「リアルな魔術師」
先日、朗読劇「リトルツリー」にて衝撃と感銘を受けた演出家 白峰優梨子先生(愛称シーラさん)の演出舞台をみました。
「Sheila&Shining Stars Vol2」です。
実に心に刺さる素晴らしい舞台でした。
15畳ほどの小さな舞台で、セットも必要最低限、登場人物は二人だけ。
え!?、そうなんです、二人だけなんです。
この二人舞台が三話つづくのです。
この二人の世界が実にリアルなんです。
第一話「ETみたいなグットバイ」
女優仲間の一室。夢を断念して田舎に帰る祥子役高橋まりこ、夢を続ける役チカ役の中嶋たまみ。
高橋まりこさん、中嶋たまみさんの若手女優さんの自然体の二人芝居、
このような別れのシーンが実際にあるだろうな・・というくらい、リアルなんです。
リアルだからこそ観ていた私は学生時代の友との別れを思い出してしまうのです。
引き込まれるのです。二人の実力派の女優さんたちの活躍が楽しみです。
第二話「こんな小さなネジか何か」
離婚をして実家に帰りずらい姉(相元晴名さん)が、弟(長山浩巳さん)の部屋に転がり込んだところから二人の物語が始まります。
二人のえ!、なんで!の打ち明け合い、慰め合い、そして、立ち直り・・が実に、これ有るだろうな・・と思えるほど面白いのです。
実に本当の兄弟の世界がそこにあるのです。
お二人の呼吸の合った演技、別なシーンでも観てみたいです。
私は三兄弟で、一番上の四歳上の姉と仲良しで、二歳上の兄とはライバルだったんです。
だから、この舞台での姉が弟を心配し、弟が姉を心配する二人の兄弟の関係が実にわかり、心に刺さるのです。50過ぎた今でも姉はちゃんと食べてる・・と心配してくれていますから・・。
あ、ちなみに、姉役の女優相元晴名さんは、私と同郷で自転車で5分程度の隣地区のご出身なんです。
今回初めて演技を見させていただいたんですが、実にすばらしい、すごい才能だの一言です。
喜怒哀楽をリアルに、感情豊かに表現できる素晴らしい才能を持っています。実をいうと、この喜怒哀楽の表現って天分がないとダメなんです。
晴名さんは、喜怒哀楽の表現がすごくリアルなんです。演技なんだけと演技じゃないんです。だからお客様を引き込ませるのです。
そんなオーラがあるんです。うーん、すごい才能です。
この才能を発見してそのまま生かして演出したシーラさんもすごいです。
第三話「10年目のロックスター」
実に共感する物語でした。私を知っている人は想像できないでしょうけど、肩まで長髪、バンダナ巻いて、ベルボトムのジーンズはいてロックをやっていたのでさらに共有できたのです。
売れないロックバンドから一人だけ引き抜かれスターになって、残りのバンドは解散、それぞれの人生を歩んで10年。浮き草稼業の音楽業界の性で、ロックスターは落ちぶれ仲間に会いに来る・・・ところから物語がはじまります。
往年のスター役の星野広樹さん、ライブハウスオーナーの樋口大悟さんとの絶妙なおもいやりとつきはなしの会話が実に面白いのです。
そして、最後には、仲間の思いやりが「重い槍」としてスターの心にぐさり・。
これもあるだろうな・・・と私の心にぐさり。いつまでも友とは仲良くしなきゃと反省しきり。
この舞台を演出したのが演出家 白峰優梨子先生(シーラさん)。
シーラさんは、リアルな舞台空間づくりにこだわっているのです。
役者さんの才能を最大に引き出してテーマの中に自由な演技空間を創る。
役者さんにとっては「フリーダム」は非常に難しいんです。
むしろ、あれやこれやとカタチに決められた方がいいんです。
でも、シーラさんは根気よく役者さんの才能を磨き上げていくんです。
だから、リアルな空間が出来上がり、自分の過去体験とオーバーラップして心が吸い込まれていくのです。
舞台の波動に同調していくというか、すごい演出です。
「役者が輝くと、舞台が輝く、お客も輝く」。
多くの若手演出家の皆さんにもぜひ見てもらいたいと思うのです。
すごく参考になると思います。舞台の神髄がここにあるのです。
私が勝手に命名した「リアルな魔術師」シーラさんの次の作品も是非に観に行きたいと思います。
もし、演出に行き詰っている舞台や壁にぶち当たっている役者さんがいたらシーラさんの扉を開いてみたらいいですよ。
シーラさん、役者さん、頑張ってください。
長文読んでいただいてありがとうございました。感謝。 内村
