務管轄の「新規事業開発部」の部署四人だけとなりました。
そんな中、創業家の危機ということで次期三代目が呼び戻され、株主、社員から一挙手一投足が注目されることとなったのです。
最初の五年間は、先代から釘を刺されたようです「とにかく地道に信頼を得ろ」「グループ末端まで話を聞け」「独断専行するな」「華燭に溺れるな」などなど、広告代理店当時の彼のことをよく知っているアドバイスです。
その後、専務となり現在の職で、海外出張も含め帝王学を学んでいると本人は豪語しています。
そんな時に相談があったんです。
「新たなことをやってみたい。否、今余禄あるうちに何かやってみたい」と。
さて、テレビドラマでいうと、登場人物の紹介とこれから始まる物語のプロローグの第一話が終わったところです。
人気ドラマ「半沢直樹」も第一話は
背景の紹介で、視聴率はそんなに高くなかった分けですから、ここまで読むと早く本題に入れ・・・とおしかり受けそうです。
というわけで、第二部の冒頭部分を書きます。
背景の紹介で、視聴率はそんなに高くなかった分けですから、ここまで読むと早く本題に入れ・・・とおしかり受けそうです。
というわけで、第二部の冒頭部分を書きます。
中華レストランで食べているときに、私が言った言葉です。
「みんな馬鹿になんないと、アイデア生まれないですよ」。
「みんな馬鹿になんないと、アイデア生まれないですよ」。
「え!、え?」とエビチリを取ろうとしていた専務も、ふかひれスープを飲もうとしていた常務も、ここぞと北京ダックにパクつこうとしていた秘書も、みんな箸を止めて聞き返しました。
「馬鹿になるですか」。
「はい、馬鹿になんないと、世の中を変えるアイデアは出てきません」
続けて、「今の世の中、何だってあります、何だって買えます、世界中を検索して、希望のモノを取り寄せたりオーダーできます。今の時代は『飽食・飽物・飽情』の時代なんです。」
この世の中にマーケットリサーチして新商品開発して打ってでても、売れないです。もし売れたとしたら一週間後には十分の一の値段でコピー商品が出回り、本物で高いものは駆逐されてしまいます。そんな時代なんです。」
エビチリを口に頬張ったまま次期三代目は「うーん、そういわれればそうだな、新商品開発はみんな苦戦しているよな。後発の商品が市場をリードするしな・・・」と唸り、しばし沈黙。
そして、「でも、今のままというわけにもいかんしな、ではどうすればいいか・・」
めったに食べれない目の前の北京ダックをかじっていた私は、「新商品の開発するミッションを立ち上げる前に
「『みんなが会社が馬鹿になるプロジェクト』を始めてみませんか。そこに、今の時代に、いや、未来を想像するヒントが出できますから」と即答して、北京ダックをパクリ。
みんな、ん?と箸が止まったまま・・・。
続きは、この休み中に書き上げますので、第二話に続きます。
第一話読んでいただいてありがとうございます。 感謝。
