即興演劇をビジネスに活かすって、どういうこと?
に答えます。
先日、ビジネスセミナーに取り入れられてい演劇の事を少し書いたら、美しい演劇の友から、こわもての経営者から、就活中の学生さんから、もう少し話を聞きたいとメールが来ました。
はい、ということで、おだてに弱い私は、話のエッセンスをここに書きます。
「ビジネスと演劇は一緒なんです」と最初に話すと、みんな、どこが?とつっこまれますが、本当なんです。
ビジネスは、企画の立案、開発販売の実行、市場参入、事業の管理、という流れによって各部署が活動しているように見えますが、日々大きな流れに乗った即興劇の中にいるのと同じなんです。
計画(台本)をつくり開発(稽古)をし、販売(集客チケットを売る)して、市場参入(本番)し、収支管理(清算)をしていく。
この一連の流れは、ビジネスも舞台も同じです
唯一ビジネスと舞台の違いは、ビジネスは、カタチが決まりその中で教育されてきたゆえに、「創造性、即興性、瞬発力、笑いの心構え」が鍛錬されていないということです。
ビジネスで定番と言われるカタチは様々なセミナーで受けられますが、「創造性、即興性、瞬発力、笑いの心構え」という人間性スキルの部分は、教科書がなく、指導者もどう教えていいかわからないのです。
ビジネスは、日々動いています、だから何が起こるかわからない、何が起こってもおかしくないのです。
企業で働いたり、経営している方は、次から次の想定外のことがおこり、業務の半分はその処理に追われていくというのも珍しくありません。
想定外の事がおこる、それは、学校やセミナーや指南書で習った理論だけで解決できるものではなく、本人自身が研ぎ澄まされた人間力をもって即興(インプロビゼーション)で解決していくしかないのです。
想定外のことが起きるのは舞台も同じです。
でも、日々鍛錬している役者さん、スタッフは、それに瞬時に即興で対応できる力を持っているのです。
実は、ビジネスの激しい想定外の現実に、瞬時に、そして、笑顔で対応するのに必要なツールを、演劇人・コメディアンの世界はスキルとして蓄積しているのです。
面倒な理論はいろいろありますが、これは脇に置いといて・・・。
どのような活用がなされているか具体的な話をします。
一目瞭然です。
メジャーリーグ野球選手の新人研修では、演劇人と即興コメディアンによる新人研修があります。
何で野球選手に演劇とコメディ研修なの?と思いますよね。
私も、はじめはそう思いました、でも、すごく納得しました。
MLB研修の目的は明確なんです。
これは企業セミナーで一番大事なフィロソフィーなんです。
このセミナーは何を得るセミナーであるかを明確にしないと、参加者に持ち帰ってもらえないのです。
MLBの新人研修の目的は、
「メジャーリーガーは、国民のヒーローであり、誰からも愛されなければならない」というMLBの哲学にのっとって開催されています。
では、そのために身につけなければならないスキルは、「ファンから好印象を得るスキル」「ファンを怒らせない、嫌われない、笑顔にさせるスキル」なんです。
ただ、笑顔で手を振って、サインをすればいい・・・と思うかもしれませんが、実はそうではないんです。
相手は人間なんです。
現場では、想定外のことがいっぱい起こるのです。
まずは、想定シーンを基に、セミナーが開始されます。
出発の時刻が迫っている、でも、ファンがサインを求めている。
さぁあなたはどうするか・・時間は、二分のみ。
実際に十人の役者が子供からおじいちゃん、そして、こわもてのファン、ストーカー気味の絶叫のファンが待ち受けています。
さぁ、どうするか~。
実際に、選手たちに今までどうしていたかを実演してもらいます。
大体が、マネージャーの顔をみたり、時計を示したりして、すまなそうな顔で急ぎ足で去っていきます。
これが一番悪いパターンなのです。ファンからのブーイングが起こります。
そして、ファンは心に決めます「あんな冷たい奴は、ファン願い下げだ」と。
役者さんたちはファンの役になりきっているので、その行為に本気のブーイングと罵声を浴びせかけます。
新人たちは「え、何で、俺が悪いの?」と青ざめていきます。
それを挽回しようと、今度は立ち止まってサインをしようとします。
するとファンが押し寄せてきます。囲まれてしまいます。混乱が起きます。
子供がもみくちゃになり泣き出し、老人がはじき出されて転びます。
実際に役者さんたちは、見事に演技をします。
そして、その瞬間をSNSとメディアは捉えます。
その結果、たった二分のファンサービスを間違ったための、本人の意図しない最低の評価がニュースとSNSで拡散してしまうのです。
では、答えはどうしたでしょうか・・・・
皆さんも考えてみてください。
全部書くとさらに長くなるので、大切な要点だけ書きます。
下記を寸劇仕立てで即興体験して、身体に沁みこませるのです。
1・「一つのサインは一生のファンとなる」と最初に教えられます。
その為には、シャワー時間を短くしてもサインをする時間を多く作ること。
これはメジャーリーガーとしてファンに喜んでもらえる大切な志事であると。
サインは三秒で書けるサインにして練習する。これも劇の中で体験します。
2・「常にファンの集団を見る。」そして、ハンディキャップを持つ方、中学以下の子供、ご高齢の方、の順番で必ずこの方たちにはサインをする。この方たちにサインをしないとそれを観ているファンの上記の低評価につながる。この方たちのサインを優先することは、誰も反発しないのです。
3・上記の方たちを優先して他にサインをする余裕がない場合は、ハイタッチをする。
行動心理では、あこがれの選手に触れただけでファンは好印象を持つ。サインよりも触れたことが好感度アップする。その時の台詞は「ありがとう」の一言で言い。
上記はメジャーリーガーとしてのイロハのイです。導入部分です。
本当はここからが即興体験で鍛えられるところなんです。
「ファンから罵声お前のせいで試合が台無しだ!」と言われたら、どう対処するか。
役者は迫真の演技で多くの罵声を浴びせます。
周りのファンたちもハラハラします。
スルーしちゃえばいいのですが、それでは、敵に背を向けることになるのです。
メジャーリーガーは、常にヒーローですから、ヒーロー然とした対応をしないといけないのです。
どうしようかと多くの新人は迷います。そして、せめてもの抵抗として手を振って去っていきます。
これでは、ほかのファンもがっかりします。
ここで求められているのは、ウィットに飛んだコメディーセンスなのです。
ウィット例として「I will be back、Tomorrow。」映画の名台詞ですが、この台詞で返すと、罵声を浴びせたファンを苦笑いさせ、周りのファンから拍手をもらい、そして、メディアのニュースのタイトルになるんです。
この即興ウィット感覚は、何もメジャーリーガーだけでなく、営業シーンにも大切な
要素なんです。
しかし、演技、コメディーの素人がいきなり即興ウィットで会話しろと言われても、戸惑ってしまいます。
それ故に、舞台・コメディーのプロが、様々な特殊なシーンを再現して、参加者とインプロビゼーションの体験を重ね、上手く立ち回るスキルを磨いていくのです。
インプロビゼーションのスキルを身に着けると、ビジネスのシーンで出くわす想定外の事や難局において瞬時に優位に立てるコミュニケーションスキルとなるのです。
メジャーリーグの新人研修では、日常から特殊な事情の100近いインプロのテーマがあるのです。
例えば「高額の契約をしたとたん音信不通の親戚から、うまい投資の話があったとしたらどうするか」⇒相手の要求を無力化して、上手くかわすスキルも寸劇と即興で体験するのです。
そして、このスキルは、ビジネスシーンにおいてもクレーマーといわれる顧客対応にも活用できるスキルなのです。
もちろんも嫌なお客様にも活用できるスキルなんです。
厄介なことになりそうな状況を和らげ、そして、相手を笑わせる(苦笑させてもいい)、周りの好感をアップするスキルを身に着けることは、あなたの人間力を輝かせるのです。
特に相手を笑わせる即興のスキルアップは、口下手な日本人が最も必要とされているスキルでもあるんです。
即興演劇をビジネスに活かすについて、第一章を急ぎ書いてみました。
第二章は、ビジネスシーンでの即興演劇の活用「顧客獲得」「チーム」「上司と部下」・・・・等について時間のある時に、また書きます。
長文読んでいただいてありがとうございました。
企業コンベンションやセミナーを年中書いている関係から、ビジネスシーンで求められているネタはいろいろあります。
これを上記のようなビジネス即興演劇セミナーとしてカタチにしてみたいなぁと興味を持った舞台関係者の皆さんと創造会ランチしたいと思っています。
感謝 内村

